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予防を知り、その大切さを“伝えられる子どもたち”を育む(前編)

予防を知り、その大切さを“伝えられる子どもたち”を育む(前編)

東京都小金井市にあるMiracle Labo(以下、ミラクルラボ)は、「自分たちを取り巻くさまざまな社会問題と向き合い、解決しようとする力」を育成するアフタースクールです。(株)オーラルケアはこのミラクルラボと協同して“自分で自分の歯を守れる子どもを育む”を目標に、全11回のワークショップを開催。今回はなぜ子どもに歯の大切さを教えることが大事なのか、そしてどんな形で始まったのかをお伝えします。

更新日: 2024.02.20 活動レポート

なぜ(株)オーラルケアが、子どもに歯の予防を伝えているのか

「最近はむし歯になる子どもが減っている」。そんなニュースを見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。実際このことは、厚生労働省から発表されている令和4年歯科疾患実態調査の結果から明らかになっています。

たとえば同調査によると、平成5年では一人あたりだいたい7本むし歯がありました。それが令和4年では1.2本にまで減っています。これは「子どもをむし歯にさせたくない」という強い想いを持つ親が増えたり、自治体も積極的に子どものむし歯予防指導に取り組んでいることなどが数字に表れていると考えられます。

では、15歳以降になるとどうでしょう。

年齢に伴うむし歯の本数を示したグラフ

年齢が上がるにつれ、むし歯の本数が増えていっているのがわかります。つまり保護者の目が届くうちは仕上げ磨きなどで歯を守れているものの、自分自身の手だけで磨くようになるとケアが行き届かなくなり、むし歯増加の原因になっていることが見てとれます。

そこで株式会社オーラルケアは、子どものうちから自分の口を知り、自分の手で自らの健康を育めるよう情報を与えていくのが大切なのではないかと考えました。

子どもが予防に対して興味を持ち、楽しみながら取り組めることを目指す

この仮説をもとに検証できる環境を探している中で着目したのが、ミラクルラボが掲げるPBLメソッド(問題解決型学習法。暗記のような受動的学習ではなく、自ら問題を発見し、解決する能力を養うことを目的とした教育)です。

予防は一方的に教えるだけでは伝わりません。「自分に必要だ」と気づいていくことが行動につながり、身についていきます。その点において、PBLメソッドはとても有効なのです。この2つがうまくコラボレーションできたら、きっとおもしろいことになるのでは!? と思い、企画をスタートさせました。

いざミラクルラボで子どもたちに予防を伝えるとなった際、気をつけたのは一方的に教える形にならないようにすることを徹底。知ってほしいと思うと、どうしても教えるスタンスになってしまうからです。テーマに基づいて必要な情報を共有しつつ、子ども自身が考え、課題を見つけ、予防したいという気持ちが芽生えていく。そんな関わり方になるよう意識しました。

子どもの“考える力”を引き出す取り組み

そんな考えを持って組み立てられたワークショップに参加したのは、小学校1・2年生。まず「歯は大事か」という根本的なところを考えることからスタートしました。その手がかりとして、90歳までに約10万回ご飯を食べるという具体的な数値を紹介すると、「その10万回をおいしく楽しい時間にしたい!」と子どもたちからの発言が。日頃は気にすることがなかった、歯の重要性に気づくきっかけになりました。
次に「歯1本に値段をつけるとしたらいくらにする?」と質問してみます。

返ってきた答えは100円から無限大までさまざまでした。理由を尋ねると、

「歯がないとしゃべれなくなるから大事」
「歯がなくなったら、ごはんが食べられなくなる」
「自分の歯は売りたくない」

とのこと。
大人に同様の質問をすると、1本にかかる治療費を手がかりに答えがちですが、子どもは違います。「人にあげるなら」「売るなら」といった、子どもならではの感性が垣間見える回答が続々と挙がりました。

自分で考える

みんなの前で発表して、人の意見を聞く

さらに考える

子どもらしい感性に加えてこのようなステップを踏むことで、子どもたちは歯の大切さをより感じられたようです。

疑問をきっかけに自分で考え、理解を深める

歯の大切さを知った次は、体験を通じて興味・関心を高めていきます。
まず自分の口の中には何がいるのか。それを知るために、位相差顕微鏡を使って自分のプラークを観察。

口の中から採取した菌を電子顕微鏡で確認している

顕微鏡をのぞき込んだ子どもたちからは

「ミミズみたいなのがいる!」
「ツブツブしたのはなんだろう?」

という声が上がり、動いているものが何なのか興味津々。「何だと思う?」という問いかけに、あちこちから「むし歯菌!」という回答が。口の中に細菌がいると実感した瞬間になりました。

では目に見えない細菌はどんなところに潜んでいるのか。それを知るため、次に行なったのが染め出しです。みんな普段やったことのない実験にわくわくドキドキ。夢中になって鏡をのぞき込んで、染め出し液を歯に塗ります。

子どもたちが染め出し液を歯に塗った様子

塗り終えると、思った以上に染まっている自分の口を見てびっくり。今度はその汚れを落とそう! と気持ちが動きます。「どんなアイテムなら、隅々までキレイにできると思う?」。そう尋ね、いくつか用意したケアアイテムの中から好きなものを選んで磨いてもらいました。

このときみんなが選んだのは、毎日のセルフケアで使っている3列ブラシ。ところが磨いてみると、歯と歯の間や歯ぐきとの境目の汚れが落としきれないことに気づきます。

どうしたらいいんだろう? と考えた末にたどり着いたのが、ワンタフトブラシ『プチソフト』です。先が細く鉛筆のようにとがっているので、3列ブラシだけではアプローチできなかった場所にスッと届くのではないか? とみんなで試してみることに。使ってみると、みるみる汚れが落ちていく。これが子どもたちにとって、目からウロコの体験となりました。

プチソフトが並んでいる

・実践して楽しい感覚をつかむ
・自分で発見する
・考えてやってみる

このステップを踏まえたことで、「歯を守るにはワンタフトブラシが欠かせない」と子どもたちは実感。自分の歯を守ることに対しての関心もグッと上がりました。
後編ではこの発見を活かして、具体的にどんなアクションへ落とし込んでいったのかをご紹介します。

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