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⑦歯周病の進み方と、この病気が怖い大きな理由

⑦歯周病の進み方と、この病気が怖い大きな理由

更新日: 2023.07.20 生涯健康な歯で過ごす

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

「歯周病はどの年代でもかかるリスクがある病気」では、歯周病は誰もがなり得る病気だということをお伝えしました。今回はそのメカニズムを詳しく見ていきます。歯周病になる前段階のサインや健康への影響も紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してくださいね!

歯周病のメカニズム ~歯肉炎から歯周炎へ~

歯と歯ぐきのイラスト

歯周病は文字どおり、“歯の周りの病気”です。

「歯がグラグラして、歯ぐきから血や膿が出てブニョブニョに。最後は歯が抜け落ちる……」
歯周病について、そんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
確かに重症化するとそうなりますが、急に最悪の事態になるわけではありません。歯周病もむし歯と同じく、いくつもの段階を経て進行していきます。

歯周炎の進行による歯の状態を示したイラスト

このイラストは、歯周病の進み具合を表したものです。

歯周病は、歯ぐきが腫れているだけの“歯肉炎”と、歯を支えている骨にまで影響を及ぼしている“歯周炎”の2つに分かれています。歯肉炎が進行して、歯周炎になるのです。

歯ぐきがプクッと腫れているだけの歯肉炎なら、正しいセルフケアで健康な状態に戻せます。でも歯周炎が重症化すると、歯を支えている骨が溶けて少なくなり、歯ぐきもブニョブニョに。ここまできてしまうと、セルフケアだけでは健康な歯ぐきに戻せません。

歯周病が怖い理由のひとつは、この進行に気づきにくいこと。「サイレントキラー」と呼ばれるだけあって痛みがほとんどなく、気がついたときには重症だった……なんて人も。歯周病は静かに忍び寄ってくるのです。

では、早く気づくにはどうしたらいいのでしょうか。実は、私たちの体は“歯ぐきが腫れている”サインを送ってくれていました。

“歯ぐきが腫れている”サイン

鏡で自分の歯ぐきを確認する女性

あなたは、歯を磨いたら歯ブラシに血がついていた、なんて経験はありますか?
これこそが“歯ぐきが腫れている”サイン。素通りしていた人は要注意です。

もし歯ブラシに血がついたら、歯周炎になりかけている可能性があります。この機会に、セルフケアを見直してみましょう。

ただし愛煙家は、ニコチンの影響で血管が収縮するため、歯ぐきから血が出にくくなっています。つまりサインがなく、歯肉炎になかなか気づけません。喫煙習慣のある方は、歯ぐきの腫れがないか毎日観察することが大切です。

歯周病が怖い大きな理由

歯周病が原因で起こりうる病気を示したイラスト

これまで紹介してきたとおり、歯周病はとてもやっかいな病気です。歯ぐきが腫れて出血したり、ひどくなると歯がグラグラして抜けてしまったり。しかも、「害があるのは口の中だけ」と思ったら大間違いです!

歯周病は全身の病気と密接に関わっていることが、さまざまな研究で明らかになっています。なかには死に直結する重大な病気も。歯周病の細菌が血管に入り込んで体じゅうをめぐり、あちこちで病気の引き金になるのです。

……なんていうと心配になってしまいますが、日ごろから口の中の細菌をきちんと落としていれば大丈夫。歯周病予防はもちろん、全身の病気の予防になるのです。若いうちから歯ぐきの健康を意識して、歯と体を守るケアを身につけていきましょう!

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