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唾液が少ないとどうなる? 口内や体への影響や唾液が減少してしまう原因を徹底解説

唾液が少ないとどうなる? 口内や体への影響や唾液が減少してしまう原因を徹底解説

口内をうるおす唾液。実は唾液の量が減ってしまうことで、さまざまなデメリットが引き起こされます。この記事では、唾液が減るとどんなことが起きてしまうのかを紹介。唾液の分泌量が減ってしまう原因や、唾液を増やす方法についても詳しく説明します。

2025.06.17 口から始める健康づくり

唾液の分泌量が減るとどうなる?

唾液は、口内や体の健康を守る役割がある大切な分泌液です。それでは、唾液の分泌量が減るとどうなるのでしょうか? 唾液が減ることによる影響を紹介します。

むし歯や歯周病になりやすくなる

唾液が減ると口内の細菌を洗い流せず、食べかすやプラーク(細菌のかたまり)がたまりやすくなります。さらにプラーク(細菌のかたまり)の粘度が高くなり、歯みがきで落としづらい状態に。こうした要因が組み合わさって、むし歯や歯周病の発症リスクが高まるのです。

口内炎ができやすくなる

唾液が少なくなれば、粘膜が傷つくリスクが増加。特に歯が当たる頬の内側・唇・舌の横といった場所は、口内炎ができやすくなります。

口臭が発生する・悪化する

普段から細菌や食べかすを洗い流してくれている唾液。減少すると口内に汚れがたまって細菌が増殖します。増えた細菌はニオイのもととなるガスを放出。口臭の発生や悪化につながります。

嚥下(えんげ)や会話がしにくくなる

唾液が減少してしまうと、食べ物を噛んで飲み込む動作に支障が出てきます。さらに、唾液が少ない状態では舌がもつれて発話しにくくなる可能性も。会話が億劫になり、人とのコミュニケーションが減ってしまう恐れがあります。

誤嚥性肺炎を起こしやすくなる

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、食べ物や唾液が誤って気管に入った際、肺の中に細菌が入り込むことで起こる症状です。唾液の少ない状態だと口内の細菌が増加。それとともに食べ物や唾液につく細菌の量も増え、誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります

味覚異常の原因になる

唾液の分泌量が減少すると、味覚に影響を与える場合も。舌の表面には、味を感じるセンサー「味蕾(みらい)」があります。唾液はこの味蕾へ味を届ける働きがあるため、唾液が少ないとうまく味が伝達されず味を感じにくくなってしまうのです。

免疫力が低下する

唾液の量が減ると、免疫物質も減少します。細菌の繁殖やウイルスの侵入を防げなくなり、細菌の攻撃と体の抵抗力のバランスが崩れて歯ぐきの腫れが起こる原因に。また、風邪をはじめとするウイルス性の疾患にもかかりやすくなります。

唾液の分泌量が少なくなる原因

唾液の量が日頃どのくらい出ているかを気にする機会はあまりないでしょう。しかし、日常のあらゆる場面に唾液の分泌量が減ってしまう原因が隠れています。一つひとつ詳しく見ていきます。

ストレス・緊張

唾液は、副交感神経が優位な状態だと分泌が促進されます。反対に、ストレスを受けると交感神経が優位となり、唾液の分泌量が減ってしまうのです。また緊張状態でも唾液が少なくなる傾向があります。

口呼吸

口呼吸をすると分泌された唾液が蒸発しやすくなり、口内が乾燥します。またマスクをすると、息苦しさから口呼吸になりやすい傾向が。マスク内に湿気がこもって口の中がうるおうように思われますが、口呼吸によって実は乾燥しているケースが少なくないのです。

口周りの筋力の低下

年齢を重ねるごとに落ちていく口周りの筋肉。放っておくと噛む力の衰えや噛む回数の減少につながり、唾液の分泌量の低下にも影響します。

薬の副作用

薬には副作用として唾液の分泌を抑えるものがあります。睡眠薬・高血圧治療薬・抗ヒスタミン薬・抗うつ薬などがその代表例です。

更年期障害

女性ホルモン(エストロゲン)の低下にともない、唾液の量が減って口内が乾燥しやすくなります。更年期とは一般的に45~55歳といわれ、40代後半でその症状を本格的に感じることが多いようです。

唾液の分泌を増やす5つの方法

唾液の分泌量を増やすためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか? ここでは、唾液の分泌を増やす方法を5つ紹介します。

方法① こまめに水分を摂る

口内を乾燥させないためには、こまめな水分補給が大切。体の水分が不足していては、唾液が分泌されにくくなるからです。水分補給の際は、利尿作用のあるカフェインが含まれていないものを。水や麦茶などがオススメです。

方法② たくさん噛む

唾液は咀嚼するときに分泌されます。そのため咀嚼の回数を多くするのが効果的です。食事の際はよく噛んで食べることを意識しましょう。

早食いや「ながら食べ」は、噛む回数が減る原因に。食べ物の調理法や切り方を見直して、咀嚼回数を増やす工夫を心がけてください。食事以外のタイミングでは、ガムを噛むなどすると唾液の分泌を促せます。

方法③ 鼻呼吸を意識する

正しい呼吸とされているのは鼻呼吸です。意識して鼻呼吸を行ないましょう。口呼吸が習慣化すると、唾液の分泌が減ったり唾液が蒸発しやすくなったりと、口内が乾燥しやすくなります。

鼻炎や歯並びが口呼吸の原因になっている場合は、専門家に相談してみましょう。またマスクの着用時も口呼吸になりがちなので注意が必要です。

方法④ リラックスする

リラックスすると副交感神経が優位になり、唾液が分泌されやすくなります。自分に合ったリラックス方法を見つけ、心が落ち着く時間をつくりましょう。

方法⑤ 服用薬の数を見直す

唾液の量を増やすには、服用薬の数を見直すことが効果的な場合もあります。薬の中には口内を乾燥させてしまう副作用を持つものがあるため、薬の種類を変えると唾液の量が増えることがあるのです。口内の乾燥が気になる場合は、医師に一度相談してみてください。

唾液量の減少を防いで口と体の健康をキープしよう

口内トラブルや免疫力の低下などにつながる唾液量の減少。口内や体の健康をキープするためにも、日頃から唾液の量を増やすことを意識しながら過ごしてくださいね。

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

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