口の中がネバネバする原因は? 口内への影響や予防法を学んで、お悩み解消!
「寝起きに口の中がネバネバする」「歯みがきをしたのに、時間がたったら何となく気持ち悪い」。そんな経験はありませんか? ネバネバをそのままにしておくと、口や体にとって良くないことがいろいろと引き起こります。今回は口の中がネバネバする原因と、ケアの仕方やネバネバを予防する生活習慣をご紹介。口の中のネバネバを解消して、さわやかな口を手に入れましょう!
口の中がネバネバする原因は?
口の中がネバネバするのは、いくつかの原因があります。なぜネバネバが起こるのか、その原因を突き止めることが大切です。
原因① 細菌の繁殖
口の中がネバネバする原因のひとつは、細菌の繁殖です。口内には常に細菌が存在しています。細菌は食べカスや粘膜の上にある汚れを分解し、それらを栄養にして増えていくのです。
細菌が増えて口内のバランスが崩れると、粘性のある物質が生成されます。これがネバネバの原因です。細菌の増加を抑えるためには、適切な口腔ケアで食べカスや汚れを落とす必要があります。
原因② 唾液分泌の低下
唾液には、口内の保湿や殺菌作用があります。しかし加齢や特定の薬物の副作用などで唾液の分泌量が低下すると、細菌が洗い流されなくなってネバネバしがちに。
唾液の分泌を増やせば、口の中のネバネバ感を抑えることができます。
原因③ 舌苔の付着
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に付着した白い苔のようなものです。細菌や微生物、口の中から剥がれ落ちた垢、食べカスなどで形成されています。
舌苔が厚くなると、より口の中がネバネバに。舌苔がたまりやすい方は、定期的な舌の清掃がオススメです。
これら3つの原因はひとつだけでも影響を及ぼしますが、2つ以上の原因が絡み合ってネバネバする状態を引き起こすこともあります。
口の中のネバネバを放置することで起こる口腔内への影響
口の中のネバネバをそのままにしておくと、なぜ良くないのでしょうか? ここでは口の中のネバネバを放置することで起こってしまう口内のトラブルや、全身への影響について紹介します。
口臭がする・悪化する
口の中のネバネバをそのままにしておくと、口臭に影響が出ます。
ネバネバの原因となる細菌の中には、においのもととなるアンモニアや硫化物などガスを発するものも。ネバネバを放置するとそれらの細菌がどんどん増えていき、口臭を引き起こします
むし歯や歯周病の原因につながる
口の中のネバネバをそのままにしておくと、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
ネバネバを放置するのは、唾液で細菌を洗い流していない状態を続けるということ。洗い流されなかった細菌は口の中でどんどん増えていき、やがてプラーク(細菌のかたまり)に変化。むし歯や歯周病を引き起こす原因となるのです。
味を感じにくくなる
ネバネバの原因のひとつである舌苔を放置しておくと、味覚障害にもつながります。
味を感知するのは、舌の表面にある味蕾(みらい)です。味蕾がネバネバに覆われてしまうと刺激が届かないため、味を感じにくくなります。食べ物や飲み物の味がわからなくなると食事が楽しめないだけでなく、食欲不振や塩分過多につながることも。食生活にも影響が出てくる可能性があります。
誤嚥性肺炎の原因につながりやすくなる
誤嚥性肺炎とは「食べ物を飲み込んだ際に、口の中の細菌が誤って肺の中に入り込んで起こる肺炎」のことです。
ネバネバを放置しておくと、口の中の細菌が増殖。その分、誤嚥したときに細菌を肺に取り込んでしまうリスクも高くなります。特に高齢者や嚥下機能に問題のある人は、咳やくしゃみによって誤嚥してしまう可能性もあるので注意が必要です。
口の中のネバネバを解消するマウスケア
口の中のネバネバを解消するには、口のケアがとても重要です。毎日のケアに取り入れたい効果的な方法を紹介するので、参考にしてみてください。
食後に歯みがきをする
口の中のネバネバのおもな原因のひとつは、細菌の増殖です。歯みがきで口の中を清浄に保つことで、細菌の増殖を抑えることができます。
効果的な歯みがきのポイントは、細菌のたまりやすい場所にあるプラーク(細菌のかたまり)を確実に取り除くこと。歯医者さんで磨き残しを指摘される場所は、特に注意が必要です。
細菌のたまりやすい場所とは、一般的に「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境い目」「詰め物や被せ物の周辺」など。この部分につくられたプラーク(細菌のかたまり)は歯ブラシだけでは取れないため、デンタルフロスやワンタフトブラシなどの使用がおすすめです。短い時間で効率の良い歯みがきができます。
舌ケア用アイテムで舌を清掃する
舌ケア用のアイテムで舌苔を落とすと、口の中のネバネバ感を解消できます。
やり方は簡単。舌ケア用のアイテムを使って、奥から手前にやさしくかき出すだけです。歯ブラシを使う人もいますが、舌を傷つけずにネバネバの原因を取り除くならば専用のアイテムを使うのがいいでしょう。またゴシゴシと何度もこすらず、アイテムを動かすのは1~2回程度で。毎日少しずつキレイにするのがおすすめです。
ただし白いネバネバを取り除けても、生活習慣や口の中の環境などが変わらなければまた舌の上にたまっていきます。毎日続けて、快適な状態をキープしましょう。
マウスウォッシュで洗口する
歯みがきと合わせてマウスウォッシュを使うと、ネバネバの原因となる細菌の増殖を抑えられます。
ただし刺激の強いものの場合は、口の中の粘膜が荒れてしまう場合も。口の中の細菌を捕まえて洗い流すタイプのマウスウォッシュも開発されているので、安心して使い続けられるものを選んでください。
しかしながらプラーク(細菌のかたまり)は、ブクブクうがいするだけではキレイに取れません。マウスウォッシュに頼りすぎず、歯みがきでもしっかりプラークを落としましょう。
歯医者さんでむし歯や歯周病の治療をする
むし歯や歯周病の疑いがある場合は、歯医者さんでの治療がネバネバの抑制につながります。
歯周病が進行すると歯ぐきから血や膿が出て、より口の中がネバネバしやすい状態に。治療して細菌がたまりにくい環境をつくることで、口内の快適さを保てます。
ただし、歯医者さんで治療をするだけでは良い状態をキープできません。治療と合わせて日々のケアを見直すことも大切です。
口の中のネバネバを予防するための生活習慣
口の中のネバネバは日頃の生活習慣の中でも対策ができます。口の中のネバネバが気になる方は、次に紹介する予防の方法を毎日の暮らしに取り入れてみてください。
よく噛んで食事をする
よく噛んで食べると、唾液の分泌が促進。唾液が増えれば、口の中の細菌が洗い流されてネバネバしづらい環境をつくれます。
現代ではあまり噛まなくても食べられるものが増えているため、たくさん噛める料理を献立に入れるのがおすすめです。食事のとき以外も、ガムを噛むなどして唾液をたっぷり出しましょう。
適切に水分補給をする
体の水分が減ると、唾液量も減少します。ネバネバの予防にはこまめに水分を摂取し、体も口の中もうるおった状態にしておくことが大切です
口の中がすでにネバネバしていても、水分を摂ることで細菌を洗い流せます。
唾液腺をマッサージする
唾液の分泌を促進するために、唾液腺のマッサージもおすすめです。
唾液腺には、①耳の下にある耳下腺 ②顎の下にある顎下腺 ③舌の下にある舌下腺の3つがあります。この場所に指先を当て、軽く圧迫するようにマッサージしましょう。唾液の分泌が促され、口の中がじわっとうるおいます。
ストレスをためない
ストレスが自律神経に影響を及ぼし、唾液の分泌を減少させることがあります。
ストレスをためないように、しっかりと睡眠や食事を取り、リラックスできる時間をつくりましょう。自分に合ったストレス発散法を見つけることも効果的です。
口呼吸から鼻呼吸に変える
口呼吸をすると、口の中が乾燥しやすくなります。口の中が乾くと唾液で細菌が洗い流されず、ネバネバしやすい状態に。
普段から意識して鼻呼吸に切り替え、口内の乾燥を予防しましょう。
禁煙する
喫煙をすると唾液量が減少することがあり、口の中の細菌が増えやすくなります。細菌の増殖を防ぐためには、喫煙習慣をやめることが効果的です。
喫煙習慣があると歯周病に気づきにくくなり、知らないうちに進行していることも。歯ぐきからの出血や膿などもネバネバに関係するので、ぜひ禁煙を検討してください。
口の中のネバネバは、毎日のケアと生活習慣で解消できる
口の中のネバネバは、細菌の増殖や口の中の乾燥がおもな原因です。細菌の増殖を防ぐためにも、口の中を正常にして乾燥させにくい状態をつくりましょう。
歯みがきやマウスウォッシュ、舌のケアなどを毎日行なって口の中を清潔に。よく噛んで食事をすることや、こまめな水分補給も大切です。ネバネバを防いで、気持ちの良い口を手に入れてくださいね!
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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