大事な奥歯を失わないために! 磨き残しを防ぐ奥歯の上手な磨き方
奥歯は、食事をするのに大きな役割を担っています。しかし磨き残しやすく、毎日ケアしていてもむし歯や歯周病になってしまいがち。そのため、失われるのは奥歯から……という傾向があります。効果的な磨き方を身につけて、奥歯を失なわないよう守っていきましょう。
それぞれの歯の特徴と役割
私たちの口腔内には、いろいろなサイズの歯が並んでいます。その種類は大きく分けて3つ。一つひとつ見ていきましょう。
1. 前歯
薄く、刃物のような形をした歯。食事で使うナイフと同じように、食べ物を切る役目をしています。
2. 犬歯
鋭く尖っていて、斧のような形をしています。前歯と同様に、食べ物を噛み切るために必要な歯です。
3. 奥歯(臼歯)
全体的に丸く、噛む面に溝があるのが特徴です。奥歯は臼歯(きゅうし)といい、石臼(いしうす)のように食べ物をすりつぶして細かくする役目があります。犬歯に近いほうにある小さめの丸い歯が小臼歯、奥にある大きい歯が大臼歯です。
どうして奥歯は磨きにくいの?
奥歯がむし歯になる割合は、前歯よりもかなり大きい。そのことは、厚生労働省の調べでもわかっています(※)。どうして奥歯はむし歯や歯周病のリスクが高いのでしょうか? 実は奥歯には、磨き残しやすくなる要素がいくつもありました。
(※)厚生労働省『平成28年歯科疾患実態調査結果』
1. 形が複雑
奥歯は、噛む面にたくさんの溝があります。食べ物を歯の上にとどまらせ、より細かく噛み砕くためです。でもそのせいで形が複雑で、歯ブラシの毛が届きにくいことも……。
また奥歯は他の歯と比べると、歯の根元が大きくくびれています。このくびれがあることにより、プラーク(細菌のかたまり)がたまりやすいのです。
2. 隣の歯に触れている面積が広い
前歯や犬歯と比べて幅がある分、歯と歯の間の面積が広いのも奥歯の特徴。歯ブラシでは届かない部分が大きく、むし歯や歯周病の原因となる細菌がとどまりやすいため、どんどん増えてしまうのです。
形が複雑なうえに、細菌が増えやすい奥歯。どうすれば磨き残しを減らし、健康な奥歯を守れると思いますか? 上手に磨くポイントを見ていきましょう。
奥歯を上手に磨く4つのポイント
奥歯の磨き残しを防ぐには、ポイントが4つあります。
1. 歯と歯ぐきのすき間の汚れはデンタルフロスでかき出す
歯と歯の間の面積が広い奥歯。この面の汚れと、歯と歯ぐきのすき間を掃除するのがデンタルフロスです。歯のカーブに糸を沿わせ、ゆっくり動かしましょう。このとき歯ぐきの中1~2mmまで入れて、汚れをかき出すように動かすと効果的です。
すき間が広く、デンタルフロスでは効率が悪い場合は歯間ブラシを使ってみましょう。ただしデンタルフロスと違い、歯間ブラシでは歯と歯ぐきのすき間の汚れを落とせないのでご注意を。
2. 丸みのある部分はワンタフトブラシを使う
奥歯は丸いため、歯ブラシの角度を変えたり時間をかけたりして頑張っても、磨き残してしまいがち。普通の歯ブラシだけでプラーク(細菌のかたまり)を取るのは困難です。
そこで活躍するのがワンタフトブラシ。毛先がペンのように尖っているので、普通の歯ブラシが当たらない場所にもピンポイントでフィットします。歯ブラシでは磨き残していた場所も、ラクにケアが可能です。
3. 歯の根元はやわらかくコシのある歯ブラシでケア
奥歯は丸みがあるため、毛の硬い歯ブラシでは歯のカーブに沿わせることができず、磨き残しが多くなりがちに。それだけでなく、歯の根元をかたい毛で磨こうとすると歯ぐきを傷つけてしまうことにもなりかねません。やわらかめでコシのある歯ブラシを選び、プラーク(細菌のかたまり)がたまりやすい歯と歯ぐきの境目に当てるように意識して磨きましょう。
4. 一番奥にある歯のうしろ側は専用の歯ブラシで
唾液が届きにくいため、もっとも汚れがたまりやすいといわれている一番奥の歯。でも普通の歯ブラシでは、磨き方に工夫が必要だったり、ヘッドが大きくてうまく当たらなかったりすることがあります。奥歯のさらにうしろ側をキレイに磨くには、専用の歯ブラシを使うのがオススメです。
奥歯を守って毎日をおいしく健康に過ごそう
食事をするとき、食べ物をただ噛みちぎっただけでは胃に大きな負担がかかります。栄養の吸収を良くするためには、奥歯でしっかり噛んで消化しやすい状態にすることがとても大事。その他にも発声するときや瞬間的に力を入れるときなど、奥歯は私たちの体にとって欠かせない役割を担っています。アイテムを上手に使って奥歯をケアし、体の健康を守っていきましょう。
タフト24
プラウト
フロアフロス
ディスタルエンド
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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