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マスクをすると口臭が気になる…。原因の解説とセルフケアでできる予防方法を紹介

マスクをすると口臭が気になる…。原因の解説とセルフケアでできる予防方法を紹介

マスクをつけているときに、「口臭が気になる」といった経験はありませんか? 口臭を強く感じる原因は、口呼吸や口の中の汚れなど理由はさまざまです。今回はマスクを着用するとなぜ口臭が気になるのか、またセルフケアでできる口臭予防対策を徹底解説します。

更新日: 2023.07.26 口のお悩み解決事典

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

まずは口臭の種類を知ろう

口臭は、いくつかの種類に分けられます。もともと誰にでもある口臭やマスクの着用が原因になるものなど、発生源はさまざまです。まずは口臭の種類を詳しく解説します。

種類① 生理的口臭

生理的口臭とは、寝起きや緊張しているとき、激しい運動をした後などで一時的に強まる口臭です。唾液の分泌量が極端に減少して口腔内が乾燥すると、細菌の動きが活発になり口臭の原因となるガスを発生させます。この生理的口臭は誰にでも起こるものです。

マスクをしていると、唾液の減少による口臭を感じやすくなります。しかし水分や食事を摂ったり、ストレッチをしたりして体がリラックスすると、唾液の分泌量が増えて臭いは弱まります。

種類② 飲食やたばこなどによる口臭

食べ物やお酒、たばこなど、嗜好品の臭いが原因の口臭です。特にニンニクや納豆、コーヒーといった香りが強いものを食べたときに、「口の中の臭いがなかなか消えない」という経験がある方も多いのではないでしょうか。

マスクをすると口元に息が留まり、臭いを感じやすくなります。食べ物や嗜好品による口臭は、一時的な口臭です。マスクを外して会話をしたりするときには、風味が強い物の飲食や喫煙を控えるなどの対策がオススメです。

種類③ 胃腸などの不調

体の不調で起こるものは、「病的口臭」といいます。口臭につながる原因としてよく挙げられるのが、胃炎や便秘といった胃腸の不調です。胃腸の働きが弱まると飲食物が長く体内に留まり、悪玉菌を増殖させます。悪玉菌が出すガスが口臭につながるメカニズムです。

体の不調による口臭は日常的に発生していますが、マスクで口元が覆われることでより臭いを感じやすくなります。

種類④ 口腔内トラブル

むし歯や歯周病など歯の病気、正しい歯みがきができていないことによる汚れの付着など、口腔内トラブルでも口臭は発生します。厚生労働省によると、口臭の原因の約80%以上が口腔内トラブルによるものとのこと。

歯に穴が空いている・歯ぐきが腫れている・プラーク(細菌のかたまり)がたくさん付いているなどで、日常的に臭いが出ている状態です。むし歯や歯周病は少しずつ進行しているため、自分自身では気づきにくいことも多いようです。マスクにこもる臭いをきっかけに、はじめて口腔内トラブルが原因の口臭があると気づく人も少なくありません。

出典:厚生労働省e-ヘルスネット

口腔内トラブルによる口臭の原因

マスクをつけることで気づく口腔内トラブルが原因の口臭。口腔内のケアは、マスクの口臭対策はもちろん、健康な生活を送るうえでも大切です。

口臭の原因とあわせて、むし歯や歯周病予防につながるポイントもお伝えします。

原因① むし歯や歯周病

むし歯や歯周病になると歯に穴が空いたり歯周ポケットができたりして、口腔内に細菌がたまりやすくなります。細菌が食べカスや組織などを分解する過程で発生させたガスが、気になる口臭につながるのです。

また、むし歯が進行し神経や血管が腐敗することで口臭を発生させている可能性もあります。むし歯や歯周病による口臭を防止するためには、歯科医院での治療が必要です。早めに受診しましょう。

原因② 歯に付いた汚れ

歯の表面に付着したプラーク(細菌のかたまり)の中には、むし歯や歯周病の原因菌が多く住みついています。細菌が糖を分解・発酵させる過程で発生するガスは、マスクをつけると気づく口臭のひとつです。

プラーク(細菌のかたまり)を放置すると歯石に変化します。歯石になると、またそこへプラーク(細菌のかたまり)がつくられやすくなり、歯周病にもつながります。歯石は自分では落とせないため、歯科医院で早めに取り除いてもらうようにしてください。

原因③ 舌に付いた汚れ

舌の表面にある細かい凹凸に、苔のように付着しているのが舌苔(ぜったい)です。舌苔は剥がれ落ちた粘膜や舌の組織、食べカスなどが原因でできるもので、細菌の住処になります。口臭の原因となるのは、舌苔に住み着いた細菌が出すガスや老廃物の臭いです。

マスクの有無に限らず、日頃から正しい舌ケアを行ない口臭対策をしましょう。

原因④ 口呼吸による口腔内の乾燥

口呼吸すると唾液が減少して口腔内が乾燥し、細菌が活動しやすい環境になります。このときに細菌が出すガスが口臭の原因に。歯に付いた汚れで気づく口臭と同様に、この臭いもマスクをつけることで気づく口臭です。

マスクの着用で息苦しさを感じた際、無意識に口呼吸してしまう人もいます。マスクなしでも口呼吸をしやすい方は、日常生活の中でしっかりと口を閉じるよう意識してください。

原因⑤ 副鼻腔炎

副鼻腔炎で鼻が詰まると、無意識に口呼吸が多くなるため注意が必要です。口臭の原因にもなりますが、鼻の奥の方が臭いと感じる人が多いといわれています。

副鼻腔炎は、子どもの口臭の原因としてよく挙げられるもの。年齢にもよりますが、子どもは意識して口呼吸を防止するのが困難です。副鼻腔炎に気づいたら、耳鼻咽喉科で早めに治療して口臭予防につなげましょう。

口腔内トラブルによる口臭を予防! オススメのセルフケア方法

口腔内トラブルによる口臭は、セルフケアで改善ができる場合があります。毎日こまめなケアを続けて口の中を健康に保ち、マスクをしても快適に生活ができるよう対策を心がけてください。

セルフケア① 磨き残しを少なくする歯みがき

気になる口臭を防ぐためには、プラーク(細菌のかたまり)を落とすよう意識することがとても重要なポイントです。

口臭の原因になるのは、口腔内に住み着いている細菌が出すガス。プラーク(細菌のかたまり)を除去することで、口臭の予防につながります。

歯の表面よりもプラーク(細菌のかたまり)が残りやすい奥歯や歯と歯の間、歯ぐきとの境目を意識して磨くことで、口臭だけでなくむし歯や歯周病の予防もできます。

セルフケア② デンタルフロスの使用

デンタルフロスは、歯と歯の間だけでなく歯ぐきの中のプラーク(細菌のかたまり)を掻き出せるアイテムです。歯間ブラシよりも広範囲に渡って磨きにくい部分のプラーク(細菌のかたまり)にアプローチし、磨き残しを防止します。

歯と歯の間のスペースが狭い部分のケアには、デンタルフロスを使用してください。歯周病予防の観点からも、歯ブラシとの併用がオススメです。

セルフケア③ 歯間ブラシの使用

歯と歯の間は、歯ブラシの毛が行き届かず磨き残しが多い場所です。歯間ブラシを使ってプラーク(細菌のかたまり)を掻き出しましょう。

選び方のポイントは、歯と歯の間隔や、歯と歯ぐきのスペースなど歯並びの状態に合わせて選ぶこと。ブラシ部分の素材や持ち手の形などを見て、自分に合う歯間ブラシを使ってください。しっかりとプラーク(細菌のかたまり)を掻き出すと、口臭の原因を除去できます。

セルフケア④ ワンタフトブラシの使用

ワンタフトブラシとは、ヘッド部分に小さい毛束がついた歯ブラシです。通常の歯ブラシでは届きにくい場所をピンポイントで磨けるのが特徴で、奥歯や歯の噛み合う場所などアプローチしづらい部分のプラーク(細菌のかたまり)を落とすに役立ちます。

矯正器具が入っていて磨きにくい歯列矯正中の方にもオススメ。毎日の歯みがきに取り入れたい、口臭予防の強い味方です。

セルフケア⑤ 舌ケア

舌の汚れは、舌専用ブラシやアイテムでケアするのがオススメです。舌の表面に付着した汚れを落とすのに最適で、気になる口臭の原因となる舌苔の掃除ができます。

寝ている間は唾液の分泌量が減り、細菌が増えやすい状態になっています。口が乾燥し、細菌が増えることで口臭が発生。寝る前または起床後のどちらか一回、歯みがきと併用してこまめにケアすることで口臭対策ができます。

舌苔を付きにくくするためには、生活習慣の見直しも効果的です。食べ物をよく噛んで食べたり適度な水分補給をしたりなど、舌を使う機会を増やしてみてください。

セルフケア⑥ 歯科医院での定期的なクリーニングを利用

歯科医院では、専用の機器や薬剤を使った歯のクリーニングが受けられます。誰もが頑張って毎日歯みがきしても磨き残しがたまり、プラーク(細菌のかたまり)を完全に除去しきれません。

特にプラーク(細菌のかたまり)が硬化した歯石は、自分で取り除くのが困難なため歯科医院での除去が必要です。

むし歯や歯周病予防の観点からも、口腔内ケアに不安がある方は定期的な歯科医院でのクリーニングをオススメします。口腔内の状態によって個人差があるため、通院のペースは歯科医院で相談してください。

セルフケア⑦ 口腔内が乾燥しないようにする

口腔内が乾燥すると、増えた細菌がガスを発生させ口臭の原因となります。そのため、水分補給したりガムを噛んだりして唾液の分泌を促し、口腔内をうるおわせることが重要です。

特にマスクを着用する機会が多い方は、無意識に口呼吸をしていて口腔内が乾燥しやすい状況に。マスク着用の有無に限らず、こまめにガムや水分を取り入れる生活習慣を身につけ、良い口腔内環境をキープしましょう。

外出時に口臭が気になる? オススメの応急ケア方法

外出先でマスクを外すときに、相手に口臭が気づかれないか不安になったことはありませんか? ここでは、人目を気にせずできる口臭の応急ケアを紹介します。

応急ケア① 水分を補給する

応急ケアのひとつめは、水分補給で唾液の分泌を促して口腔内をうるおす方法です。特にマスクをすると口呼吸になりやすいため、適度に水分を摂取して口腔内の乾燥を防いでください。

オススメの飲み物は、水もしくは砂糖を含まないスポーツドリンクです。糖分を含むものはむし歯の原因菌の活動源になり、コーヒーや紅茶は飲んだ後にその飲み物自体の臭いが気になる場合も。口臭が気になりやすい方は控えると良いでしょう。

応急ケア② ガムを噛んで唾液を出す

ガムを噛むことで唾液が分泌されるため、水分補給と同じく唾液が少ない方や口が乾燥しがちな方、マスクをして口呼吸になりがちなタイミングにオススメです。

ガムは、むし歯の原因にならない甘味料「キシリトール」配合のものを選ぶとさらに良いです。キシリトールの配合量が多いものなら、いつでも安心して食べられます。

応急ケア③ 口臭ケアアイテムを活用する

口臭ケアアイテムを活用すると、外出先でも手軽にマスク着用時の口臭対策ができます。オススメは、ミニボトルのマウスウォッシュやガムなどです。時間がとれるようであれば、デンタルフロスでケアするのも良いでしょう。

マウスウォッシュは、軽く口に含んで口腔内に行き渡らせます。薬用成分を洗い流さないよう、うがいは軽くゆすぐ程度に留めるのがポイントです。

キレイな口腔内を保って気になるマスク口臭を予防しよう

マスクをすると口元が密閉されて、自分の吐く息の臭いが感じやすくなりますね。口臭には少なからず誰にでも発生しているもの【生理的口臭】と、そうでないもの【病的口臭や口腔内トラブルによる口臭】がありますが、口臭の約80%が口腔内トラブルによるものといわれています。

特にマスクをしていると息苦しさで口呼吸になり、唾液の分泌量が減って口臭が発生しやすくなるので注意が必要です。

気になる口臭を防ぐためには、プラーク(細菌のかたまり)を除去する正しい歯みがきや、口腔内の乾燥対策などこまめなケアが必須! マスク着用時に限らず、口腔内を清潔に保って口臭を予防しましょう。

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