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おしゃぶりが歯並びに影響するって本当? いつまでに卒業すれば良いか&やめ方を解説

おしゃぶりが歯並びに影響するって本当? いつまでに卒業すれば良いか&やめ方を解説

育児のお助けアイテムとしておしゃぶりを使っている方の中には、歯並びへの影響が気になる方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、おしゃぶりと子どもの歯並びや噛み合わせの関係を紹介します。卒業すべき年齢や、やめ方もお伝えするのでぜひ参考にしてくださいね。

更新日: 2023.07.26 美しい口元を目指す

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

おしゃぶりは歯並びに悪影響? いつまでに卒業すれば良い?

おしゃぶりが歯並びに悪影響を与えるという話を耳にしたことはありませんか? 歯並びが悪くなる可能性もあると聞くと、おしゃぶりを子どもに与えて良いのか迷う方もいるかもしれません。まずは、おしゃぶりを使っても大丈夫な時期と卒業を目指す年齢の目安を紹介します。

赤ちゃんの時期は使用していても大丈夫

おしゃぶりは、赤ちゃんの時期に使用する分には特に問題ありません。赤ちゃんの口内は「吸う」動作に特化した構造となっているので、おしゃぶりを吸っていても歯並びに影響はないといえます。

赤ちゃんにおしゃぶりを与えると、寝つきが良くなったり機嫌良く過ごしてくれたりと育児をしやすくなるメリットが。しかし、おしゃぶりを長時間与えてしまうと、卒業が難しくなるなどのデメリットもあるので注意しましょう。

おしゃぶりを赤ちゃんに与える場合は、長時間吸い続けることがないよう加減して使用することが大切です。

2歳頃までに卒業を目指すのが良い

おしゃぶりは、2歳頃までに卒業を目指すのが一般的。1歳半から2歳頃になると乳歯の奥歯が生えそろい、口が「吸う」よりも「噛む」ことに向いた構造に変化するからです。

乳歯が生えそろった2歳頃を過ぎてもおしゃぶりを使い続けると、歯並びや噛み合わせへの影響が懸念されます。日本小児歯科学会でも「2歳頃にはおしゃぶりを卒業するのが良い」との見解が示されているので、子どもの月齢にあわせておしゃぶりの使い方を変化させ、徐々に卒業できると良いですね。

おしゃぶりが歯並びに与える影響

おしゃぶりは、乳歯が生えそろう時期には卒業したいアイテムです。2歳頃を過ぎてもおしゃぶりを使い続けるとどうなるのか? ここでは、おしゃぶりが歯並びや噛み合わせに与える影響を解説します。

開咬(かいこう)

乳歯が生えた後もおしゃぶりを使い続けると、開咬を引き起こす可能性があります。開咬とは、オープンバイトとも呼ばれる噛み合わせ異常のこと。奥歯を噛み合わせたときに、上下の前歯が噛み合わず隙間ができてしまう症状を指します。くわえていたおしゃぶりのサイズの分だけ、隙間があいている状態です。

開咬になると前歯がうまく噛み合わないため、奥歯を使って食べ物を噛み切らなければなりません。奥歯に大きな負担がかかり、すり減ってしまう原因となります。

また、開咬は顎関節症や顔のゆがみ、言葉の発音(サ行が言いにくい)などとも関係があります。開咬になってしまうと歯列矯正による治療が必要です。2歳頃までのおしゃぶり卒業に向けて、徐々に使う時間を減らしましょう。

出っ歯(上顎前突)

おしゃぶりを使い続けると、出っ歯(上顎前突)の原因になります。出っ歯とは、下方向に向かって生えるべき上の前歯が、前方に向かって突き出すように生えてしまう歯並びのことです。

出っ歯は見た目がコンプレックスになりやすいだけでなく、前歯をぶつけやすいデメリットもあります。また口呼吸となることが多いため、むし歯や歯周病、口臭などの口内トラブルが発生しやすくなる可能性も。

出っ歯は自力で治せないので、治療には歯列矯正が必要となります。おしゃぶりで出っ歯になってしまったら早めに歯科医院で相談してください。

叢生(そうせい・ガタガタの歯並び)

乳歯が生えそろってからもおしゃぶりを使っていると、叢生の原因となります。叢生とは、歯並びが悪くガタガタになってしまっている状態のことです。

歯並びがガタガタだと歯の磨き残しが多くなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また食べ物を噛み砕く効率が落ちるため、胃腸への負担がかかりやすくなったり、見た目が気になってコミュニケーションを積極的に取れなかったりするデメリットも。

子どものガタガタになった歯並びに対して行なう治療は、歯列矯正です。顎を広げる矯正治療が必要となる場合もあります。

永久歯の歯並びに影響することも

おしゃぶりによって乳歯の歯並びや噛み合わせが乱れると、永久歯にも影響が出る場合があります。開咬や出っ歯、叢生などの歯並びは、乳歯から永久歯に生え変わっても改善されません。

それどころか、乳歯よりもサイズの大きい永久歯が生えることでより歯並びが悪くなることも考えられます。おしゃぶりによる子どもの歯並びの異常に気がついたら、歯科医師へ治療について相談するのがオススメです。

おしゃぶりの使い方のポイント

おしゃぶりは、使い方を誤ると歯並びが悪くなる原因となります。では、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか? ここからは、おしゃぶりの使い方のポイントを紹介します。

月齢や年齢にあったおしゃぶりを使用する

子どもにおしゃぶりを与える際は、月齢や年齢に合ったおしゃぶりを選ぶようにしましょう。おしゃぶりのパッケージには、対応月齢や年齢が明記されています。購入の際は対象年齢をよく確認し、口の成長度合いに合ったおしゃぶりを使うようにしてください。

おしゃぶりで静かにしていても積極的に赤ちゃんと関わる

赤ちゃんにおしゃぶりを与えるときは、おしゃぶりに頼りすぎないようにすることが大切です。おしゃぶりを吸いながら大人しく過ごしていても、手の空く時間があれば積極的に赤ちゃんと関わるようにしましょう。

静かに過ごしているからといって赤ちゃんにおしゃぶりを与えたまま長時間ほったらかしにしておくと、おしゃぶりが習慣化しやめにくくなる原因となります。家事をするときなど少し赤ちゃんを待たせるときに使用するのは構いませんが、長時間常用するのは避けるようにしてください。

1歳を過ぎたら別の方法を少しずつ取り入れていく

1歳を過ぎたら、おしゃぶり卒業へ向けておしゃぶりとの付き合い方を見直すのがオススメです。言葉が出てくる時期なので、会話の機会を増やしておしゃぶりから口を離すように誘導すると良いでしょう。

おしゃぶりの卒業目標である1歳半〜2歳頃になると、子どもは自我が芽生えてイヤイヤ期に入ります。イヤイヤ期の時期におしゃぶりを急にやめさせようとすると子どもも大人も疲弊してしまうので、1歳頃から徐々に卒業へ向けたアプローチを始めることが大切です。

おしゃぶりのやめ方

歯並びが悪くなることを避けるため、1歳半から2歳頃には卒業したいおしゃぶり。しかしおしゃぶりが大好きな子どもの場合、取り上げると泣いてしまってなかなかやめられないこともあるのではないでしょうか。ここからは、親子で笑顔でできるおしゃぶりのやめ方を紹介します。

少しずつ使用頻度を減らして段階的に卒業する

少しずつ使う頻度や時間を減らし、段階的に卒業するのがおしゃぶりのやめ方の基本です。ホルダーで衣服などにおしゃぶりをつけている場合は取り外し、子どもから見えない場所へ置くようにします。

おしゃぶりの使用頻度を減らすには、おしゃぶりから気を逸らすのがポイントです。たくさん話しかけて遊んだり絵本を読んだりして、おしゃぶり以外のことに夢中になるよう誘導してみてください。

おしゃぶりがないと眠れない場合は日中の運動量を増やす

寝かしつけでおしゃぶりを使っていた場合、おしゃぶりがないと眠れない子どももいるようです。おしゃぶりを与えないと寝ぐずりが激しいときは、日中の運動量を増やして調整することをオススメします。

運動量を増やして体を疲れさせると、自然に眠りにつきやすくなります。公園で外遊びするなどして子どもの体力を消費させ、おしゃぶりなしでの入眠を目指しましょう。

おしゃぶりの代わりのアイテムで安心感を与える

代替品を与えるのも、おしゃぶりをやめさせる方法のひとつです。安心感を求めておしゃぶりを吸っている子どもが多いので、ぬいぐるみやタオルなどおしゃぶりの代わりとなるお気に入りのアイテムを与えます。

子どもの手で握れるサイズのものを選ぶと、おしゃぶりをやめた反動で指しゃぶりへ移行する対策にもなるためオススメですよ。

おしゃぶりの先端を切る

おしゃぶりをなかなかやめられない子どもには、おしゃぶりの先端を切る方法もあります。おしゃぶりの先端をカットすると吸い心地が変わるので、自分から「もういらない」と言いだすことが多いのです。

ある程度の会話ができる場合は、カットしたおしゃぶりを見せて「壊れちゃったね、バイバイしようか」と処分を促すのも良いでしょう。

おしゃぶりをやめる日を前もって伝えて一気にやめる

おしゃぶりをやめるための強硬手段として、一気にやめる方法があります。断乳するときと同じように前もって「◯日になったらおしゃぶりはバイバイだよ」と伝えておき、その日以降は一切おしゃぶりを与えない方法です。

この方法でおしゃぶりをやめるまでにかかる期間の目安は、多くの場合3日程度。3日間はおしゃぶりほしさからぐずったり夜泣きがひどくなったりする可能性があるため、時間と心の余裕が持てる連休などのタイミングで決行するのがオススメです。

なかなかおしゃぶりが取れない場合は小児科医に相談する

さまざまなやめ方を試してもおしゃぶりが取れない場合は、小児科医へ相談を。情緒不安定などが原因で、おしゃぶりを手放せない可能性があるからです。

3〜4歳になってもおしゃぶりが手放せない場合は、かかりつけ医に相談することをオススメします。

おしゃぶりは歯並びへの影響を考えて正しく使うことが大切

今回は、おしゃぶりと歯並びの関係ややめ方を紹介しました。おしゃぶりは、2歳頃を過ぎても使っていると歯並びが悪くなる原因となります。赤ちゃんの時期から使用時間などに気を配り、おしゃぶりに依存させないように注意しましょう。

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