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40代の口と歯の健康をサポート! そのお悩みに歯科衛生士が答えます

40代の口と歯の健康をサポート! そのお悩みに歯科衛生士が答えます

40代になると、自分の口や歯について悩みを持つ人が増えてくるようです。そこで本記事では、40代の方たちから寄せられたリアルなお悩みに歯科衛生士が回答。健康な口や歯を保つために、ぜひ参考にしてくださいね!

更新日: 2024.06.18 口のお悩み解決事典

40代になると口や歯の悩みが増えるのはどうして?

40代女性の口元

40代になると肌や髪だけでなく、口や歯の変化について気になる方が増えてきます。どうして口や歯への悩みが増えていくのか、40代の口の現状を見ていきましょう。

40代の約40%が歯周病

令和4年 歯科疾患実態調査によると、40代の約40%が4mm以上の歯周ポケットを有しているそうです。さらに50代60代と年齢が高くなっていくにつれて、歯周病になっている人の割合は増加していきます。

「サイレントキラー」と呼ばれるだけあって痛みがほとんどなく、気がついたときには重症だった……なんて人もいる歯周病。歯周病菌は全身の健康にも関係しているので、40代のうちに対策をしておくことが大切です。

女性ホルモンの影響

40代に入ると、女性ホルモンの分泌が減少します。実は、これが口腔環境にも影響を及ぼしてくるのです。

女性ホルモンである「エストロゲン」は、唾液の分泌に大きく関わっています。エストロゲンの分泌量が低下すると、連動して唾液量が減少。口の中の細菌が洗い流されにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まるうえに、口臭の原因にもつながります。

口と歯に対する40代のリアルなお悩みに歯科衛生士が答えます!

歯科衛生士の女性

【お悩み①】
年齢とともに口の中が乾きやすくなってきた。もう年だし仕方ないのかな? (Aさん/45才/女性)

「水分補給」と「噛むトレ」で口にうるおいを!

歯科衛生士・関山
歯科衛生士・関山

まず大切なのは水分補給です。口の乾きを感じる前に、しっかり行ないましょう。お茶やコーヒーなどカフェインを含むものは利尿作用があるため、水分補給には「お水」がオススメです。

水分補給ができたら、噛むトレーニング「噛むトレ」にも取り組んでみましょう。モグモグと噛む刺激によって唾液が分泌され、口がうるおいます。

「食事のときに噛む回数を増やす」「食材を大きめに切る」などのほか、忙しい現代人にピッタリな噛むトレが「ガムを噛む」です。むし歯のリスクを高めないように、お砂糖の入っていないものを選びましょう。いろいろなタイミングで噛んでみてくださいね!

【お悩み②】
コーヒーが大好き! でも着色が気になって……。歯医者さんで落としてもらっているけれど、ほかに解決方法はない? (Bさん/40才/女性)

セルフケアで着色しにくい歯を目指しましょう!

歯科衛生士・関山
歯科衛生士・関山

付いてしまった歯の着色は、残念ながら歯科医院に行って落としてもらうしかありません。ただしセルフケアで、着色しにくい歯を目指すことはできますよ!

多くの場合、着色しやすい歯は表面にたくさんのキズがあります。このキズの中にコーヒーやお茶などに含まれる色素が入り込み、着色汚れが付いてしまうのです。

歯の表面のキズを防ぐために、①研磨剤入りの歯みがき粉を避ける ②歯みがきの力加減に注意する などを心がけましょう。歯の傷を埋める成分が入った歯みがき粉の使用もオススメです。
記事の後半で詳しく説明しているので、そちらもあわせてご覧ください。

【お悩み③】
40才を過ぎたころから、自分の口臭が気になるように。人と話すときも心配。オススメの口臭対策はある? (Cさん/41才/女性)

口臭の原因によって、対策方法は異なります

歯科衛生士・関山
歯科衛生士・関山

口臭にはいくつかの原因があり、その原因によって対策方法が異なります。以下にまとめたので参考にしてください。

① 口の中が乾燥している
水分補給と噛むトレでうるおいをキープしましょう。

(関連記事)唾液の量を増やす6つの方法! 体内での働き&唾液が少なくなる原因

② 歯ぐきが腫れている
歯ぐきが腫れていると、プラーク(細菌のかたまり)が溜まりやすくなり臭いを引き起こします。また、歯周病自体も口臭の原因に。ピンポイントでケアしましょう。

(関連記事)歯周ポケットとは? 歯ぐきをケアして歯周病予防を徹底しよう

③ 舌の上に苔のようなものが付着している
舌ケア専用のアイテムで、舌苔(ぜったい)をやさしく取り除きましょう。

(関連記事)舌の白い汚れ「舌苔」の原因とは? 口腔内への影響や予防・ケア方法

【お悩み④】
子どものときに教わって以来、ずっと同じケアの方法を続けている。このままで問題はない? (Dさん/46才/女性)

「これから」に備えた対策を取り入れるといいかも!

歯科衛生士・関山
歯科衛生士・関山

今続けている歯みがきで口の健康がキープできているなら、ケアの方法は変えなくて大丈夫です。でもせっかくなら「これから」に向けて、こんなケアを取り入れてみてはいかがでしょうか?

① くすみ・着色を予防する「トリートメントケア」
歯のくすみ・黄ばみは、見た目年齢を高める要因のひとつとなります。

そこでおすすめなのが、歯のトリートメントケア。歯の傷を埋める成分の入った歯みがき粉を使ったり、歯科医院でケアしてもらいましょう。歯の表面がなめらかだと汚れが付きにくくなり、ツヤや透明感をキープできます。

② 筋肉の衰えを予防する「噛むトレ」
顔には30種類以上の筋肉があり、食べ物を噛むときや話すとき、表情をつくるときに使われます。

なかでも「咬筋(こうきん)」や口の周りの「口輪筋(こうりんきん)」「頬筋(きょうきん)」は、咀嚼の際に刺激を与えられる筋肉。つまりしっかり噛むと、表情筋のトレーニングになるんです。

また口を動かすと唾液が出てくるので、年齢とともに渇きがちになる口の乾燥も防げます。すぐに取り入れやすいのは、ガムを噛むこと。今日から噛むトレに取り組んでみませんか。

③ 歯ぐき下がりを予防する「歯ぐきケア」
実年齢より老けて見えてしまいがちな歯ぐき下がり。これを予防するには、コシのあるやわらかめの歯ブラシを選ぶことと、やさしく磨くことが大切です。

ワンタフトブラシやフロスを活用し、頑張りすぎない磨き方を心がけてくださいね。

【お悩み⑤】
そもそもどんなケアをすればいいのかわからない…… (Eさん/41才/男性)

それでは40代におすすめのセルフケアを紹介します!

歯科衛生士・関山
歯科衛生士・関山

40代におすすめ! 歯科衛生士が教える年齢に合わせた効果的なセルフケア

歯科衛生士に歯磨きのレクチャーを受けている様子

10年後20年後も健康な口でいられるように、40代のうちから「これから」を見据えた効果的なセルフケアを始めましょう。

【歯ぐき下がりを防ぐ】歯みがきはやさしくが鉄則!

前述のとおり、歯ぐき下がりを防ぐには頑張り過ぎない磨き方が大切です。次の2つのポイントを心がけてください。

Point① 硬い歯ブラシは避ける

硬い歯ブラシで磨くのは、歯ぐきを傷付けてしまい歯ぐき下がりを引き起こす原因になります。そのうえ磨き残しも多くなり、プラーク(細菌のかたまり)をうまく除去できません。

おすすめは、やわらかめでコシのある歯ブラシ。しっかりとプラーク(細菌のかたまり)を落としながら、歯ぐきにやさしい磨き方ができます。

Point② 力を入れて磨かない

ゴシゴシと強い力でブラッシングをすると、毛先が広がって歯ぐきに当たりダメージを与えてしまいます。

歯ぐき下がりを防ぐには、歯みがきを頑張り過ぎないことが大切です。力を入れず、歯と歯ぐきの境目に毛先が当たるように持って磨きましょう。

【引き締まった歯ぐきへ】デンタルフロスを使って歯ぐきの中までキレイに

歯ぐきのケアにはデンタルフロスがおすすめです。歯ぐきの中のプラーク(細菌のかたまり)を、しっかり取り除けます。

前述のとおり、40代の約40%は歯周病です。さらに年齢が上がるにつれ、歯周病の罹患率も高くなる傾向が。これは若いころと比べて、免疫力が低下してくることも関係しています。40代のうちからしっかりケアして、健康な歯ぐきをキープしましょう。

(関連記事)ただ通すだけじゃもったいない! 健康へつながるデンタルフロスの正しい使い方

【露出した歯の根元のむし歯を予防】ワンタフトブラシでピンポイントのケアを

歯ぐきが下がって根元が露出しているところには、ワンタフトブラシを使いましょう。ピンポイントで狙えて、ラクにプラーク(細菌のかたまり)を落とせます。

露出した歯の根元部分はやわらかいうえに、プラーク(細菌のかたまり)が溜まりやすい場所。普通の歯ブラシでは磨きづらくむし歯になりやすいので、意識して磨いてみてください。

(関連記事)ワンタフトブラシですみずみまでスッキリ! 効率よくケアする使い方を知ろう

【つややかで美しい歯へ】エナメル質を守るケアを心がけて

歯の表面を覆っているエナメル質を守るには、「研磨剤無配合」または「エナメル質修復成分配合」の歯みがき粉がおすすめです。

研磨剤入りの歯みがき粉を使い続けていると、エナメル質を傷付けてしまうことが。できるだけ無配合のものを選んでください。エナメル質の細かい傷を修復する成分が入っている歯みがき粉は、表面の傷を埋めて細かい凸凹をなめらかにしてくれます。

また、磨き方にもひと工夫を。歯ぐきのケアと同じように、やわらかめの歯ブラシを使ってやさしく磨いてください。エナメル質を傷付けることなく、しっかりプラーク(細菌のかたまり)を落とせます。

健康な口と歯のために、40代からのセルフケアを大切にしよう

歯磨きをしている女性

「人生100年時代」といわれる昨今。40代はまだまだ若い世代です。年を重ねた先の毎日を元気に過ごすためにも、ぜひ今日から口と歯の健康を見直してみてくださいね!

【コラム】みんなはどれぐらい口腔ケアにお金をかけてる?

40代男女30名にアンケートを取ったところ、口腔ケアにかける費用は平均月額896円でした。

必ずしも高額なものを使うのではなく、「自分に合ってかつコスパの良いもの」を選ぶ方が多いようです。

実は予防先進国スウェーデンでも、同じ考え方が浸透しています。毎日のケアだからこそ、賢く続けていきたいですね。

1ヵ月間の口腔ケアにかける費用のグラフ

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

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