「歯ぎしり」の原因を知って対策!今日からできる方法で快適な睡眠を手に入れよう
寝ている間、気づかないうちにしている歯ぎしり。今回は歯ぎしりの原因とそこから引き起こされる健康への影響、歯ぎしりの対策を徹底解説します。この記事を参考に、心地よい目覚めを手に入れましょう。
歯ぎしりはなぜ起こる? 主な原因5つ
歯ぎしりは無意識のうちに行なわれるものですが、そもそもどうして起こるのでしょうか。ここでは主な5つの原因を紹介します。
原因① 過度なストレス
日常的にストレスや不安を抱えている方は顎の筋肉が緊張状態にあり、無意識のうちに歯ぎしりをしやすくなります。そのため、寝ている間に歯ぎしりをする可能性が高くなるのです。ストレスをうまく解消する方法を見つけましょう。
原因② 骨格・噛み合わせ
顎の骨格や歯の嚙み合わせの不均衡が原因で、歯ぎしりが発生することがあります。歯の高さが揃っていなかったり歯並びが悪かったりすると顎が安定せず、自然に顎が緊張状態となり、歯ぎしりを起こす原因となりうるのです。
原因③ 喫煙・飲酒などの習慣
喫煙やアルコール・カフェインの過剰摂取なども、歯ぎしりを引き起こしたり悪化させる原因になります。中枢神経系に影響を及ぼし、睡眠の質が落ちることで浅い眠り(レム睡眠)になりやすく、筋肉の緊張状態を引き起こすためと考えられています。
原因④ 病気による症状
睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎などを発症している場合、歯ぎしりをしてしまう可能性があります。これらの症状は神経系や顎に影響を及ぼすため、自己判断せずに医師に相談してください。
原因⑤ 子どもの歯の生え変わり
子どもの場合、歯の生え変わりや成長に伴って歯ぎしりが見られることがあります。そのため、子どもの歯ぎしりは必要以上に心配する必要はありません。あまりにも長く続く場合には、歯科医院に相談してみるとよいでしょう。
歯ぎしりのタイプ【セルフチェック】
歯ぎしりにはいくつかのタイプがあります。それぞれ特徴があるので、次に紹介する歯ぎしりのセルフチェックの方法を参考に、自分がどのタイプなのか把握しましょう。
歯ぎしりのタイプ
歯ぎしりには大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれの特徴を知って、対策のヒントにつなげてください。
タイプ |
特徴 |
音 |
グラインディング |
上下の歯をこすり合わせる動作。 |
キューキューとした摩擦音 |
タッピング |
上下の歯がぶつかり合う動作。 |
カチカチと歯と歯がぶつかり合うタップ音 |
クレンチング |
歯を強く噛みしめる動作。 |
ギリギリとした歯の噛みしめ音。またはほとんど音がしない場合も |
ナッシング |
特定の歯を強くこすり合わせる動作。 |
ギーギーとした摩擦音 |
歯ぎしりのセルフチェック
自分が歯ぎしりをしているのかわからない。そんな方も多いと思います。次に挙げる項目を参考に、自分が歯ぎしりをしている可能性があるかチェックしてみましょう。
・朝起きたときに顎がだるい、疲れた感じがする
・頬の内側の中央付近に白い線がある
・舌の側面が波打っている(ビンの蓋のような歯型がついている)
・歯がすり減っている
・上下の奥歯が接している面にツヤがある
・睡眠中の様子を録音できるアプリなどを使って確かめる
セルフチェックだけでは判断しにくいこともあるため、気になる場合は歯科医院で診てもらうことがオススメです。
歯ぎしりによる健康への悪影響
歯ぎしりは口腔内の健康だけでなく、体にも影響を及ぼしかねません。また、歯ぎしりの自覚症状がない方も次に挙げた症状が当てはまる場合には、歯ぎしりをしている可能性があるのでぜひチェックしてみてください。
歯がすり減る・欠ける
継続的な歯ぎしりによって、歯の表面がすり減ったり歯が欠けてしまう場合があります。特に咬合面(噛み合わせ部分)へのダメージが大きく、歯の形状が変化することも。それによってむし歯や知覚過敏のリスクも増加します。
よく歯を観察すると確認できますが、一般的には自覚しにくい症状です。歯科医院での定期検診で指摘される方も少なくありません。
歯や歯ぐきの痛み
歯ぎしりによって歯や歯ぐきに負担がかかると、歯を支える歯根膜が炎症を起こし歯の痛みや違和感を引き起こすことがあります。歯ぐきも同様に歯ぎしりに伴う力によって、痛みや出血・炎症を起こしやすくなってしまいます。また長期間放置すると、歯ぐき下がりの原因にもなるため注意が必要です。むし歯ではないのに歯が痛む・食事ができないほど痛む場合には、早めに歯科医院を受診してください。
知覚過敏
歯ぎしりで歯がすり減ったり欠けると、歯の表面にあるエナメル質が削れてしまいます。そこから象牙質が露出すると熱いものや冷たいものの刺激が神経に届いて痛みを感じ、知覚過敏を起こしてしまうのです。
上下の歯を強くこすり合わせるグラインディングとクレンチングのタイプの歯ぎしりをする方は、特に注意が必要です。
顎関節症
食いしばりや歯ぎしりのある方は、無意識のうちに顎に相当な負担をかけてしまいがち。それが顎関節症につながります。
顎が痛む、口を大きく開くことができない、顎から音がするといった症状が見られる場合は歯科医師に相談しましょう。
肩こり・頭痛
歯ぎしりによって顎の筋肉に負担がかかると首や肩にも緊張が広がり、肩こりや頭痛を引き起こす場合があります。原因がわからないまま、慢性的な肩こりや頭痛で悩む方も多いのではないでしょうか。さまざまな対策を試しても改善しない場合は、歯ぎしりの可能性を疑ってみてください。
歯ぎしりの対策方法
ここからは歯ぎしりを軽減させ、歯と口の健康を保つための対策方法を紹介します。
対策① ナイトガード(マウスピース)を装着
特に寝ている間の歯ぎしりは無意識に行なってしまうため、寝る前にナイトガードを装着すると効果的です。寝ている間の歯ぎしりによるダメージを少なくすることができます。ナイトガードを着用することによって歯のすり減りや欠けることを予防するだけでなく、歯にかかる圧力を分散し顎の負担を減らせるのです。
ナイトガードは市販されていますが、口のサイズに合っていないと不快感が強く、寝ている間に外してしまったり睡眠の質が落ちることが考えられます。より効果的に歯ぎしりの負担を軽くしたい方は、歯科医院で自分に合ったナイトガードを作るのがオススメです。
対策② 噛みあわせの治療
噛み合わせが原因で歯ぎしりを引き起こしている場合は、歯科医院で歯列矯正や詰め物を調整して歯ぎしりのリスクを軽減できることがあります。
歯の治療と一緒にナイトガードを併用すると、さらに効果が期待できるでしょう。
対策③ 睡眠環境を整える
睡眠の質が悪いと歯ぎしりをしやすくなるため、睡眠環境を見直し、質の高い眠りを手に入れる工夫をしてみてください。具体的にはベッドや枕などの寝具を自分に合ったものに変えたり、快適な空調を保ったり。また入眠前にリラックスできるようにすることも大切です。
対策④ ストレス解消
歯ぎしりはストレスと関連していることが多いため、その解消が重要です。リラクゼーション法や瞑想、運動、趣味で気分転換を図るなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
対策⑤ 生活習慣を見直す
歯ぎしりに影響を与える生活習慣を見直すことも大切です。まずは日中、ふとしたときに歯を食いしばっていると気づいたら、その都度力を抜いてください。
避けたいのはタバコやアルコール、カフェインの過剰摂取。健康的な食習慣を心がけることも欠かせません。また夜更かしや寝る直前はスマートフォンの使用を控え、質の高い睡眠を取るように心がけましょう。
歯ぎしりの原因をチェックして早めに対策しよう
顎が疲れる・むし歯ではないのに歯が痛いなどの自覚症状がある方は、無意識のうちに歯ぎしりをしている可能性があります。この記事を参考に考えられる原因を探り、対策を行なってみてください。歯ぎしりは口腔内だけでなく、体にもさまざまな影響を与えます。もしあまりにも症状が辛い場合は、歯科医院に相談するのがオススメです。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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