歯ブラシの選び方を解説! 8つのポイントを押さえて目的に合った種類を見つけよう
「もっと自分に合った歯ブラシがほしい!」「違う歯ブラシを試してみたい」と迷った経験はありませんか? 歯ブラシはヘッドサイズや毛の硬さなど、さまざまな種類があり選択肢が豊富です。そこで今回は、歯ブラシ選びで大切なポイントや、目的別の選び方を紹介します。
むし歯や歯周病予防に! 歯ブラシ選びにこだわるメリット
歯みがきはむし歯や歯周病を予防し、健康的な歯を守るために欠かせません。まずは歯ブラシ選びにこだわることで得られる、2つのメリットを紹介します。
メリット① 歯にうまくフィットして上手に磨ける
歯ブラシの形やコシが合うものを使うと、歯にフィットして歯垢を除去しやすくなります。歯垢は後々むし歯や歯周病を引き起こす原因になったり口の中のネバつきを生むため、どれだけ取り除けるかが重要です。
フィットした歯ブラシなどを使った丁寧なケアを毎日行なうことで、口内トラブルの予防につながります。
メリット② 好みの歯ブラシで毎日の歯みがきが癒しタイムに
歯みがきは、日常の中でも特に大事にしたいルーティンです。しかし疲れやストレス、眠気などで歯みがきをせずに寝てしまった経験はありませんか?
選び方にこだわって好みの歯ブラシを使うことで、歯みがきをためらうネガティブな理由をカバーしましょう。歯みがきタイムが息抜きを兼ねた癒しの時間になります。
歯ブラシの選び方で大切な8つのポイント
歯ブラシの選び方で押さえておきたい8つのポイントをお伝えします。ヘッドの大きさや毛のコシなど、買い替え時の参考にしてください。
選び方① 歯ブラシの種類
歯ブラシの種類といえば、自分で手を動かして磨く手用歯ブラシや電動歯ブラシが主流です。電動歯ブラシはさらに音波式や超音波式なども登場し、選択肢が増えました。それぞれの特徴やメリット、注意点を比較し、自分に合ったものを選びましょう。
歯ブラシの種類 |
特徴 |
メリット |
注意点 |
手用歯ブラシ |
直接自分の手を動かして磨く |
・安価 |
・磨き癖などで磨き残しやすくなる |
電動歯ブラシ |
モーターの力でブラシ部分を動かす |
・頑固なプラーク(細菌のかたまり)が落としやすい |
・歯や歯ぐきを傷つける可能性がある ・細かい場所が磨きにくい |
音波式歯ブラシ |
細かい音波振動と水流で磨く |
・磨きにくい場所も水流で流しやすい |
・値段が高価 |
超音波式歯ブラシ |
超音波振動素子が内蔵されている |
・プラーク(細菌のかたまり)を浮かせて落とす |
・歯ブラシの種類の中で最も高価 |
選び方② ヘッド部分のサイズ
歯ブラシの先端の毛がある部分をヘッドと呼びます。ヘッドには3列に毛束が並んでいるものが多く(1列・2列のものもあります)、幅は歯2本分が一般的です。だいたい前歯2本を磨ける大きさと考えるとイメージしやすいでしょう。
ヘッドサイズが大きいものは広範囲を磨きやすい一方で、細かい部分を磨き残しやすいのが難点。ヘッドが小さい歯ブラシは細かい部分を磨くのに優れているものの、ブラシ部分が少ないため磨くのに多少時間がかかり、ガシャガシャ磨きには適していません。
選び方③ 毛の硬さとコシ
一般的に歯ブラシの硬さは、やわらかめ・ふつう・かためのように記載されています。さらに細かく見ると、スーパーソフトやミディアムハードなど、硬さの段階はメーカーによってさまざまです。また、毛のコシも硬さの選び方で押さえておきたいポイントです。
歯垢を掻き取るためには、毛のコシは不可欠。やわらかめの歯ブラシは歯ぐきを傷つけずに磨ける一方で、歯垢がネバネバしていたり頑固な歯垢が付いていたりする場合には、落とすのに時間がかかってしまいます。かための歯ブラシは、歯や歯ぐきを傷つけることも。歯にフィットしにくくなるため、歯垢が残りやすくなる傾向があります。
選び方④ 毛の太さ
歯ブラシの毛の太さも、選び方で見極めておきたいポイントです。毛の太さは、太い・ふつう・細い・極細などさまざまな種類があります。太い毛はブラッシング力に優れていて、歯垢を落としやすいのがメリット。一方で、細かい部分は磨きにくい特徴もあります。
毛が細い歯ブラシはやわらかくしなりが大きいため、デリケートな歯ぐきを傷つけず、やさしく歯垢を取り除けます。反面、ネバネバした歯垢を落とすには時間がかかり効率が悪くなります。
選び方⑤ 毛の長さ
歯ブラシの毛の長さとコシには最適な比率があり、歯と歯の境目に付着した歯垢の掻き出しにも力を発揮します。歯ブラシは毛が短いと硬くなり、長いとやわらかく感じます。極端に長さが違う場合を除いて、その違いはあまり大きくありません。
歯みがきで重要なのは歯垢の除去なので、選び方は自分で使ってみて磨きやすい長さを見極めるのがオススメです。試したうえでわからなければ、歯科医院に相談してみるのも良いでしょう。
選び方⑥ 毛先の形
歯ブラシの毛先の形には、おもに丸くなめらかにカットされたタイプと、先端に向かって細くカットされたタイプがあります。また、最近では切りっぱなしのものもありますが、歯や歯ぐきを傷つける可能性が高いためオススメしません。丸いカットの毛先は、歯や歯ぐきを傷つけにくいのがメリットです。先端が細いカットの毛先は、細かい部分への到達性が高い反面、毛先の力が弱くネバネバした歯垢を落としにくい・毛先の劣化が早いなどの特徴があります。
毛の素材や長さによって磨き心地が変わるため、歯ブラシの選び方のワンポイントとしてチェックしておくのがオススメです。
選び方⑦ 毛の種類
毛の種類には、人工毛と天然毛の二つがあります。PBTという樹脂で作られている歯ブラシは、速乾性が高いのが特徴で、雑菌が繁殖しにくく衛生的です。
動物の毛を使った天然素材の歯ブラシは、歯や歯ぐきを傷つけにくいのが特徴です。一方で吸水性が高く雑菌が繁殖しやすいという点も。洗い流した後は清潔なタオルやティッシュで水分をふき取り、風通しの良い場所で保管するようにしましょう。
選び方⑧ ネック部分の形
ネックとは、歯ブラシのヘッドと柄をつなぐ部分です。主流のストレートタイプに加えて、カーブネックも登場しています。カーブネックは奥歯に届きやすいなど、商品によってその特長はさまざま。歯みがきの問題が解決しやすくなります。
一方でカーブしているため、かえって磨きにくい場所ができてしまうことも。自分の磨き癖を把握することでどんな形を選ぶかが見えてきます。
【目的別の選び方】オススメの歯ブラシ
「効率良く磨きたい」「歯ぐきを傷つけたくない」など、目的別にオススメの歯ブラシをまとめました。実際の歯みがき方法を思い浮かべながら、自分に合った歯ブラシを見つけてください。
広範囲を効率良く磨きたい方に
広範囲を効率良く磨きたい方は、ヘッドが大きいサイズの歯ブラシがオススメです。歯全体を磨くとともに、磨き残しが多い部分もしっかりとブラッシングするようにしましょう。
また毛の硬さや長さなどのほかに、歯垢を除去するブラシのコシもカギとなります。ヘッドが大きい歯ブラシを選ぶときは、毛のコシにも注意しておくと良いでしょう。
- ヘッドが大きいサイズの歯ブラシ
- 毛にコシがある歯ブラシ
歯ぐきがデリケートな方に
歯周病の方は、歯ぐきが傷つきやすくデリケートな状態になっています。歯垢をしっかり落としつつ、歯ぐきへのダメージが少ないものを選びましょう。歯ぐきへのダメージを抑えられる「やわらかめ」の歯ブラシがオススメです。しかし、ただやわらかいだけでは歯垢を掻き出す力が弱いため、毛のコシも重要なポイント。歯ぐきを守ることに集中して歯垢を磨き残すと、それが原因で歯周病になるという悪循環が生まれます。
選び方のコツとして、やわらかめの歯ブラシを試しつつ、ほどよくコシのある歯ブラシを選ぶようにしましょう。
- 毛の硬さがやわらかめの歯ブラシ
- 毛にコシがある歯ブラシ
磨き残しを少しでも減らしたい方に
奥歯や歯間など磨きにくい場所のケアは、歯みがきで大切なポイントです。磨き残しによって歯垢が溜まってしまう方は、ヘッドの小さいタイプや毛先が細くカットされた歯ブラシを使う方法もあります。
歯ブラシにはたくさんの種類があり、使わないと合っているか判断できないため「いろいろ買ったけれど見つからない!」ということも。
歯並びや口の大きさなどによって選ぶポイントが変わりますので、見つからなくて困ったときには専門家に相談してください。
- ヘッドの小さい歯ブラシ
- 毛が細いタイプの歯ブラシ
- 毛が長いタイプの歯ブラシ
- 先端が細くカットされた歯ブラシ
- カーブタイプのハンドルの歯ブラシ
歯ブラシとの合わせ使いでより健康に! プラスケアアイテムを紹介
むし歯や歯周病を予防するためには、実は歯ブラシによるブラッシングだけでは不十分なのをご存じですか? 歯ブラシとの組み合わせがオススメされている、プラスケアアイテムを紹介します。
ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシは、毛束が1つのブラシです。予防歯科先進国では、歯ブラシと同じくらいメジャーな口内ケアアイテム。ワンタフトブラシは、通常の歯ブラシでは磨き残してしまう部分をすっきり落とすのに大活躍します。
歯ブラシの選び方を見直すこの機会に、ぜひ取り入れてみてください。
デンタルフロス
デンタルフロスは、歯と歯の間の歯垢を取り除くのに適したアイテムです。歯ブラシは表面や見えやすい場所の汚れは落とせますが、歯と歯の間の歯垢は落とせません。健康な歯を守る意識が高まってきた現代では、デンタルフロスでケアする方も増えてきました。
歯みがきの前にデンタルフロスで歯間の歯垢を落としたうえで、歯ブラシで磨くのがオススメ。歯垢をより減少させます。長く健康的な歯をキープするためにも、一日一回を目安として丁寧に歯垢を落とすようにしましょう。
洗口液(マウスウオッシュ)
洗口液(マウスウォッシュ)も、口内ケアとして人気のアイテムです。殺菌成分配合のものや吸着剤配合のもの(殺菌することなく細菌を捕らえて洗い流す)、刺激が強いもの、やさしい使い心地のもの、シャバシャバと水に近いもの、トロミのあるものなどさまざまです。商品の特徴を確認して、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
注意点としては、洗口液だけでは十分な口内ケアとはいえないこと。歯ブラシやデンタルフロスなどをあわせて使うことで、ワンランク上の口腔内ケアができますよ。
キシリトール配合ガム
甘味料として「キシリトール」が配合されたガムは、甘みが感じられるお菓子にも関わらずむし歯菌のエサにならないため安心して食べられます。パクッと噛むだけで、歯ブラシでのケアがとてもラクになるのでオススメです。
また飴やタブレットなどにも配合されていますが、ガムなら噛むことで唾液量をアップ。口の中の細菌を洗い流したり、口内の乾燥対策ができたり、口の健康に良いことがたくさんあります。ぜひ噛む習慣を暮らしに取り入れましょう。
歯ブラシの選び方を知って磨き残しの少ない口内ケアをしよう
快適に歯みがきするためには、歯ブラシの選び方がポイントになります。磨きやすさに加えて、歯垢をしっかりと除去できるアイテムを選ぶのが歯ブラシの選び方のコツです。
まずは歯ブラシの硬さやコシなど選び方を見極めること。そして毎日磨き残しの少ない口内ケアを行ない、口内トラブルを予防して長く健康的な歯を維持していきましょう。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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