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大人の歯は何本あるの? 永久歯の本数や何本あれば大丈夫なのかを解説!

大人の歯は何本あるの? 永久歯の本数や何本あれば大丈夫なのかを解説!

自分の歯が全部で何本あるか知っていますか? 今回は、子どもの歯や大人の歯が何本あるかを紹介します。乳歯や永久歯の本数だけでなく、食事を楽しむために必要な歯の本数もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2023.10.17 口のお悩み解決事典

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

大人の歯の本数は、体の健康に大きな影響がある

子どもや大人の歯の本数をお伝えする前に、歯を失うこと・口の健康が損なわれることのリスクについてお伝えしましょう。

歯が何本あるのかによって、健康は大きく左右されます。歯がなくなると食べられるものが限られたり、うまく噛めないことから胃に負担をかけたり。栄養をしっかり吸収できなくなる可能性もあります。

見た目や発音が気になって、コミュニケーションの弊害となることも。人との関わりを避けて家に閉じこもりがちになると、運動不足によって健康を損ない、認知症のリスクを高めるなどの恐れがあるので注意が必要です。

さらに歯を失う原因のひとつである歯周病は、全身のさまざまな病気と深い関わりがあるといわれています。心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などのリスクを高める可能性があるので、口と体の健康を守るためには健康な歯ぐきを保つことがとても大切です。

年を重ねても歯を健康な状態でキープするためにも、「歯は全部で何本あるのか」という基礎知識や適切な口内ケアの方法を学んでおきましょう。

子どもや大人の歯は何本ある?

乳歯や永久歯は何本あるのでしょうか? 子どもの歯と大人の歯の本数だけでなく、生える順番も紹介するのでぜひチェックしてみてください。

子どもの歯(乳歯)は何本?

子どもの歯は上下それぞれ10本ずつ、合計20本あります。乳歯は生後6ヶ月頃から生え始め、3歳頃に生えそろうのが一般的です。

子どもの歯が生える順番

乳歯は、まず前歯(乳切歯)から生えてきます。下の歯から上の歯の順番で生えるのが一般的です。中央の2本が生えた後に両隣の2本が生え、1歳頃には上下4本ずつ合計8本の前歯が生えそろいます。

1歳半頃には、奥歯(乳臼歯)が手前から奥の順番で生えてきます。奥歯と前歯の間にある歯(乳犬歯)は、前歯に近いほうの奥歯が上下左右に各1本ずつ生えた後に生えてくるのが一般的です。

ただし、これらはあくまで目安です。子どもの成長には個人差があるので、このとおりでなくても心配はありません。もし気になる場合は、歯科医院に相談してみてください。

大人の歯(永久歯)は何本?

大人の歯は28本、親知らずを含めると32本あります。最近では成人でも親知らずが生えない方もいるので、大人の歯は全部で28〜32本が一般的です。

成人になっても親知らずが生えてこないケースには、欠損していて歯自体が存在しない場合と、歯ぐきの中に完全に埋まっている場合があります。歯科医院でレントゲン写真を撮影すると親知らずが埋まっているかどうかがわかるので、気になる方は歯科医院で確認してもらいましょう。

28〜32本の永久歯は、形や役割ごとに切歯・犬歯・臼歯の3種類へ分類されます。ここからは歯の種類別に何本あるのかを解説するので、ぜひ参考にしてください。

切歯は何本?

切歯とは前歯のことで、食べ物を噛み切る役割を持つ歯です。永久歯の切歯と乳歯の切歯の本数は変わらず、下の歯4本、上の歯4本の合計8本あります。

犬歯は何本?

犬歯とは前歯と奥歯の間に位置し、中心から数えて3番目にある歯のこと。先端のとがった形が特徴です。犬歯はほかの歯と比べて根っこが長いため、頑丈で年を重ねても抜けにくい歯であるといわれています。

犬歯の本数は上の歯2本、下の歯2本の合計4本です。噛み合わせを支える役割があるため、本数は少ないけれどとても大切な歯です。犬歯が抜けてしまうとあごが不安定になりやすくなるので、むし歯や歯周病などによって失わないよう注意しましょう。

臼歯は何本?

臼歯とは、犬歯よりも奥に並ぶ奥歯のことです。溝があり丸っこいのが特長です。臼歯は食べ物をすりつぶす役割を持つほか、噛み合わせを安定させる働きもあります。

乳歯の頃は乳臼歯と呼ばれ、本数は上の歯4本、下の歯4本の合計8本です。永久歯になると、臼歯は小臼歯と大臼歯に分かれ、左右に4本ずつ生えてきます。親知らずを含めると5本です。

つまり、大人の臼歯は親知らずを含めると合計20本あるのです。

大人の歯に生え替わる順番

乳歯が大人の歯に生え替わり始めるのは、6歳頃からです。最初に下の前歯が抜け、それと同時期に6歳臼歯と呼ばれる1番目の大臼歯が生えてきます。7歳頃には上の前歯が抜けて、その後は14歳頃までかけて奥歯へ向かって徐々に生え替わりが進んでいきます。

12歳頃には、6歳臼歯の奥に12歳臼歯と呼ばれる2番目の大臼歯が生えるのが一般的です。親知らずは子どものうちに生えることもありますが、成人してから生えてくることも珍しくありません。切歯や犬歯、小臼歯が永久歯に生え替わり12歳臼歯が生えてきたら、ひとまず乳歯から永久歯への移行は完了したと考えて良いでしょう。

食事を楽しむには歯が何本必要?

食事を楽しむためには歯が何本必要なのでしょうか? ここでは、歯の本数と食べられるものの関係を紹介します。

永久歯が何本あればどんなものを食べられるのか。歯の本数が減ってやわらかいものしか食べられなくなるとどんなリスクがあるのかもあわせてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

固いものを食べるには18〜28本の歯が必要

固く歯ごたえのあるものを美味しく食べられる歯の本数の目安は、18〜28本です。自分の歯でしっかり食べられると、栄養バランスが整いやすくなり健康を保ちやすくなります。

18〜28本の歯があると食べられるもの
  • スルメ
  • 酢だこ
  • フランスパン
  • たくあん

ただし大人の歯が20本残っていても、臼歯ばかりを失っている場合はうまく食べ物をすりつぶせず、食べにくさを感じてしまいます。歯は臼歯から失われやすい傾向にあるため、臼歯を守るケアが重要です。

食事を楽しみながら健康を維持するには、「歯が18本残っていれば大丈夫」「10本程度は歯が抜けても良い」ではなく、できるだけ多く歯を残そうと意識することが大切です。

歯ごたえのあるものを食べるには6〜17本の歯が必要

歯ごたえのある食べ物を食べるには、6〜17本の歯が必要になるといわれています。

6〜17本の歯があると食べられるもの
  • 豚肉
  • れんこん
  • きんぴらごぼう
  • かまぼこ

歯が18本未満になると食べられるものが限られてきます。歯の本数が少なくなればなるほど、調理法を工夫して食べ物をやわらかくすることが必要になります。

また、歯が残っていたとしても歯周病が進行し歯がグラついている場合には、噛みにくかったり痛みを感じて食事を楽しめなくなることも。歯のグラつきが気になる場合は、早めに歯科医院で治療を受けるようにしてください。

歯の本数が0〜5本になるとやわらかいものがメインに

歯の本数が0〜5本になると、やわらかいものが中心になっていきます。

0〜5本の歯で食べられるもの
  • バナナ
  • うどん
  • ナスの煮付け

食べられるものがかなり限られるので、食事の楽しみが減ってしまうでしょう。また、食べられる食品の選択肢が減るため栄養バランスが偏りやすく、体の健康に影響を与える可能性も。

さらにやわらかいものは咀嚼の回数が減り、口周りの筋力低下に加えて認知症のリスクが上がるともいわれています。歯の本数が減ると体や脳の健康に影響するので、歯を失わないよう口内の健康を保つことが大切です。

口内の健康を保って歯の本数をキープする方法

歯を失うと、食事を楽しめなくなるだけでなく体の健康にも影響を及ぼします。歯を失う主な原因であるむし歯や歯周病を予防して、歯の本数をできるだけ多くキープ。そうすれば、年を重ねても食事を美味しく楽しめます。ここからは、口内の健康を保つ方法を紹介します。

よく噛んで食べる

口内の健康を保つためには、よく噛んで食べることが大切です。よく噛んで食べると唾液がしっかり分泌され、唾液の消化酵素が働いて胃への負担を軽減し腸で栄養を吸収しやすくなります。唾液は口内の汚れを洗い流したり歯の再石灰化をうながしたりもするので、歯周病やむし歯のリスクを下げることにもつながります。

つい早食いをしてしまいがちな方は、一口ごとに箸を置いてみるのもオススメです。じっくりと咀嚼することを心がけてください。食事以外のときもガムなどを噛んで、しっかり唾液を分泌させましょう。

毎日歯みがきをする

口内の健康を保つためには、日々のセルフケアがとても大切です。毎日の歯みがきでプラーク(細菌のかたまり)をしっかりと落とし、むし歯や歯周病を予防しましょう。

就寝時は唾液の分泌が弱まり口内の細菌が増えやすいので、特に夜寝る前の歯みがきは丁寧に行なうことをオススメします。

歯ブラシ以外の口内ケアアイテムを使う

歯ブラシ以外の口内ケアアイテムを併用することで、口内の健康を維持しやすくなります。ワンタフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどのアイテムを用いるのがオススメです。歯ブラシだけでは落としにくく、むし歯や歯周病になりやすい部分の汚れを確実に取り除きましょう。

ワンタフトブラシ

ワンタフトブラシは、ヘッドの部分が小さい歯ブラシです。小回りがきくので、丸い歯を持つ私たちには必要なアイテムといえます。

ワンタフトブラシは、歯並びが悪い人の歯みがきをラクにしてくれます。歯並びが悪い人は、キレイに並んでいる人よりも磨き残しが多くなりがちです。ワンタフトブラシなら細かい部分まで届くので磨き残しが減るだけでなく、ケアが楽になったり時短になったりする効果も期待できます。

デンタルフロス

デンタルフロスは、歯と歯の間に糸を通して掃除するアイテムです。歯と歯の間のプラーク(細菌のかたまり)だけでなく、歯と歯ぐきの間にある溝の中のプラーク(細菌のかたまり)が落とせる唯一のアイテムです。歯周病予防や歯の間のむし歯の予防に、積極的に取り入れましょう。

歯間ブラシ

歯間ブラシは歯と歯の間のプラーク(細菌のかたまり)を掻き出すアイテムです。ゴムタイプやワイヤータイプなどの素材があり、大小さまざまなサイズがあるのも特徴です。

歯間ブラシは歯と歯の間に差し込んで使うという性質上、サイズ選びや使い方を間違えると歯ぐきを傷つけたり、歯を削ったり、プラーク(細菌のかたまり)が取り除けないまま残ってしまったりします。歯間ブラシを使うときは、自分に合ったアイテムを慎重に選んでください。

喫煙を控える

口内の健康を守るためには、喫煙を控えることも大切です。タバコを吸うと、歯にヤニ汚れが付くという見た目の問題だけでなく、歯周病になりやすくなります。体の健康を考えても禁煙がオススメです。

定期的に歯科医院へ通う

口内を健康に保つためには、定期的に歯科医院へ通うことが重要です。クリーニングをしてもらったり、むし歯や歯周病が進行する前に治療を受けたりすることで、口内を健康に保てます。

とはいえ、歯科医院へ通うだけでは大丈夫とはいえません。日頃のセルフケアと歯科医師や歯科衛生士によるメインテナンスの両立が大切なので、歯科医院に頼りきりにならないように注意してください。

大人の歯を失わないように口内のケアを徹底しよう

今回は、「子どもの歯や大人の歯は何本ある?」「大人の歯は何本あればどんな食事を楽しめる?」という疑問にお答えしました。

乳歯は20本、永久歯は28〜32本あるのが一般的です。大人の歯は、20本以上あると固いものを食べられるといわれているので、成人後に歯を失わないようむし歯や歯周病に注意しましょう。

もしむし歯や歯周病になってしまったら、できるだけ早く治療するようにしてください。適切なセルフケアと歯科医院でのメインテナンスを両立し、大人の歯を失うことがないよう努めていきましょう。

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