1. Home
  2. >
  3. 口と健康コラム
  4. >
  5. 口のお悩み解決事典
  6. >
  7. 意外と知らない「口呼吸」...
意外と知らない「口呼吸」のデメリットとは? 鼻呼吸のメリットもあわせて解説

意外と知らない「口呼吸」のデメリットとは? 鼻呼吸のメリットもあわせて解説

普段、口と鼻のどちらで呼吸をしていますか? 正しい呼吸は鼻呼吸とされていますが、無意識のうちに口呼吸をしている人が多いのも事実です。口呼吸にはデメリットがあるので、この記事を参考に鼻呼吸を意識していきましょう。

更新日: 2023.07.26 口のお悩み解決事典

口呼吸をしてしまう原因は?

口呼吸をしてしまっている方には、何かしらの原因があることが多いです。たくさんデメリットのある口呼吸を治すためにも、まずは口呼吸をしてしまう原因を見ていきましょう。

鼻づまり

アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎など、さまざまな理由によって起こる鼻づまりは、口呼吸をしてしまう原因のひとつです。子どもの場合はアデノイド肥大(扁桃肥大)、大人の場合は鼻中隔湾曲症などの影響でも鼻づまりが起こり、鼻呼吸がしにくくなりがちに。

鼻づまりが原因で口呼吸をするようになると、日常的に口で呼吸をすることが習慣になり、鼻づまりが解消された後も口呼吸が続いてしまう可能性があります。

歯並び

歯並びのアーチがU字型ではなくV字型に近い場合、出っ歯など前歯が出ていることから口を閉じることが難しく、口呼吸になりやすい傾向が。

また口呼吸をしていると舌が前歯を押すような位置にあることから、出っ歯になるなど歯列不正を引き起こしてしまいます。

口の周りの筋力低下

口の周りの筋力が低下していることも、口呼吸の原因です。口の周りの筋力が低下すると口が半開きになり、唇を閉じることが意識をしないと難しくなります。

口の周りの筋肉は、マスクの日常的な使用や加齢などによって衰えやすいもの。気づかずに筋力が低下していることもあるため、鼻づまりや歯並びなどの原因がないのに口で呼吸をしている方は筋力が衰えている可能性もあります。鏡を見るなどして確認してみましょう。

【セルフチェック】無意識に口呼吸をしているかも?

日常生活を送るうえで、呼吸はほとんど無意識にしているものです。呼吸自体が無意識に行なわれるものなので、口呼吸を自覚がないまま行なっていることは多々あります。

まずは、自分が口呼吸をしていることにできるだけ早く気づくことが大切です。セルフチェックで判断してみましょう。

口呼吸のセルフチェック

以下のチェック項目で、ひとつでも当てはまる項目がある方は日常的に口呼吸をしている可能性があります。

口呼吸のセルフチェックリスト
  • 気がつくと口が開いている
  • 鼻炎など鼻のトラブルがある
  • 歯並びが悪い(出っ歯やV字の歯列をしているなど)
  • いびきをかく
  • 起床時の口臭が気になっている
  • 起床時に喉が乾燥していて痛みを感じる
  • 唇を閉じると、あごに梅干しのようなシワができる
  • 口の中や唇が乾燥しやすい

口呼吸がもたらすデメリット

チェックリストの結果はいかがでしたか? 口呼吸の可能性がある方は、以下のデメリットが起こっていないか生活を振り返ってみましょう。

まだデメリットが現れていなくても、生活に影響を及ぼす可能性が高いので、早めに鼻呼吸に切り替え、快適な毎日を送れるようにしたいですね。

デメリット① 風邪をひきやすい

口呼吸をしていると、風邪をひきやすくなります。空気中のウイルスや細菌などが取り除かれることなく、直接喉の粘膜や肺に届いてしまうからです。

さらに口の中が乾燥するため、ウイルスや細菌の働きが活発に。鼻呼吸時より風邪やインフルエンザなどの感染リスクが高まります。

デメリット② 睡眠を妨げる

口呼吸をすると舌が喉の奥に落ち、気道がふさがる恐れがあります。するといびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こし、眠りが浅くなって質の良い睡眠を妨げてしまいかねません。重症になると、脳卒中や心不全などの突然死を引き起こすことも。

自分だけでなく一緒に眠っている人の睡眠を妨げないためにも、早急に対処をしたほうが良いでしょう。ただし原因は呼吸だけでないことも多いので、気になるときには専門家へ相談してください。

デメリット③ 口臭・歯周病・口内炎などの口内トラブルにつながる

口呼吸には口臭や歯周病、口内炎などの口内トラブルを引き起こしやすくなるデメリットも挙げられます。

口内の殺菌や汚れを洗い流すという、重要な役割を持っている唾液。口呼吸によって口内が乾燥し唾液が減ると、口内を清潔に保つことが難しくなり口臭や歯周病、口内炎などといったトラブルを引き起こす可能性が高くなります。

デメリット④ 歯並びや顔の形に影響する

歯並びや顔の形に影響を与えるというのも、口呼吸のデメリットです。たとえばキレイな歯並びには、唇や頬の筋肉による外側からの力と、舌による内側からの力の両方が大切になります。

しかし、口呼吸によって日常的に口が開いていると外側からの力が弱くなったり、舌の位置が悪くなることで前歯が押されてしまうなど歯並びに影響を与えます。成長期は特に注意が必要です。

鼻呼吸のメリット

口呼吸には多くのデメリットがある一方、鼻呼吸にはさまざまなメリットがあります。鼻呼吸には、口呼吸のデメリットで記述したことと逆の現象が現れると考えて良いでしょう。

鼻呼吸のメリット
  • 鼻毛や鼻水が空気中のウイルスやごみなどを取り除き、空気の温度・湿度の調整も行なうため、風邪をひきにくい
  • いびきや睡眠時無呼吸症候群の予防につながり、質の良い睡眠がとれる
  • 口内が乾燥しないことから唾液が殺菌・自浄作用の役割をこなし、口臭や歯周病、口内炎などの口内トラブルを防止する
  • 口を閉じて呼吸を行なうため、唇や頬の筋肉による内側への力と舌による外側への力のバランスが取れ、歯並び・顔の形が良くなる

デメリットの多い口呼吸をやめて、鼻呼吸を意識しよう!

口呼吸は風邪をひきやすかったり、睡眠の質が悪くなったり、口臭や歯周病を引き起こしたりとさまざまなデメリットがあります。さらには睡眠時無呼吸症候群といった、生活に大きな影響を及ぼしてしまう恐れも。今日から鼻呼吸を意識して、健康な毎日を過ごしてくださいね。

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。