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【乳歯が抜けない】原因と影響を解説! 歯科医院に行くべきケースもあわせて紹介

【乳歯が抜けない】原因と影響を解説! 歯科医院に行くべきケースもあわせて紹介

6歳頃から徐々に始まる乳歯から永久歯への生え替わり。子どもの乳歯がなかなか抜けないことに悩んでいる方は多いのではないでしょうか? そこで今回は、乳歯が抜けない原因や影響を紹介します。歯科医院を受診したほうが良いケースもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2023.07.26 口のお悩み解決事典

乳歯が抜けて永久歯が生える一般的な時期

乳歯は何歳頃に抜けるのが一般的なのでしょうか? まずは、乳歯が抜ける目安となる時期を紹介します。

前歯:5歳半〜9歳頃

大抵の場合、乳歯から永久歯への生え替わりは下の前歯から始まります。下の前歯が抜けて生え替わる時期は、早いと5歳半頃。通常は、6歳から7歳頃です。下の前歯が抜けるのと同時期に、6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯が生えてきます。気をつけて観察してみてください。

一方、上の前歯が抜けるのは7歳から8歳頃といわれています。上下の前歯が2本ずつ抜けたらサイドの前歯も下から上の順に抜け、9歳頃には上下4本ずつある前歯の生え替わりが完了するのが一般的です。

犬歯以降の歯:10歳〜12歳頃

犬歯以降の歯は、10歳から12歳頃に生え替わります。犬歯よりも先に奥歯から抜けることが多いでしょう。また、12歳から14歳頃には6歳臼歯の奥に12歳臼歯と呼ばれる第二大臼歯が新しく生えてきます。

生えてきたばかりの永久歯は、歯自体が弱くむし歯になりやすいため注意してください。特に犬歯以降の永久歯は場所が奥まっていて、ほかの歯と比べて背丈が低いため磨き残しが出やすい部分です。

永久歯がすべて生えきるまでには2年ほどかかるので、生えている途中にむし歯にならないよう仕上げみがきで丁寧にケアしましょう。また、子どもへの意識づけも重要です。永久歯は生え変わらないので、一生大事にしないといけないこともあわせて子どもに伝えておきたいですね。

乳歯がなかなか抜けない原因

子どもの乳歯が一般的な生え替わりの時期を過ぎても抜けないと、心配になってしまうのが親心。乳歯がなかなか抜けないのはなぜなのでしょうか? ここでは、乳歯が抜けない理由を紹介します。

個人差によるもの

乳歯がなかなか抜けない理由で最も多いのは、個人差によるものといわれています。身長や体重などの発達具合に個人差があるように、歯が抜け替わる時期も子どもによって大きな差があるのです。

一般的には、体の発達が早熟な女の子のほうが歯の抜け替わりが早く、男の子は遅めになる傾向が。歯の生え替わりの時期には1年以上の差が生じることも多いです。

目安の時期を大幅に過ぎていない場合は、心配しすぎず自然に歯が抜けるのを待ってみてください。どうしても気になるときは、歯科医院に相談しましょう。

永久歯が乳歯とズレた位置で成長している

通常であれば、永久歯は乳歯のすぐ下で成長します。永久歯が成長するにつれて乳歯の根元が溶け、次第にグラつきが出て抜け落ちるというのが一般的な生え替わりの流れです。ところが、乳歯とズレた位置で永久歯が成長していることが原因で、乳歯がなかなか抜けない場合があるのです。

永久歯が乳歯とズレた位置で成長している場合、乳歯の根元をうまく溶かせないことがあります。このようなケースでは、生え替わりの目安の年齢を過ぎても乳歯がグラグラせず、なかなか抜けない原因となるのです。

永久歯が顎の骨に埋まっている

永久歯が顎の骨に埋まっているため、乳歯が抜けないこともあります。埋伏歯(まいふくし)と呼ばれるケースです。通常、永久歯が生えてこようとする過程で乳歯の根っこがなくなって抜ける準備をしていくのですが、永久歯が生えてこないため乳歯が抜けないのです。

埋伏歯は見た目では判断できません。歯科医院でレントゲン写真を撮影すると確認できるので、いつまでも抜けないで心配な場合は歯科医院で相談することをオススメします。

2本の乳歯がくっついてしまっている

2本の乳歯がくっついて1本になってしまっていることも、乳歯が抜けない原因のひとつです。癒合歯(ゆごうし)と呼ばれるケースで、乳歯の前歯によくみられます。

乳歯が癒合歯となっているケースでは乳歯が自然に抜けず、歯科医院で抜く処置を行なうことも多いです。また乳歯が癒合歯の場合、下にある永久歯の本数が1本しかなかったり、2本生えてきても生えるスペースが足りずに歯並びがガタガタになったりという問題も発生します。

幼児期から歯科医院へ通っている場合には、その過程で見つかることが多いです。生え替わりの時期に歯科医師からの助言を受けられるので、小さい頃からかかりつけの歯科医院があると安心です。

永久歯が欠如している

先天的に永久歯が欠如している場合もあります。永久歯の数が少ないため、永久歯がない部分の乳歯が抜けないまま残ってしまうのです。

永久歯の先天的欠如が多い歯の位置は、前から2番目と5番目の歯。永久歯が欠如しているかどうかは見た目ではわかりません。乳歯がなかなか抜けずに心配な場合は、かかりつけの歯科医院で相談するのがオススメです。

乳歯が抜けないとどんな影響がある?

子どもの歯が抜けないまま放置すると、口内トラブルの原因となります。ここでは、乳歯が抜けないことによる悪影響を紹介するので参考にしてください。

むし歯になりやすい

グラグラしているのに乳歯が抜けない状態を放置すると、痛みで歯みがきが不十分になり、むし歯につながりやすくなります。乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄いため、むし歯菌に侵されやすいのです。子どもが周辺の歯にブラシが当たるのを嫌がって、歯みがきが難しくなることも。

グラグラしているのになかなか抜けない場合は口内の環境が悪くなるため、早めに歯科医院を受診しましょう。

歯並びが悪くなる

乳歯がなかなか抜けない影響で、歯並びが悪くなることもあります。歯並びが悪いと磨き残しが出やすく、むし歯や歯周病などの口内トラブルのリスクが上がるため注意が必要です。

グラグラしている乳歯が抜けない場合にやってはいけないこと

子どもの歯がグラグラしているのになかなか抜けないと、もどかしくて抜いてしまいたくなりますよね。しかし乳歯を間違った方法で抜こうとすると、思わぬトラブルの原因となることも。ここでは、グラグラの乳歯が抜けないときにやってはいけないことを紹介します。

無理やり引っ張って抜く

乳歯がグラグラしているときに、無理やり引っ張って抜くのはNGです。無理に引き抜くと、歯ぐきを傷つけたり歯の根元が折れて歯ぐきの中に残ってしまったりする原因となります。

乳歯はグラグラし始めたからといって、すぐに抜かなければならないものではありません。引き抜くようなことはせず、子ども自身が舌で揺らすなどして自然に歯が抜けるのを待ちましょう。

汚れた手で触る

抜けかけている乳歯を汚れた手で触ると、歯ぐきが腫れるなどのトラブルの原因となります。グラグラしている歯が気になる場合は、手をよく洗ってから触ってください。

ちなみに、乳歯がほとんど歯ぐきから取れてぶら下がっているような状態の場合は、手を清潔にしたうえで引っ張って抜いてもOKです。痛い場合は無理に抜かず、自然に抜けるのを待ってくださいね。

乳歯が抜けず困ったときは歯科医院へ!

乳歯が抜けない原因はさまざまですが、なかには将来の歯並びや口内環境に影響を及ぼす原因が潜んでいることもあります。

子どもの歯がなかなか抜けず心配な場合は、自己判断せず歯科医院で診てもらうのが安心です。ここでは、一度歯科医院で診てもらいたいケースを紹介します。

グラグラしているのになかなか抜けない

乳歯がグラグラしているのになかなか抜けない場合は、一度歯科医院を受診したほうが良いでしょう。グラグラし始めた乳歯は、2ヶ月ほどで自然に抜け落ちるのが一般的です。3ヶ月経っても乳歯が抜けずグラグラしたまま残っている場合は、歯科医師へ相談するようにしてください。

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきた

乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきてしまったときは、歯科医院で診てもらいましょう。通常、永久歯は乳歯のすぐ下から生えてくるため、永久歯の成長に伴って乳歯が自然に抜け落ちます。しかし、子どもによっては乳歯の裏側から永久歯が生えてしまうことがあるのです。

乳歯が抜けないまま永久歯が重なり合うように生えてしまった場合、乳歯に抜ける兆候が見られなければ歯を抜く処置が必要になることもあります。乳歯と永久歯が重なって生えたまま放置すると歯並びが悪くなる原因にもなるため、早めの受診を心がけてください。

永久歯に生え替わる時期を大幅に過ぎても乳歯が抜けない

生え替わりの目安となる時期を大幅に過ぎても乳歯が抜ける兆候がない場合は、歯科医院で診てもらうと安心です。レントゲン写真を撮影することで、永久歯が欠如していないかどうかや生え替わらない原因などを診てもらえます。

抜け方に明らかな左右差がある

抜け方に左右差がある場合も、歯科医院で診てもらったほうが良いでしょう。特に、前歯の生え替わりに左右差がある場合、放っておくと前歯の中央のラインがズレてしまうことがあります。

キレイな歯並びを守るためには早めの処置が必要となるので、左右差に気がついたら歯科医院へ相談するのがオススメです。

乳歯は抜けたが永久歯が生えてこない

乳歯が抜けてしばらく経っても永久歯が生えてこないときも、歯科医院を受診しましょう。上の前歯は乳歯が抜けてから永久歯が生えてくるまでに3ヶ月程度かかることが多いので、生えてこない期間が数ヶ月であればあまり心配はいりません。

しかし、乳歯が抜けてから6ヶ月以上も永久歯が生えてこない場合は、何らかの異常がないか歯科医師に確認してもらったほうが安心です。歯が生えていない状態のまま長く放置すると歯並びに影響するので、しばらく経っても永久歯が生えてこないときは早めにかかりつけの歯科医院に相談してください。

乳歯が抜けないときは歯科医院で診てもらうと安心

今回は、乳歯がなかなか抜けない原因や影響を紹介しました。子どもの歯は6歳から12歳頃に生え替わるのが一般的ですが、歯が抜ける時期には個人差があります。なかなか乳歯が抜けなくて心配な場合は、かかりつけの歯科医院で診てもらうようにしましょう。

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

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