「噛むことの大切さを広めるぞ!」 好奇心が爆発した子どもたちの活動レポート
現代の日本人は、食事の欧米化や調理方法の発達などによって噛む回数が激減しています。和食が一般的だった昭和初期と比べて、その回数は半減しているそう。若年層はさらに噛む回数が少なく、あごの発達も不十分に……。「噛むことは消化吸収を助けるだけでなく、現代人にとってメリットが大きい」。見過ごされている噛むことの大切さに気づいてほしい。そこで私たちは、“噛まない世代”の子どもたちとタッグを組みました。
“噛まない世代”の子どもたちと一緒に「噛むこと」を広めよう
東京都小金井市にある東京学芸大学の敷地内には、小学生たちが放課後を過ごすアフタースクール「Miracle Kids Gakugeidai」があります。
「Miracle Kids Gakugeidai」は、子どもたちの放課後を中心とした学校外教育に関する実践研究の推進を目的として設置されました。
「遊びは最高の学び」を合言葉に、遊びの中で生まれてくる自主性や協働性、社会性等の育成を大切にし、多彩なプログラムや子ども企画型イベントを開催するほか、PBL(課題解決型学習)も取り入れています。
PBLとは、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法。児童の自主性や関心を引き出し、答えにたどり着くまでのプロセスを重要とする学習理論です。
今回はここに通う小学2年生と3年生の9人の児童と一緒に、「日本中に噛むことの大切さを広めるにはどうしたらいいか」について考えました(全12回のプログラム)。
【関連記事】姉妹校Miracle Laboの課題解決型学習「予防を知り、その大切さを“伝えられる子どもたち”を育む」一番噛むお菓子は?
「噛むこと」を広めるためにはまず、「噛むこと」を知らなければいけません。ということで、コンビニエンスストアのお菓子コーナーを視察に行きました。
目的は、よく噛むことができるお菓子を探すこと。ガムやグミ、スナック菓子などを手にして、「これも噛めそうだよ!」「こっちのほうがいっぱい噛むと思う!」と声を上げる子どもたち。
噛むことを意識して見るお菓子売場は、いつもと違う光景に映ったようです。
教室へと戻り、実際にお菓子を食べながら噛む回数を数えてみました。すると、ほかのお菓子に比べて効率よく噛めるものが! それは「ガム」でした。
この調査を通して伝えたかったのは、よく噛むことは体にいいだけでなく、勉強やスポーツにもいいということ。そこで、「噛むと集中力がアップする」を体感できるよう、記憶力のテスト(イラストや色を覚えるゲームの回答数に応じて脳年齢がわかる)を受けてもらいました。
ガムを噛んでいる状態と平常時でどのくらい差があるのか。
結果やいかに!?
「ガムを噛んだほうがいっぱい覚えられた!」
「ガムを噛んだだけなのにテストの結果が30歳も若返ったよ。噛むってすごい!」
さすが好奇心旺盛な子どもたち。そこからさらに疑問が膨らんでいきます。
「ガムを噛むと集中力が上がるのはどうして?」
「スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるのはなんで?」
今回の視察やテストでの体験を通して、ガムについて深く考える機会になりました。
噛むことのよさを知ってもらおう!
回を重ねるごとに知識を深め、噛むことの大切さを理解していく子どもたち。自らすすんでガムを噛むようになりました。
なかには家でガムを禁止されている子もいましたが、「ガムを買ってもらわないといけないから、お父さん、お母さんに教えたい!」と一念発起!
ほかの子どもたちもみんな「噛むことのよさをいろんな人に知ってもらいたい!」という思いが沸き上がり、次のテーマとして“誰に広めるか”を決めることに。
「お勉強の役に立つから、学校の先生と大学生に知ってほしい!」
「これからもみんなでガムを噛みたいから、児童クラブの先生や友達にも広めたい!」
3つのグループに分かれて誰にどう伝えるかを考え、保護者が集まる親子会の場で発表することにしました。
大人たちに教えてあげよう!
発表の方法は子どもたち次第。自由な発想で発表の準備をしました。
1組目のグループは、学校の先生や大学生に向けて「ガムのひみつ」を伝えます。
ガムを噛むとどんないいことがあるのか。ターゲットに合わせてアピールポイントを変える工夫もされていました。
「ガムを噛むと素敵な笑顔になるのはどうして?」
「おいしさが口いっぱいに広がって、歯もきれいになるからです」
保護者から出た質問にもしっかり自分の言葉で答え、とても頼もしかったです。
2組目のグループは、じつにユニーク。
歯をきれいにする口の中の生物「ピカマン」と一緒に、児童クラブの人たちにガムのよさを伝えます。
「ガムを噛むと運動力がアップします。なぜだろう? 教えて、ピカマン!」
「それはね、あごを動かすから。あごを動かすと血が流れるから!」
「へぇ~、そうなんだ!」
女の子とピカマンの掛け合いで会場を盛り上げました。
3組目のグループがメッセージを届けるのは保護者。クイズ形式でガムやキシリトールのことを伝えます。
「ガムの効果はどれでしょう? 」
- ダイエット効果
- お金持ちになれる
- 胃が強く大きくなる
想像力豊かな選択肢に、保護者や先生たちもビックリ! 笑いに包まれました。
プログラムの最後には、活動してくれた子どもたちを「噛むこと研究員 子どもリーダー」に任命。
任命書とガムを手に、さっそく噛むことを広める活動を開始します。
「お姉ちゃんに噛むことのよさを伝えたい!」と話していた子は、会場にいたお姉ちゃんと一緒にガムを噛み、「2粒噛むといいんだよ」と教えていました。
「噛むこと研究員 子どもリーダー」の活動はつづく
噛むこと研究員に任命されたことで、「もっと噛むことを広めなくちゃ!」と火がついた子どもたち。
今回のPBLに参加していない児童クラブの友達や大学生に知ってもらうため、「児童クラブの入り口にポスターを貼るのはどう?」「大学生が集まる学食でチラシを配ろう!」など具体的なアイデアが続々と!
すっかり頼もしい研究員になっていました。
大人たちの反応は?
「今回の発表は100点!」
「ピカマン」のコスチュームで登場したNさん。
お友だちと協力して2日で作り上げたそうで、「今回の発表は100点!」と嬉しそうに話していました。
発表を聞いたご両親も誇らしげです。
「実は今日、どんなことをやるのか教えてくれなかったんです。もともと親子会には夫に参加してもらうことが多いのですが、今日は娘から『絶対に二人で聞きに来てね!』と念押しされていたので楽しみにしていました」
「普段の娘は進んで発表をするタイプではないので、今日の堂々とした姿には本当にビックリで。PBLのような学習法も小学3年生の娘にはまだ早いのではないかと思っていましたが、楽しんで参加していたようでした」
「今回の参加をきっかけに、おうちでもガムについて話すことがあったんですよ。それも、ただガムを食べたよとか、おいしかったとかでなくて。『こんな効果があるの知ってる?』と聞かれたり、『私はどの味が好きだ』と教えてくれたり、少し具体的に話すようになったのが印象深かったですね。
本人は今回の発表を100点と言っていましたが、私は120点あげたいです!」
参加できて本当によかった
「家族に広めたい!」と発表したUさん。
「口を閉じて噛むといいよ」など、ガムに限らず噛むことについての知識も広めてくれています。
発表を聞いたお父さんにお話を伺いました。
「このプログラムへの参加は私が勧めました。学校の中でガムを食べられるということが、きっと楽しい経験になると思ったんですよね。私自身、小学生のときに学校でお菓子を食べるという経験をしたことがあって。あのときの特別感は今でも記憶に残っています。だから、娘にも味わわせてあげたいなと。実際、参加できて本当によかったと思っています。家でも勉強した知識を伝えてくれるなど変化がありました」
娘の変化を喜ぶお父さん。娘の思いはしっかりお父さんに届いたようで……。
「特に力説していたのが、ガムを噛むとダイエット効果があるということ(笑)。娘に言われたのでがんばります!」
今回参加した子どもたちの中には、噛むことを意識したことはおろか、ガムを噛んだことがないという子もいました。
それがたった2ヶ月間で「噛むこと研究員」の名に相応しい知識を身につけ、今では児童クラブの枠を飛び出して「噛むこと」を広める活動をしてくれています。
すごいぞ、子どもたち!
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「オーラルケア公式サポート」Writerライター
岩波 理恵
一般生活者にオーラルケアの魅力を発信する広報担当。夕方視聴率No.1の報道番組でディレクターを担当した後、オーラルケアへ入社。最近、歯列矯正を始めた。
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