歯ブラシの交換頻度はどのくらい? 目安や劣化のサインを知って正しく使おう
まだ使えそうだからと、何ヶ月も同じ歯ブラシを使い続けていませんか? 交換のタイミングを意識しないと、つい長く使ってしまいがちですよね。 そこで今回は、歯ブラシの適切な交換頻度を紹介します。交換の目安や劣化のサインを知り、正しく歯ブラシを使いましょう。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
歯ブラシの交換頻度の目安はどれくらい?
歯ブラシは、どのくらいの頻度で交換すれば良いのでしょうか? まずは歯ブラシを使い続けられる期間の目安や、定期的に交換すべき理由を解説します。
基本は【1ヶ月】で交換しよう!
歯ブラシは、1ヶ月に1回の頻度で交換するのが基本です。1ヶ月を超えて使い続けると、むし歯や歯周病のリスクを高める原因となるのでご注意ください。
毎月1日に新しい歯ブラシへ取り替えるなど、タイミングを決めて交換するのがオススメです。
歯ブラシを1ヶ月の頻度で交換したほうが良い理由
歯ブラシの交換頻度が1ヶ月と聞くと、「意外と短い」と感じる方も多いかもしれません。そこでここからは、“歯ブラシの交換頻度は1ヶ月”をオススメする3つの理由をお伝えします。
1ヶ月以上同じ歯ブラシを使い続けるデメリットも紹介するので、1ヶ月での交換が習慣づいていない方はぜひ参考にしてください。
汚れを落とす効果が減少するから
歯ブラシを1ヶ月の頻度で交換したほうが良い最大の理由は、歯の汚れを落とす効果が減少するからです。歯ブラシは使い続けるうちにだんだんと劣化するため、1ヶ月以上毎日使用した歯ブラシでは歯の汚れをしっかり落とせません。
正しく歯みがきしていてもプラーク(細菌のかたまり)が残りやすく、むし歯や歯周病になるリスクが高くなってしまいます。1ヶ月を目安に歯ブラシを交換し、効率良く歯の汚れを取り除くことが大切です。
細菌が繁殖して不衛生になるから
歯ブラシを1ヶ月で交換することをオススメする理由として、雑菌の繁殖も挙げられます。歯ブラシは口に入れて使う性質上、口内の細菌が繁殖しやすいアイテムです。そのため、1ヶ月を超えて使用すると歯ブラシ自体が不衛生な状態になってしまいます。
雑菌が増えた状態の古い歯ブラシを口に入れるのは、口内に雑菌を広げることにもなりかねません。毎日清潔に歯みがきするためにも、歯ブラシは1ヶ月ごとに交換するのが良いでしょう。
歯や歯ぐきを傷つける恐れがあるから
歯や歯ぐきを傷つけやすくなることも、歯ブラシを1ヶ月の頻度で交換すべき理由のひとつです。1ヶ月以上使用した歯ブラシは、毛先が広がったりブラシのコシが失われたりと劣化した状態になります。
劣化した歯ブラシでは思うように汚れが落とせないばかりか、ブラッシングの圧が強くなりすぎて歯や歯ぐきにダメージを与える原因となることも。
新しい歯ブラシに交換すると、直前まで使っていた歯ブラシよりもしっかりと磨けて、あっという間にツルツルになったと感じませんか? 一生ものの歯や歯ぐきを傷つけないためにも、歯ブラシは1ヶ月の頻度での交換が必要なのです。
歯ブラシが劣化しているサイン
歯ブラシの交換頻度の目安は1ヶ月ですが、使い方によっては1ヶ月より短い時間で寿命を迎えることもあります。ここでは、劣化した歯ブラシの特徴を紹介するので、歯ブラシの交換時期の見分け方がわからない方はぜひ参考にしてください。
毛先が広がっている
毛先が広がっているのは、歯ブラシが劣化しているサインです。ボサボサになった歯ブラシは歯の汚れを落とす効果が減少しているので、使い続けると歯にプラーク(細菌のかたまり)が溜まりやすくなります。歯ブラシの毛先が広がっていることに気づいたら、すぐに交換しましょう。
歯ブラシの毛先が広がっているかどうかをチェックするには、歯ブラシを裏側から見るとわかりやすいです。裏からヘッドを見たときにサイドに毛がはみ出して見えるようなら、せっかく磨いてもほとんど意味がありません。少しでも毛先が広がり始めたら交換が必要です。
毛先の広がり方がひどくなるほど、歯ブラシによるプラーク(細菌のかたまり)の除去効果が下がり、むし歯や歯周病のリスクがアップします。使用開始から1ヶ月経っていなくても毛先の広がりは定期的に確認し、劣化に早く気づいたら交換するのがオススメです。
コシがなくなっている
毛のコシ(汚れを掻き取る力)がなくなるのも、歯ブラシが劣化しているサインです。コシが失われるとうまく汚れを掻き取れなくなり、むし歯や歯周病のリスクがアップします。さらに、ブラッシングの圧が伝わりやすくなり、歯や歯ぐきを傷つける原因にもなるので注意しましょう。
歯ブラシの毛先がフニャフニャした感触になり、いつも通り磨いているのに舌で歯を触るとザラザラしているようなら、早めに新しい歯ブラシへ交換してください。
歯ブラシの寿命を縮めるNGな使用・保管方法
歯ブラシの劣化の原因には、使い方や保管方法が間違っている可能性が大きいです。
ここでは、歯ブラシの劣化を早めるNGな使用・保管方法を紹介します。正しい歯ブラシの扱い方もお伝えするので、すぐに歯ブラシが劣化してしまう方はぜひ参考にしてください。
歯みがきの力加減が強すぎる
歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまう方は、歯みがきの際に力を入れすぎている可能性があります。力を入れすぎることで歯ブラシの毛が押しつぶされ、毛先がすぐに広がってしまうのです。
歯みがきの力加減が強すぎるデメリットは、歯ブラシの寿命を縮めるだけではありません。そもそも歯ブラシの毛先が歯にあたらないので、プラーク(細菌のかたまり)が落とせないのです。また力を込めたブラッシングを続けると、歯に傷がつき知覚過敏の原因になったり、歯ぐきに傷がつき歯ぐきが下がったりするなどのリスクも。軽い力で磨くよう心がけましょう。
適切な力加減がわからない方は、歯科医院でブラッシング指導を受ける選択肢もあります。不安な場合は、かかりつけの歯科医院へ相談してください。
歯みがきの後、歯ブラシを軽く水で流すしかしない
使い終わった歯ブラシを水でサッと濡らす程度のお手入れだけだと、歯ブラシの寿命が短くなる原因に。歯ブラシの汚れをしっかり洗い流さないと、雑菌が繁殖しやすくなるのです。
とはいえ、汚れを落とすために指でゴシゴシこすったり、毛の間に詰まった食べ物を取ろうと無理やり開いて取るのは、歯ブラシの毛先が広がりやすくなるため逆効果。歯ブラシの向きを変えつつ、さまざまな方向から毛に直接流水が当たるようにして汚れを洗い流します。また、食べ物を取るときには爪楊枝などを使用してください。
指で少し毛を動かしながら洗い流したい場合は、指で毛に水が当たるのを遮らないように注意が必要です。また、あまり強く毛を動かすと毛先が広がる原因に。毛に水がきちんと当たるようにして、やさしく洗い流してください。
乾燥しにくい環境で保管している
歯ブラシを洗った後に乾燥しにくい環境で保管していると、歯ブラシの劣化が進みやすくなります。ただし外出先などでは、すぐに歯ブラシをケースに入れなければいけないこともあるのではないでしょうか。そんなときには、清潔なティッシュやタオルなどで軽く水気を拭き取ってから保管するのがオススメです。
ケースに入れる必要がないご自宅や会社での保管の際には、風通しの良い乾燥しやすい環境でブラシを立てておきます。家族の歯ブラシと保管場所が近い場合は、歯ブラシの毛が触れないように注意してください。
歯ブラシ以外のケアアイテムの交換頻度はどれくらい?
歯ブラシは目安として1ヶ月ごとの交換が推奨されますが、歯ブラシ以外のセルフケアアイテムはどれくらいの頻度で取り替えれば良いのでしょうか? ここからは電動歯ブラシやデンタルフロスなど、歯ブラシ以外のアイテムの交換頻度を紹介します。
電動歯ブラシのヘッドの交換頻度:3ヶ月
電動歯ブラシのヘッドの交換頻度は、一般的におよそ3ヶ月といわれています。「いつもと同じなのになかなかキレイにならない」「毛先が広がってきた」と感じたら、3ヶ月以内でも交換が必要です。ヘッドの交換時期は商品によって異なるので、詳しくはメーカーの情報をご確認ください。
ワンタフトブラシの交換頻度:1ヶ月
ワンタフトブラシは毛束が1つになっていて、通常の歯ブラシでは磨きにくい部分まで届くのが特徴です。
交換頻度の目安は、およそ1ヶ月。1ヶ月経っていなくても、毛先が開いてきたらプラーク(細菌のかたまり)を落としにくくなるため交換しましょう。
歯間ブラシの交換頻度:1日〜数週間
歯間ブラシの交換頻度はブラシの素材によって異なりますが、目安は1日〜数週間程度といわれています。商品によっても異なる場合があるので、詳しくはメーカーの情報をご確認ください。
ゴムタイプは1日で交換する
ゴムタイプの歯間ブラシは、1日で交換するのがオススメです。ゴム製の歯間ブラシは、ヘッドや持ち手が折れやすいので、毎日交換しましょう。
ワイヤータイプは数週間を目安に交換する
ワイヤータイプの歯間ブラシは、数週間を目安に交換するのがオススメです。また、使用期間に関わらず、毛やワイヤーに劣化が見られる場合は交換してください。
- ワイヤーが折れる
- 毛先が乱れる
- 毛がよれて細くなる
デンタルフロスの交換頻度:1回使ったら
デンタルフロスは基本的に使い捨てのアイテムなので、1回使ったら交換します。繰り返し使うと、糸が劣化してうまく汚れを除去できないので注意しましょう。
繰り返し使えるデンタルフロスは1週間を目安に交換する
ホルダータイプのデンタルフロスの中には、繰り返し使用できるアイテムがあります。「繰り返し使える」などの表記がある商品は製品の説明に従い、1週間を目安に使用してください。
ただしあまり使っていなくても、糸がバサバサしたりたわんだり劣化のサインが見られる場合は交換が必要です。劣化したデンタルフロスはプラーク(細菌のかたまり)を除去する効果が減少し、むし歯・歯周病予防につながりにくくなってしまうので注意してください。
舌ブラシの交換頻度:1ヶ月〜2ヶ月
舌ブラシの交換頻度の目安は、1〜2ヶ月です。ただし、素材によって交換頻度は変わってきます。
毛がついているタイプは素材がへたってきたら交換する
歯ブラシのように毛がついているタイプの舌ブラシは、1〜2ヶ月の頻度で交換を。素材がへたってきたと感じたら、期間内でも交換が必要です。
プラスチックや金属製のものは素材が劣化したら交換する
プラスチックや金属製など、熱湯消毒ができるタイプの舌ブラシは、素材の劣化がみられるまで使用が可能です。耐熱温度が100度を超えるアイテムは、熱湯を使うことで清潔に保てます。
歯ブラシを適切な頻度で交換して口内トラブルを予防しよう
今回は、歯ブラシの適切な交換頻度を紹介しました。歯ブラシは、劣化具合を確認しつつ1ヶ月の頻度を目安に交換するのがオススメです。
歯ブラシ以外のセルフケアアイテムも交換頻度を守って使用し、むし歯などの口内トラブルを予防しましょう。
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