むし歯になりにくいオススメのお菓子! 食べ方にも注意しておやつタイムを楽しもう
お菓子は歯に良くないと知っていても、どうしても食べたくなることがありますよね。お菓子を食べたいときには、むし歯になりにくいお菓子選びをしましょう。本記事では、むし歯を防ぎたい方にオススメのお菓子やむし歯になりにくいお菓子の食べ方をお伝えします。
お菓子がむし歯を引き起こしやすい理由
お菓子がむし歯を引き起こす原因になるのは、むし歯菌(ミュータンス菌)が糖分を好むからです。
糖分にはショ糖やブドウ糖、果糖などいくつかの種類がありますが、むし歯菌は特にショ糖を好みます。砂糖はショ糖を主成分とした甘味物のため、砂糖が多く含まれているお菓子はむし歯を引き起こしやすいのです。
むし歯予防に向けて、むし歯になる過程も知っておきましょう。
- むし歯菌が糖分を分解し、酸をつくって歯のエナメル質を溶かす(脱灰)
- 唾液が酸を中和して脱灰を止め、唾液の働きで溶かされた歯のエナメル質を修復する(再石灰化)
- 1(脱灰)と2(再石灰化)のバランスが崩れ、酸に溶かされている時間が長くなると歯に穴が開いてむし歯になる
食べ物を食べたとき、口内では脱灰と再石灰化が繰り返し行なわれています。普段は両者がバランスをとることで、口内の健康が保たれているのです。むし歯を予防するためには、前述の3の過程が起こらないようにすることが大切です。
むし歯になりにくいお菓子の基準
お菓子がむし歯を引き起こすと分かっていても、大人や子どもに限らずふとした瞬間に食べたくなることはありますよね。そんなときには、むし歯になりにくいお菓子を選ぶのがオススメです。以下ではむし歯になりにくいお菓子(おやつ)の基準をお伝えします。
糖分が少ないもの
むし歯菌は糖分を栄養にするため、糖分が少ないお菓子は比較的むし歯になりにくいです。
糖分には、砂糖(ショ糖)・ブドウ糖・果糖・オリゴ糖などがあります。なかでもむし歯菌は砂糖(ショ糖)をもっとも好みますが、ブドウ糖や果糖も栄養とするのであわせて注意しましょう。
また口に入れてすぐに甘いと感じるお菓子以外に、長く噛んでいると甘味を感じるものも糖分が含まれているため注意が必要です。ただし、キシリトールなど虫歯の原因になりにくい代替甘味料を使用しているものは、比較的安心して食べられます。
糖分が含まれているかは、栄養表示の欄を見て確認しましょう。
短時間で食べ終わるもの
短時間で食べ終わるものも、比較的むし歯になりにくいお菓子・おやつといえます。口内に糖分が存在する時間が短いと、それにあわせてむし歯菌が酸をつくる時間も短くなるからです。
お菓子をだらだらと食べるよりも、短時間で食べるほうがむし歯のリスクは下がります。食べる量をあらかじめ決める・個包装になっているものを選ぶなど、食べ切るまでの時間についても考慮してください。
歯にくっつきにくいもの
歯にくっつきにくいものは、むし歯になりにくいお菓子・おやつです。むし歯菌は歯に残っている糖分を栄養とするため、歯にくっつきにくい・口の中に残りにくいお菓子であれば、糖分が歯に残らずむし歯のリスクを下げられます。
お菓子選びに迷ったときには、歯に食べカスとして残りにくいものを積極的に選ぶのがオススメです。歯に残りにくければ、すぐに歯みがきができないときにもむし歯のリスクを軽減できます。
カルシウムが含まれているもの
歯の再石灰化を促してくれるカルシウムが含まれているものも、むし歯になりにくいお菓子・おやつです。特に子どもは、永久歯が生え揃うまでの間にカルシウムが含まれている食べ物を積極的に摂ると、永久歯が強くなることも期待できます。
ただし、カルシウムが入っていればなんでも良いわけではありません。糖分が含まれていれば、むし歯のリスクは高くなります。カルシウムが入っているからといって油断は禁物です。
咀嚼回数が多いもの
しっかり噛むことは唾液の分泌につながるため、咀嚼回数が多いお菓子・おやつはむし歯になりにくいと考えられます。
唾液にはむし歯を予防したり、口内のプラーク(細菌のかたまり)を洗い流したりする役割があります。
咀嚼回数を多くするためには噛み応えのあるお菓子がオススメですが、糖分には注意が必要です。たとえば、おせんべいは長く噛んでいると甘くなるため、食べ続けてしまうとむし歯のリスクが上がるので注意しましょう。
むし歯に【なりにくい】お菓子
むし歯になりにくいお菓子の基準についてお伝えしましたが、市販のお菓子はどのようなものが当てはまるのでしょうか? むし歯になりにくいお菓子・おやつには、以下のものが挙げられます。
- 代替甘味料が配合されているガムや飴
- スルメイカ
- ナッツ
- チーズ
- クラッカー
- 砂糖不使用のビスケット
次に挙げるのは、むし歯になりにくいけれど食べ方に注意が必要なお菓子・おやつです。
- 果物
- アイス
- プリン、ゼリー
- 加糖ヨーグルト
「むし歯が気になるけれどお菓子を食べたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
むし歯になりにくそうに思える果物には、果糖が含まれています。おやつとして頻繁に取り入れたり、だらだら食べるとむし歯のリスクが上がるので注意してください。
アイスやプリン、ゼリーなどは、糖分を含むものの短時間で食べ終わり、歯にもくっつきにくいことから比較的むし歯になりにくいお菓子にあたります。
どうしても甘さのあるおやつが食べたいときにオススメです。
むし歯に【なりやすい】お菓子
むし歯になりにくいお菓子がある一方で、むし歯になりやすいお菓子も存在します。むし歯になりやすいお菓子は、糖分が高いものや長時間口に入れて食べるもの、歯にくっつきやすいものなどです。
- キャラメル・ソフトキャンディ
- チョコレート
- 飴
- 糖分の含まれているガム
- ドーナツ
- ケーキ
- まんじゅう
- コーン菓子
- ポテトチップス
- おせんべい
大人・子どもを問わず、人気のあるお菓子の多くはむし歯になりやすい要素を含んでいます。
むし歯予防をしたいのであればできるだけこれらのお菓子を避け、むし歯になりにくいお菓子を選ぶことが大切です。どうしても食べたいときには、食べ方を工夫をして楽しみましょう。
むし歯になりにくいお菓子の食べ方
お菓子の特徴だけでなく、むし歯になりにくいお菓子の食べ方についても覚えておきたいところです。お菓子を食べるときには、以下の食べ方を意識してみてください。
おやつの時間は1日につき1回にする
むし歯になりにくいお菓子の食べ方としてまず挙げられるのが、おやつの時間を1日1回にすることです。
おやつを1日1回にすると糖分が口に存在する時間が少なくなり、むし歯菌が歯のエナメル質を溶かす機会も減少します。
お腹が空くたびにおやつを食べてしまう方もいるかもしれませんが、むし歯になりにくい生活を送るためには、1日の回数を決めて少しずつ減らしていきましょう。
特に子どもの場合は1日に何度もお菓子を食べる習慣があると、大きくなったときの食習慣に影響を与えてしまいます。年齢が上がると言い聞かせるのが難しくなることもあるため、小さい頃からルールを決めておくのがオススメです。
だらだらと食べない
むし歯になりにくいお菓子の食べ方としては、テレビを観たりゲームをしながらだらだらと食べないことも大切です。
だらだら食べて長時間口の中に食べ物があると、むし歯菌に栄養を与えてしまい、むし歯のリスクが高まります。適量のお菓子をお皿に出し、集中して食べましょう。
飲み物は砂糖が入っていないものを選ぶ
むし歯になりにくいお菓子・おやつについてお伝えしてきましたが、飲み物にも注意が必要です。飲み物の中には、たくさん砂糖が入っているものがあります。お菓子に気をつけても、飲み物に砂糖が入っていてはむし歯予防にはつながりません。砂糖の入っていないものを選ぶことも意識してください。
甘いお菓子と砂糖の入った飲み物の組み合わせは、とてもむし歯リスクが高くなります。甘いお菓子を食べるときには、砂糖の入ったジュースではなくお茶や水、ブラックコーヒーなどを選んでください。
むし歯予防にはお菓子を食べた後のケアも大切
むし歯を予防するためには、お菓子を食べた後の口内のケアも大切です。これからも健康な歯でおいしいものを味わえるように、お菓子を食べた後には以下のケアを心がけましょう。
歯みがきをするか口をゆすぐ
口内にお菓子の食べカスが残っているとむし歯になりやすいため、間食の後には口の中に食べカスや糖分が残らないよう、歯みがきやうがいで口の中をリセットしましょう。
外出先などで歯みがきの時間を確保するのが難しい場合に備え、マウスウォッシュやシュガーレスガムを持ち歩くのもオススメです。水で口をゆすぐ程度でも構いません。
キシリトール入りのガムを噛む
むし歯の原因にならない甘味料、キシリトール入りのガムを噛むのもオススメです。
キシリトールは砂糖と同じくらいの甘味を感じますが、むし歯菌の栄養にならず酸をつくり出せないので安心して食べられます。仕事中にガムを噛めない場合やガムを食べられない子どもには、キシリトール入りのタブレットがオススメです。
キシリトール入りの商品はスーパーやドラッグストア、歯科医院で購入できます。
初めてキシリトールを摂るお子さんや、お腹がゆるくなりがちな方は1粒から始めてみましょう。子どもの場合はのどに詰まらせることのないよう、そばで見守ってください。
むし歯になりにくいお菓子や食べ方を知って、楽しいおやつタイムを
むし歯の原因となるむし歯菌は、お菓子に含まれている糖分を好みます。間食がしたくなったときには、むし歯になりにくいお菓子・おやつや飲み物を選べば、安心しておやつタイムを楽しめます。
ただしむし歯になりにくいお菓子を食べていれば、むし歯のリスクが完全になくなるわけではありません。お菓子を食べた後は歯みがきなどのケアを行ない、定期的に歯科医院で口内のチェックをしてもらうなど、むし歯のリスクをさらに下げる取り組みも忘れずに!
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。