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「仕上げ磨き」っていつまでしたら良いの? 子どもの年齢別に磨くポイントも紹介

「仕上げ磨き」っていつまでしたら良いの? 子どもの年齢別に磨くポイントも紹介

子どもの口内の健康に欠かせない仕上げ磨き。いつまで続けるべきなのかわからないという方も多いのではないでしょうか? 今回は、「仕上げ磨きはいつまでしたら良いのか?」という疑問にお答えします。子どもの年齢別に磨き方のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2023.11.07 ケアにまつわる知識

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

子どもに仕上げ磨きが必要な理由

そもそもなぜ仕上げ磨きは必要なのでしょうか? まずは、仕上げ磨きの必要性を解説します。

乳歯はむし歯になりやすい

子どもの歯に仕上げ磨きが必要な理由は、乳歯はむし歯になりやすいからです。乳歯は永久歯よりももろく、やわらかいという特徴があります。軽石のような構造のため、プラーク(細菌のかたまり)が付きやすく、むし歯になりやすいのです。

また、乳歯は永久歯よりもエナメル質や象牙質の厚みがありません。そのためむし歯が進行しやすく、比較的すぐに神経まで到達してしまいます。乳歯がむし歯になると永久歯の歯並びに影響する場合もあるので、大人の手による仕上げ磨きが大切です。

汚れをしっかり落とせていない

仕上げ磨きが必要な理由として、子どもの歯みがき技術ではしっかりと歯の汚れを落とせていない点も挙げられます。子どもが6歳頃になると自分で歯をきちんと磨けているように感じますが、完璧にできているとは言い切れません。

そのため大人が仕上げ磨きをして、子どもでは磨き残してしまう場所からプラーク(細菌のかたまり)を取り除くことが大切になります。

子どもが自分でケアする力を育てるため

子どもが自分でケアする力を育てることも、仕上げ磨きをする理由のひとつ。仕上げ磨きをしつつ、磨き残しがある部分を「ここはむし歯菌がかくれんぼしやすいね」などの声かけをしながら、上手な歯みがきを学ぶ機会へとつなげていきます。

子どもが大きくなって歯ブラシの扱いに慣れてきたら、磨き残しをケアしながら歯の磨き方を教えてみてください。

生えかけの永久歯は磨きにくい

歯の生え替わりは6歳頃から始まりますが、乳歯と生えかけの永久歯の背丈がそろわない間は歯みがきがしにくいのです。そのため、乳歯から永久歯への生え替わりの時期には仕上げ磨きをしたほうが良いでしょう。

さらに、生えかけや生えたての永久歯はむし歯になりやすいという特徴もあります。生えてきたばかりの永久歯がむし歯になってしまうのは避けたいところ。汚れが残りやすく、むし歯になりやすいからこそ大人のサポートが必要です。

仕上げ磨きはいつまでするの? 年齢に関するQ&A

さまざまな理由から、子どもがある程度大きくなっても続けたほうが良いとされる仕上げ磨きですが、具体的にいつまで続ければ良いのでしょうか? ここでは「仕上げ磨きはいつまでするの?」という疑問にお答えします。

大人が主導で磨く仕上げ磨きはいつまで?

大人が主導で行なう仕上げ磨きは、6歳頃までを目安に続けましょう。6歳頃までは一人で十分に歯みがきをするのが難しいため、子どもが磨いた後大人が丁寧に仕上げ磨きをしてあげます。

子どもの性格や集中力によっても歯みがきの技量は変わります。お子さんの成長に合わせて、大人のサポート方法も変えていきましょう。

抱っこで行なう仕上げ磨きはいつまで?

横抱きの姿勢で行なう仕上げ磨きは、赤ちゃんの時期までとするのがオススメです。1歳〜1歳半頃になると奥歯が生えてくるので、横抱きの姿勢だと口内の奥のほうが見えにくく磨き残しにつながります。

さらに抱っこで行なう仕上げ磨きは、子どもの体の成長に伴い横抱きで支えるのが大変になっていきます。離乳食が完了する1歳〜1歳半頃を目安に、抱っこの姿勢での仕上げ磨きは卒業しましょう。

寝転んで行なう仕上げ磨きはいつまで?

寝転んで行なう仕上げ磨きは、何歳まで続けてもOKです。仰向けに寝た子どもの口を覗き込むようにして磨く方法は口内が見やすいので、子どもが嫌がらないようなら続けても問題はありません。

子どもの年齢が高くなってきて寝転んだ状態での仕上げ磨きを嫌がる場合は、椅子に座らせた状態で磨くのがオススメです。

サポートするための仕上げ磨きはいつまで?

子どもが6歳頃になると、ある程度自分で歯みがきができるようになってきます。小学1年生頃を目安に、大人がキレイにする仕上げ磨きから、子どもの歯みがきをサポートする仕上げ磨きへ移行すると良いでしょう。

サポート目的の仕上げ磨きは10〜12歳頃まで行なうのが理想的です。12歳頃に生えてくる12歳臼歯は奥まっていて磨きにくいため、特に生えかけのタイミングでは仕上げ磨きでしっかりとサポートしてあげてください。

しかし10〜12歳というと、反抗期や思春期と重なるタイミング。仕上げ磨きをさせてくれない子どもも多い年齢なので、小学校低学年のうちに自分でキレイにプラーク(細菌のかたまり)を取り除けるように教えておくと安心です。

【年齢別】仕上げ磨きのポイント

仕上げ磨きは、何歳の子どもに行なうかによって意識するポイントが異なります。ここでは子どもの年齢別に仕上げ磨きのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

0〜2歳頃:歯ブラシに慣れさせるため短時間で楽しく行なう

0〜2歳頃の仕上げ磨きは、歯ブラシに慣れさせることが目的です。歯みがきが嫌いにならないように、短時間で楽しく歯を磨くことを心がけて歯みがきへの抵抗感をなくしてあげてください。

0〜2歳頃の子どもの仕上げ磨きを楽しく行なうには、笑顔で歌ったり声かけをしながら歯を磨くのがコツです。また、子どもの機嫌が良いタイミングを見計らって歯みがきをしたり、嫌がる場合は無理強いしないことも意識しましょう。

特に1歳半〜2歳頃はイヤイヤ期と重なるため、仕上げ磨きの難易度が高くなりがちに。歯みがきの歌や動画を流しながら磨いたり、お気に入りのキャラクターの歯ブラシを使ったりして、歯みがきの時間を楽しめるような工夫をするのがオススメです。

多くの自治体では1歳半検診で歯科検診が実施されていますが、仕上げ磨きを習慣づけていると歯科検診でも大人しくしていられることが多いといわれています。

3〜5歳頃:前歯から奥歯まで丁寧に磨く

3〜5歳頃の仕上げ磨きは、0〜2歳の子どもよりも少し時間をかけてキレイに磨くようにしましょう。3〜5歳頃になると寝転んだ姿勢でおとなしく仕上げ磨きをさせてくれる子が多いので、丁寧に汚れを取り除けます。

乳歯は前歯の裏や奥歯の噛み合わせ部分の溝がむし歯になりやすいので、特に注意して磨いてください。

小さいうちから歯科医院へ通って口の観察やフッ素塗布などを受けていると、歯並びや口呼吸などの問題に早く気づけるなど、口の健康をキープしやすくなります。

6〜9歳頃:6歳臼歯に注意しながら磨く

6歳以降になると、多くの子どもが自分で歯を磨けるようになっています。とはいえ完璧とはいえません。仕上げ磨きは、磨き残しをチェックしながら歯みがきの方法を教えていくスタンスへ移行しましょう。

仕上げ磨きの際は子どもに手鏡を持たせ、「ここはこうやって磨くよ」と実際に磨き方を見せてあげたり、「ここはどうしたらいいかな?」と子どもが考えられるように投げかけたりすると歯みがきの方法を理解しやすいです。

6〜9歳頃は、乳歯から永久歯への生え替わりが始まる時期。乳歯の奥から生えてくる6歳臼歯は、子ども自身の歯みがきだと磨き残しが出やすいです。汚れが残らないよう、注意してケアしてあげましょう。

また、歯が抜けている部分に歯ブラシが当たると痛がることがあります。乳歯が抜けた部分を歯ブラシで擦ってしまわないよう、注意してください。

10〜12歳頃:磨きにくい部分をサポートする

10〜12歳頃の仕上げ磨きでは、磨きにくい部分のサポートを行ないます。歯並びや生え替わりの関係で凸凹している部分を中心に、細かい部分に汚れがたまらないようなケアを心がけてください。

10〜12歳頃になると仕上げ磨きに時間をかける必要はありませんが、歯みがきの軽いサポートに加えて歯や歯ぐきの状態をチェックしておくことは大切です。気になる部分がないか日々確認しておけば、口内トラブルに早く気づけて歯科医院での早期治療につなげられます。

子どもの口の健康を保つ仕上げ磨きのコツ

ここからは、子どもの口内の健康を保つ仕上げ磨きのコツを紹介します。

やさしい力で磨く

仕上げ磨きをするときは、やさしい力で磨いてください。ゴシゴシと力を入れて磨くと、子どもが痛みを感じて歯みがきを嫌いになってしまいます。歯や歯ぐきに傷をつける原因にもなるため、力加減には注意が必要です。

歯ブラシの持ち方は、鉛筆を持つように握るペングリップがオススメです。
また、子ども用の歯ブラシの毛がかためだったり、毛先の形が切りっぱなしだったりすることが原因で痛みを感じることも。仕上げ磨きのときに子どもが「痛い」と嫌がるようなら、力加減とあわせてアイテム選びも見直してみましょう。

前歯を磨くときはスジに当たらないよう注意する

仕上げ磨きをするときは、上の前歯の中央にあるスジに歯ブラシが当たらないように注意しましょう。スジに歯ブラシが当たったり引っかかったりすると、痛みを感じる原因となります。スジが前歯の根元に近い位置までのびている場合は、指でガードするなどして歯ブラシが当たらないように配慮してあげてください。

細かい部分まで磨けるアイテムも使う

仕上げ磨きに慣れてきてある程度の時間口を開けていられるようになったら、歯ブラシだけでなく細かい部分をケアするアイテムを併用するのがオススメです。

ワンタフトブラシ

ワンタフトブラシは、小さいヘッドが特徴の小回りがきく歯ブラシです。気になる部分をピンポイントで磨けるので、生えかけの永久歯や歯並びが悪いところのケアがしやすくなります。小さい子どもはもちろん、6歳以降の仕上げ磨きをサポートするときに使用するのもオススメです。

デンタルフロス

デンタルフロスは歯と歯の間だけでなく、歯と歯ぐきの中のプラーク(細菌のかたまり)まで取り除けるアイテムです。歯と歯の間のむし歯予防や、歯周病の予防に役立ちます。

小さい頃からデンタルフロスを使う習慣をつけておくと、丁寧な口内ケアが身につきやすくなります。成長してからも健康な口内環境を保てますよ。

仕上げ磨きを習慣にしてむし歯ゼロを目指そう!

今回は、「子どもの仕上げ磨きはいつまでするのか?」という疑問にお答えしました。仕上げ磨きは、10〜12歳頃まで行なうのが理想的です。仕上げ磨きをするときは、子どもの年齢に合わせたやり方で行なうようにしてください。

歯ブラシ以外のアイテムも活用しながら仕上げ磨きをして、むし歯ゼロの健康な口を目指しましょう。

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