よく噛むことで得られる9つの効果! 咀嚼回数が自然と増える食べ方のコツを紹介
「よく噛んで食べましょう」といわれますが、よく噛んで食べるとどんなメリットがあるのでしょうか? 今回は、よく噛むことの9つの効果を紹介します。よく噛むために心がけたいポイントや咀嚼回数が減る原因となるNG習慣もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
現代の食事は「噛まない」習慣をつくりやすい
現代人は、昔と比べて噛む回数が減少傾向にあるそうです。やわらかく食べやすい食事を取ることが多くなったため、昭和初期と比べて咀嚼回数が半分以下になっているといわれています。
食べ物をよく噛まないと子どものあごがうまく発達しなかったり、唾液がしっかりと分泌されなかったりする原因に。唾液の分泌量が少ないとむし歯や歯周病などのトラブルが発生しやすくなるため、口内環境が悪化してしまう可能性もあります。
さらに、噛む回数が少ない場合は口だけでなく体の健康にも影響が。口内と体の健康を守るためには、よく噛むことを意識してください。
よく噛むことの効果9つ
よく噛むと、口内や体の健康を保つだけでなく美容面でもうれしいメリットがあります。よく噛むことの9つの効果を見てみましょう。
よく噛む効果① 肥満防止に役立つ
よく噛むことには、肥満防止効果があります。よく噛んで時間をかけて食べると満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎを防げるのです。
また、よく噛むと脂肪燃焼が促進されるというメリットも。ガムを噛みながらウォーキングをすると、ただウォーキングをするよりも消費カロリーが増えることがわかっています。ダイエット中の方にとっては、とてもうれしい効果ですね。
よく噛む効果② 頭の働きが良くなる
よく噛むと、頭の働きが良くなる効果が期待できます。咀嚼による刺激で頭への血流が増えるため、脳が活性化するのです。また、よく噛むことでやる気に関係するドーパミンというホルモンの分泌が促され、脳の活性化を助ける効果も明らかになっています。
よく噛んで脳が活性化されると、集中力や記憶力、判断力などがアップするので仕事や勉強がはかどるように。意欲的に日々を過ごせるようになるため、充実した生活を送れるでしょう。
よく噛む効果③ 目の疲れを軽減する
よく噛むことは、目の疲れの軽減に効果的です。噛む動作によって目の血流量が増えるため、疲れ目の予防に役立つと考えられています。
目の疲れを放置すると、肩や首のコリ、めまいなどの原因となることも。長時間のスマホやパソコンの操作で目を酷使しがちな現代人ほど、よく噛んで目の疲れを軽減することが大切です。
よく噛む効果④ 味覚の発達を促す
よく噛むことには、味覚の発達を促す効果もあります。よく噛むことで食べ物の硬さや形をとらえ、じっくりと味わって食事ができるのです。また唾液と食べ物が混ざり合うことで、味を感じやすくなります。
よく噛む効果⑤ コミュニケーションを円滑にする
よく噛むことで口の周辺の筋肉が発達すると、表情が豊かになったり滑舌が良くなったりしてコミュニケーションの助けになります。
笑顔が素敵な人は周囲から好かれやすいため、日頃からよく噛むことを意識すると人間関係を良好に保てるでしょう。
よく噛む効果⑥ 小顔になる
よく噛むと、小顔効果が期待できます。噛む動作によって顔の筋肉が鍛えられるので、フェイスラインのたるみの予防になるのです。
また時間をかけてよく噛んで食べ過ぎを防ぐことも、小顔効果につながります。あごや頬のたるみが気になる方は、よく噛むことを心がけてみてください。
よく噛む効果⑦ むし歯や歯周病を予防する
よく噛むことには、むし歯や歯周病を予防して口内を健康に保つ効果もあります。よく噛むと唾液の分泌が促され、口内の食べカスや細菌を洗い流してくれるのです。
また、唾液には食後に酸性へ傾いた口内を中性に戻す作用もあります。口内が酸性だと歯の表面が溶けてむし歯になりやすくなってしまうので、よく噛んで唾液をたくさん分泌させることが大切です。
むし歯や歯周病は、歯科医院での治療が必要となります。むし歯や歯周病にならないよう予防することが肝心なので、よく噛んで食べるようにしましょう。
よく噛む効果⑧ 消化を助け胃腸の負担を軽減する
よく噛むと、消化を助けて胃腸の負担を軽減する効果が期待できます。唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が食べた物の消化をサポートし、消化器官にかかる負担を減らすのです。
また咀嚼を増やして食べ過ぎを防ぐという面でも、胃腸への負担を減らせます。胸焼けや胃痛などの症状にお悩みの方は、よく噛んで食べることをぜひ心がけてみてください。
よく噛む効果⑨ 運動能力が向上する
よく噛むと、運動能力が向上する効果もあります。よく噛むことで噛む(噛みしめる)力が育ち、体に力が入りやすくなったり姿勢が安定しやすくなったりするのです。
ガムを噛んでから運動した場合、噛まなかったときと比べて記録が良くなるとの研究結果もあります。運動で結果を出したいときには、ガムなどを噛むと良いでしょう。
参照:噛むこと研究室「噛めば噛むほど、脳が活性化する?」よく噛むために心がけたいこと
よく噛むことには、さまざまなメリットがあります。しかし、いつもの癖でついあまり噛まずに飲み込んでしまう方も多いのではないでしょうか? そこでここからは、よく噛むために心がけたいポイントを紹介します。
歯ごたえのある食べ物を積極的に食べる
よく噛むためには、歯ごたえのある食べ物を積極的に食べることがオススメです。やわらかい食べ物ばかり食べていると、噛む必要があまりないため咀嚼の回数が減りやすくなります。
固いものや弾力のあるもの、食物繊維が豊富なものを普段の食事へ取り入れるようにしてみてください。
- ビーフステーキ
- フランスパン
- タコの刺身
- スルメ
- 煮干し
- せんべい
- レンコン
- キャベツ(生)
調理法を工夫する
調理法を工夫することも、咀嚼回数を増やすのに効果的です。食材を大きめにカットしたり加熱せずに生で食べたりなど、できるだけ噛む回数を増やせるような調理法を心がけましょう。
食材に火を通すときは、加熱しすぎるとやわらかくなってしまうので、ある程度歯ごたえが残るように調理するのがポイントです。
だしを使って旨味を重視した食事にする
よく噛む習慣をつけるためには、だしを使った旨み重視の味つけにすることもひとつの方法です。旨みを活かした調理法にすることで、よく味わうために自然とたくさん噛めるようになります。
調味料で味つけを濃くしすぎると、あまり噛まなくても味に満足してしまうので注意してください。
ひと口の量を少なめにする
よく噛むためには、ひと口の量を少なめにするのもポイントです。口に運ぶ食べ物の量を少なくすることで、食事全体で噛む回数を増やせます。
ひと口あたりの咀嚼回数が変わらなくてもトータルでたくさん噛めるようになるので、ぜひ試してみてください。
食べ物を口に運ぶたびに箸を置く
よく噛むためには、食べ物を口に運ぶペースを落とすことも効果的です。次々に食べ物を口に入れることを防ぐため、食べ物を口に含んだらいったん箸を置く癖をつけましょう。
ゆとりを持って食事ができるだけでなく、所作も美しく見えるのでぜひやってみてください。
よく噛むために注意したいNG習慣
現代人は、知らず知らずのうちに咀嚼を妨げるNG行動をしていることが多いようです。よく噛んで食べるためには、食事中のどんな行動に気をつければ良いのでしょうか? ここでは、あまり噛まずに食べる人がやりがちなNG習慣を紹介します。
咀嚼中に飲み物を飲む
NG習慣のひとつ目は、咀嚼中に飲み物を飲むことです。噛んでいる途中に飲み物を飲むと、まだよく噛めていない食べ物まで飲み込んでしまいます。よく噛まないまま流し込むように食べる原因となるので、咀嚼をし終えて飲み込んでから水やお茶などを飲むのがオススメです。
ながら食べをする
ながら食べも、噛む回数が少なくなりがちなNG習慣のひとつです。スマホやテレビを見ながら食事をすると、注意が逸れて無意識のうちに噛む回数が減り早食いをしてしまいやすくなります。ながら食べをせず、噛むことがおざなりにならないようするのが肝心です。
また、ながら食べは食べた量を自覚しにくく、太りやすくなるというデメリットも。食事を取る環境に誘惑が多いと、ながら食べにつながってしまいます。できるだけリビングではなくダイニングで食事をしたり、スマホを手の届かない場所に置いたりして周りの環境を整えましょう。
よく噛む習慣をつけて口内や体の健康を守ろう
今回は、よく噛むことの効果を紹介しました。よく噛むことにはさまざまなメリットがあり、口内や体の健康を守るだけでなく美容や頭の働きなどにも良い影響を与えます。
食べるものや食べ方などに注意してよく噛む習慣をつけ、よく噛むことの効果をしっかり受け取りましょう。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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