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歯の噛み合わせが悪いとどんな影響があるの? 体に起こるトラブルを解説

歯の噛み合わせが悪いとどんな影響があるの? 体に起こるトラブルを解説

歯の噛み合わせが悪いとどんな影響があるのか、気になっている方も多いでしょう。この記事では、噛み合わせの悪さが体にもたらすトラブルやその原因についてわかりやすく解説していきます。適切な治療法を知ることで、健康を維持していきましょう。

2024.02.13 口のお悩み解決事典

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

歯の噛み合わせが悪い状態とは?

自分の歯並びを鏡で確認する女性

歯の噛み合わせが悪い状態とは、歯並びや被せ物・詰め物などが原因で上下の歯が正しく噛み合っていない様子をいいます。

悪い噛み合わせの代表例

悪い噛み合わせの代表的な例は、以下の通りです。

・上顎前突(じょうがくぜんとつ/出っ歯):上の前歯が前方に突き出して生える。

・下顎前突(かがくぜんとつ/受け口):下の顎が上の顎よりも前に出ている。

・叢生(そうせい/乱ぐい歯):歯が重なり合い、でこぼこに生えている。八重歯もその一種。

・開咬(かいこう):奥歯を噛み合わせたときに前歯にすき間ができる。

・過蓋咬合(かがいこうごう):下の歯がほとんど見えないくらい、上の歯が覆いかぶさっている。

・空隙歯列(くうげきしれつ/すきっ歯):歯と歯の間にすき間が空いている。

噛み合わせと歯並びの関係性

「噛み合わせ」と「歯並び」は混同されがちなので、違いを理解することが重要です。「噛み合わせ」は上下の歯が噛み合っている状態をいい、「歯並び」は歯の位置や配列を指します。歯並びが悪いと、噛み合わせも悪くなる可能性が高まります。

正しい噛み合わせの状態とは

正しい噛み合わせとは、上下の歯がしっかりと噛み合っている状態のことです。この状態が保たれていると、噛む動作がスムーズに行なわれます。食事を楽しめるだけでなく、口の手入れもしやすくなるので、むし歯や歯周病のリスクも低くなるのです。

<正しい噛み合わせのポイント>
●上下の前歯がかぶさるように噛み合う
●奥歯の凸部分が凹部分にピッタリはまる
●顎の筋肉を使ってムリなく噛みしめられる

また正しい噛み合わせが保たれると、就寝中の口内環境の改善につながります。唾液が適切に分泌されることで細菌の繁殖が抑制されるからです。寝る前のケアも大切ですが、正しい噛み合わせも口の健康を守るために重要な要素となります。

悪い噛み合わせのデメリット

両手で口を隠している女性

悪い噛み合わせのデメリットは、磨き残しが増えたり、歯ぐき・顎への負担が大きくなること。これにより、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、食事がしにくくなる問題が生じやすくなる点も特徴のひとつです。

歯や顎、そのほかの健康への影響

噛み合わせが悪いと特定の歯や顎に負担がかかり、炎症による痛みや顎の違和感・疲労感につながります。また肩こりや頭痛を誘発し、慢性化する危険性もあるので注意が必要です。

むし歯・歯周病になりやすい

噛み合わせが悪い人は歯並びが悪い傾向にあるので、キレイに並んでいる人より磨き残しが多くなりがちです。歯ブラシ1本で歯みがきしている人は、さらにそうした状況に陥りやすくなります。デンタルフロスなどのアイテムを組み合わせて、むし歯や歯周病といった口内トラブルを未然に防ぎましょう。

また毎日のセルフケアだけでは十分に汚れを落とせない場所もあるので、専門家の力を借りることも大切。定期的に歯科医院で磨き残しやすい場所を確認してもらいつつ、口内をリセットしてもらってください。歯科医師のチェックを受けることで早期発見や予防が可能になり、歯や口周りの健康状態を改善できます。

歯ぎしり・食いしばりにつながる

噛み合わせが悪いと、睡眠時に歯を強くこすり合わせる歯ぎしりや体重以上の力で噛みしめる食いしばりをしやすくなります。歯ぐきに大きな負担がかかり、放置すると新たな不調を引き起こすこともあるため早めの改善が必要です。

しっかり噛めない

「肉を噛み切れない」「歯のすき間から麺状の料理が出てきてしまう」など、噛み合わせが悪いと食事の際に食べ物をしっかり噛めなくなります。前歯は食べ物を噛み切る役割、奥歯はすりつぶす役割があるので、栄養を効率よく吸収するにはどちらも欠かせません。

顎の位置や動きが悪くなる

噛み合わせが悪いと、顎の位置や動きにも悪影響を及ぼします。放置すると顎関節症になる可能性があり、口が開かない・カクカク音がする・食事ができないなど、生活に支障が出てきます。

胃腸に負担がかかる

しっかり食べ物を噛めないため、消化が悪くなり胃腸に負担がかかります。具体的には、消化不良や便秘・下痢、栄養がうまく吸収できないなど。日頃から胃腸の不調を感じる方は、噛み合わせについても確認してみましょう。

口臭がキツくなる

噛み合わせが悪いことで磨き残しが多くなったり、口を閉じられずに口内が乾燥したりする理由で、細菌が繁殖して口臭がキツくなる可能性があります。
またマスクにこもる臭いをきっかけに、自分の口臭に気づく人も少なくありません。口臭に気づいたときには、歯みがきを見直すなどして清潔な口内環境をキープしてください。

滑舌が悪くなる

滑舌にも噛み合わせは大きく関係します。歯並びによって噛み合わせが悪くなると、口が閉じにくい状態となり、歯のすき間から息が漏れてしまうからです。特に「さ行・た行・ら行」の発音が難しくなる傾向があります。

肩こり・頭痛

噛み合わせによって肩こりや頭痛が起こる場合があります。顎の筋肉は非常に力が強く、歯ぎしりや食いしばりが慢性化すると、顎とつながっている首や肩の筋肉がこわばるためです。

見た目への影響

口が閉じられない、出っ歯、受け口などの状態は、見た目にも大きく関係します。なかには強いコンプレックスを抱いてしまい、人とのコミュニケーションに支障が出てしまうケースもあるため、見た目が気になるときは歯科医院に相談してみると良いでしょう。

歯の噛み合わせが悪くなる4つの原因

頬杖をつきながら仕事をする女性

歯の噛み合わせが悪くなる原因はひとつとは限りません。いくつかの要素が組み合わさっているケースもあるので、さまざまな観点から原因を探る必要があります。

原因① 遺伝

歯並びが悪くなる原因のひとつは遺伝です。骨格はある程度遺伝するため、生まれつき歯並びが悪くなることがありますが、必ずしも噛み合わせに影響するとは限りません。子どもの成長過程を見ながら適切に対処してください。

原因② 生活習慣

日常生活の癖(舌の癖・頬杖・歯ぎしり・爪を噛むなど)で歯並びに圧力がかかると、噛み合わせが悪くなるリスクがあります。また口が閉じにくいことで口呼吸になりやすいV字型の歯並びや出っ歯の方も要注意。口呼吸は下顎の前歯を押し出す位置に舌が下がってしまうので、歯列不正を引き起こす要因になります。普段から鼻呼吸を意識するように心がけましょう。 

原因③ ストレス

過度のプレッシャーやストレスを感じると、無意識に口周りの筋肉がこわばり、日中や睡眠中の歯ぎしり・食いしばりの原因に。長期化すると歯に負担がかかり、噛み合わせが悪化します。そのためストレスを解消して、口周りの筋肉のこわばりを予防することが重要です。

原因④ 不適切な歯科治療

詰め物や被せ物、入れ歯やインプラントによって噛み合わせが悪くなる場合があります。治療の際には噛み合わせを確認しますが、そのときには気づかないことも多いため、「帰宅して食事をしていたら気になった」「数日経っても違和感がある」というときは、歯科医院に相談するようにしてください。放置すると噛み合わせの悪化によって、頭痛などの体調不良を引き起こしやすくなるので早めの対処を。

噛み合わせの治し方

キレイな歯並びの女性の口元

生活習慣が影響しているものは自分で対策を立てることができるかもしれません。ですが、対策を間違えれば悪化させてしまう可能性もあります。噛み合わせについては自分だけで判断しようとせず、歯科医院に相談をして最適な対策を取り入れることが何より重要です。

噛み合わせの主な歯科治療

噛み合わせの治療法には、ワイヤー治療やマウスピース治療があります。歯列の状態や治療方針、治療費などを含めて医師に相談し、治療が必要かどうかカウンセリングで確認することが大切です。特にマウスピース治療は対応できる歯並びが限定されているため、まずは自分の口の状態を正しく理解するところから始めましょう。

困ったら歯科医師へ相談しよう

歯科医師にアドバイスをもらっている女性

噛み合わせによって生じる問題は、体だけでなく心理的にも負担がかかる場合があるので早めの改善がオススメです。一人で解決しようとせず、歯科医師に相談してみましょう。対策がわかれば負担を軽減させられます。

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