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舌に付く白い汚れの原因(舌苔)とは? 取り除く舌ケアや予防法も解説

舌に付く白い汚れの原因(舌苔)とは? 取り除く舌ケアや予防法も解説

「舌の表面に白い汚れのようなものが付いている」。こんなふうに舌の白さが気になったことはありませんか? 舌に付いた白い苔状のものは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれ、口臭やむし歯などのトラブルを引き起こす原因になります。今回は舌苔が溜まる原因や取り除き方、予防法を紹介するので、舌の白さが気になる方はぜひチェックしてください。

2025.03.18 口のお悩み解決事典

舌の上に付いた白い汚れの原因は「舌苔」(細菌)

舌の上に白い苔のように付着した舌苔は、どのような物質で形成されているのでしょうか? まずは舌苔とは何かを解説します。

舌苔とは舌に細菌が付着してできる白い物体

舌苔とは細菌や微生物、口腔内から剥がれ落ちた垢、唾液の成分、食べカスなどで形成されています。

舌苔ができやすいのは舌の中央~奥で、舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる突起のすき間に汚れが溜まります。日々の食事などで基本は取り除かれるのですが、いくつかの条件が重なると舌苔が付いてしまいます。

キレイな舌と舌苔が溜まった舌

舌苔が付く原因

舌苔は誰しもが必ず付着するわけではありません。舌苔が付いてしまうのには、次のような原因が挙げられます。

舌苔が付く原因
  • 食後や寝る前に歯みがきをしない
  • 口が開いていたり口呼吸をしたり、唾液の分泌が不足するなどして口内が乾燥している
  • 日常的にストレスが溜まっている
  • 舌の位置や形状に問題がある

上記以外にも、疾患や薬剤が原因で舌苔が溜まりやすくなることもあります。

舌苔を取り除く舌ケアの方法・ポイント

ここからは、舌苔を取り除く舌ケアの具体的な方法とポイントを解説します。ブラッシングの仕方や舌ケアのタイミングなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

舌専用のブラシやアイテムを使用する

舌ケアは舌専用のブラシを使うのが基本です。歯を磨くついでに歯ブラシで舌をブラッシングする人もいますが、舌の表面はとてもデリケートなので歯ブラシで磨くと舌を傷つける原因になります。

舌専用のブラシは、歯ブラシよりもやわらかい素材でできていることが特徴です。やさしくケアするためにも、必ず舌専用のブラシを使用しましょう。

奥から手前にかき出すようにやさしくケア

舌ケアをするときは、奥から手前にかき出すようにケアするのがポイントです。手前から奥にブラッシングすると、汚れが奥に入り込んでしまう原因になるのでご注意ください。

舌の奥は舌苔が溜まりやすい場所ですが、嘔吐反射や喉の奥の粘膜を傷つける原因になるので、無理に奥まで入れるのはやめましょう。鏡で見える範囲でケアしてください。

舌ケアのやり方

また白い汚れがなかなか取れないからといって、強い力で何度もゴシゴシこするのは絶対にNGです。舌に強い力が加わると、舌に傷がつくだけでなく表面が剥がれることで乾燥しやすくなる、食べ物の味を感じる器官である味蕾が損傷するなどの危険性があります。

ブラシで舌ケアをするときは、力を入れずにやさしくブラッシングするように心がけましょう。

1回で完全に落とそうとしない

舌苔は、一度の舌ケアで落とせないこともあります。無理に完全に取り除こうとすると、舌を傷つけることにも。

舌ケアは毎日継続して続けることが大切です。一気に汚れを取ろうとせず、1日1回を目安に日々のケアで少しずつ取り除くようにしてください。

ケア後は口をすすぐ

舌をブラッシングしただけの状態では、口内に汚れが残っています。口内から汚れを落とすためにも、ケア後は水で口をすすぐようにしましょう。

また舌専用のブラシも汚れが残らないよう水で洗い流し、清潔に保つことが大切です。

舌ケアのタイミングは就寝前や起床後がオススメ

口内の細菌が繁殖しやすいのは就寝時です。そのため、舌ケアのタイミングは就寝前もしくは起床後が効果的。就寝前に汚れを落としておけば就寝中の細菌繁殖を予防でき、起床後であれば就寝中に溜まった汚れを除去できます。

マウスウォッシュ・舌専用ジェルを併用してもOK

舌ケアでは、マウスウォッシュや舌専用ジェルを併用する方法もオススメです。マウスウォッシュには、舌の汚れを除去すると同時に、細菌の繁殖を抑える作用が期待できます。口臭が気になる方は、舌ケアと一緒にマウスウォッシュを取り入れてみましょう。

ただし、アルコール入りや刺激の強いタイプとの併用は要注意です。ブラッシングの刺激とマウスウォッシュの刺激が原因で、口内の荒れや乾燥を引き起こす可能性があります。

舌専用のジェルには、舌の汚れを浮かせて落としやすくする成分や乾燥を防ぐための保湿成分が配合されているものもあります。舌苔を予防したい方は、舌専用のブラシと一緒に揃えてみてはいかがでしょうか。

舌苔を放置することで起きる口内への影響

舌苔は病気ではないので治療する必要はありませんが、放っておくとさまざまな悪影響が出てきます。そのため、舌苔を放置するのはオススメできません。ここからは舌苔が原因で起こる口内のトラブルをいくつか紹介します。

口臭がきつくなる

舌苔を放置すると、口臭がきつくなる原因につながるので要注意です。実際に日本歯科医師会の情報では、口臭の原因の6割は舌苔によるものといわれています。

舌苔に生息した無数の細菌は、舌に付着した食べカスや垢に含まれるタンパク質を分解。このとき口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が生成され、口臭トラブルに発展しやすくなってしまうのです。

出典:歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020|日本歯科医師会

むし歯や歯周病の原因につながる

舌苔には食べカスが含まれており、付いたままにするとむし歯の原因菌として知られているミュータンス菌のエサになります。ミュータンス菌はそれをエネルギーに酸をつくり、歯のエナメル質を溶かします。

誤嚥性肺炎の原因につながる

誤嚥性肺炎とは、食べ物を誤嚥して気管に入ってしまう際、細菌も一緒に肺の中に入り込んで肺が炎症を起こす病気です。舌苔が直接的な原因になるわけではありませんが、口の中に細菌が停滞したり増えた状態だと、誤嚥で細菌が肺に侵入するリスクが高まります。

誤嚥性肺炎を予防するためにも、口腔内を清潔に保ちましょう。

味覚障害の原因につながる

舌の表面が白い舌苔で厚く覆われると、味を感じにくいという味覚障害につながります。通常は舌にある味蕾(みらい)で味の刺激を受け取りますが、表面が舌苔で覆われると味物質が細胞に届きにくくなるのです。

その結果、「味がしにくい」「本来の味を感じられない」といった味覚障害につながってしまいます。食事を楽しめないだけでなく、食欲不振や塩分過多の原因になることも。健康的な食生活を送るためにも、舌苔ができにくい習慣を心がけましょう。

舌苔を予防するオススメ習慣

最後に舌苔を予防する具体的な習慣を紹介します。自宅や外出先で簡単にできる方法ばかりなので、ぜひ実践してみてください。

舌ケアを習慣化する

舌苔は、毎日の歯みがきだけでは予防できません。舌に付着した汚れを直接落とすケアが必要です。舌専用のブラシを使用して、舌表面に付着した汚れをやさしく取り除きましょう。

舌ケア用のブラシは、薬局やドラッグストアなどで安価に購入できます。

適度に水を飲む

口内が乾燥すると、舌の上に付着した舌苔が落ちにくくなります。また、口内が乾燥している状態では細菌が増殖し、舌苔が形成されやすくなることも。口内を乾燥させないためにも、適度に水を飲んで口内をうるおわせてください。

また、水を飲むことで唾液の分泌も促進されます。唾液の分泌が少ないと感じる人は、水をこまめに飲むことをオススメします。

食べ物はよく噛んで食べる

舌苔を予防するためには、食事の際によく噛むことを意識するのも効果的です。食べ物をよく噛むと、唾液の分泌につながります。唾液には食べカスを洗い流す作用があるため、よく噛んで汚れを溜めにくくしましょう。

咀嚼回数の目安は一口30回以上とされていますが、なかなか難しいものです。まずは、普段よりも多く噛むことを意識してみてください。手軽に噛む回数を増やすには、ガムがオススメです。食事の時間以外にも唾液を出せるので、ぜひ取り入れてみてください。

舌の位置に気を配る

安静時、舌の正しい位置は舌全体が上あごにくっついている状態です。舌が上あごとこすれることで汚れが落ち、洗い流されるので舌苔が付きづらくなります。もし舌が常に下あご側に落ちているなど間違った位置にある場合は、上あご側に付けるよう意識してください。

舌の位置が正しいかわからなければ、歯科医院に相談してみましょう。

舌苔は日々の習慣と舌ケアで取り除ける・予防できる!

舌苔ができる原因は、舌ケア不足や唾液不足などが挙げられます。歯科医院での治療は基本的に必要ありませんが、放置しておくと口臭やむし歯の原因になるので、早めに対処するのがオススメです。

舌苔は1日1回、舌専用のブラシでのケアで予防できます。口内のトラブルを防ぐためにも、舌ケアを実践してみませんか。

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

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