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口の筋肉の衰えを防いで健康に! オーラルフレイルのセルフチェックとトレーニング法

口の筋肉の衰えを防いで健康に! オーラルフレイルのセルフチェックとトレーニング法

咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込むこと)、発音(話すこと)などに欠かせない口の筋肉。厚生労働省の調査(令和4年 国民健康・栄養調査)によると、早い人では20代から衰え始めているのだとか。口の筋力低下は、全身の健康にも影響を及ぼすのでぜひ予防したいところです。今回は口の衰え度のセルフチェックに加え、口の筋肉を鍛えるトレーニング方法も紹介します。

更新日: 2025.07.15 口から始める健康づくり

あなたの口の筋肉は大丈夫? 衰え度をチェックしよう

見出し画像 鏡で口をチェックしている女性

まずは口の筋肉が衰えることで、どんな影響があるか解説します。次いで現状の衰え度を確認するチェックシートを紹介するので、ぜひトライしてみてください。

口腔機能の衰え=オーラルフレイルってどんな状態?

加齢や生活習慣により、口腔機能が低下している状態をオーラルフレイルといいます。むせたり、噛む力や飲み込む力が衰えたり、しゃべりにくくなったり。この状態が進行すると、心身の健康にも悪影響を与えます。

また嚙み合わせが正しくないことも、オーラルフレイルの一因となります。

オーラルフレイルにつながる主な嚙み合わせ
・出っ歯
・受け口
・でこぼこの歯並び
・前歯が噛み合わない
・上の歯が下の歯に過剰に覆いかぶさる
・すきっ歯
・歯科治療による咬合崩壊(噛み合わせのバランスが崩れる)
・噛み癖(食事の際にいつも同じサイドに偏って噛み続ける癖)

口の筋肉の衰えが全身の健康に影響する理由

噛む力や飲み込む力が衰えると食事が偏りがちに。その結果、免疫力の低下や病気のリスクが増加し、健康を損ないやすくなります。

また噛み合わせが悪いと毎日のケアが行き届かず、むし歯や歯周病など口腔疾患のリスクがアップ。罹患すると、むし歯菌や歯周病菌が全身疾患を引き起こすことにつながりかねません。

参考:⑦歯周病の進み方と、この病気が怖い大きな理由

さらに精神面に影響を及ぼす点も理解しておきましょう。進行すると食事や会話が困難になり、社交的な活動が億劫になります。これにより孤独感が増し、心理的ストレスが増大。歯が抜けて見た目が気になったり、思うように発音できないことから自信をなくしてしまうケースもあります。

オーラルフレイルのセルフチェックをしよう

ではオーラルフレイルの危険性が高まっていないか、下記のチェック表で確認してみましょう。

オーラルフレイルのセルフチェック表(出典:東京大学高齢社会総合研究機構 田中友規、飯島勝矢)

質問事項

はい

いいえ

半年前と比べて、堅い物が食べにくくなった

2点

0点

お茶や汁物でむせることがある

2点

0点

義歯を入れている

2点

0点

口の乾きが気になる

1点

0点

半年前と比べて、外出が少なくなった

1点

0点

さきイカ・たくあんくらいの堅さの食べ物を噛むことができる

0点

1点

 1 日に 2 回以上、歯を磨く

0点

1点

 1 年に 1 回以上、歯医者に行く

0点

1点

合計0~2点:オーラルフレイルの危険性は低い
合計3点:オーラルフレイルの危険性あり
合計4点以上:オーラルフレイルの危険性が高い

いかがでしたか? もし「危険性が高い」という結果が出ても、深刻になる必要はありません。オーラルフレイルは治療や運動を通じて、まだ健康な状態に戻れる段階です。次に掲げた口の筋肉のトレーニングに取り組んでいきましょう。

手軽にオーラルフレイル予防! 今日から始める口の筋肉トレーニング3選

見出し画像 ガム

ここではオーラルフレイル予防に役立つ、3つのトレーニングを紹介します。

① ガムを噛むだけ! モグモグトレーニング

ガムはモグモグとリズミカルに噛むことができ、口まわりや舌の筋肉が鍛えられます。加えて唾液腺が刺激され口の中がうるおい、口内の環境が整います。

ただし、糖分を含むガムはむし歯のリスクを高めます。むし歯の原因にならない甘味料が入っているものや、糖分を含まないガムを選ぶようにしましょう。

噛みごたえのある食材や雑穀ごはん、ナッツなども効果的です。

② 今すぐ実践できる! 「パタカラ」体操

「パタカラ体操」は、口の周りの筋肉を鍛えるための簡単なエクササイズです。
まずは「パ」「タ」「カ」「ラ」の4つの音を、1音ずつはっきり発声します。そのとき、以下のポイントに気を配りましょう。

「パ」:唇をしっかり閉じてから大きく開く
「タ」:舌を上あごにしっかりとつけて発音する
「カ」:のどの奥を意識して発音する
「ラ」:舌を丸めて発音する

次に「パパパパ...」「タタタタ...」「カカカカ...」と、同じ音をできるだけ早く発声してください。
最後に「パンダのたからもの」といった「パタカラ」を含む文章を繰り返します。

いずれの体操も食事前、10回程度を目安に行なうのがオススメです。

③ スキマ時間に取り組みたい! 舌のトレーニング

オーラルフレイル予防には、舌を使った運動も効果的です。まず舌先を左のほほの内側に強く押しつけます。舌の先で膨らんだほほを指で押さえつけましょう。それに抵抗するように、舌をほほの内側にゆっくり10回押しつけてください。右のほほでも同じことを繰り返します。

オーラルフレイル予防トレーニング

口の筋肉の衰えを予防し、健康な口をキープしよう!

見出し画像 口のトレーニングをしている女性

オーラルフレイルは、早期に対策を講じることで改善が可能です。もし口の筋肉が衰えている傾向があれば、トレーニングを日常に取り入れて進行を防ぎましょう。

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

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