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親知らずは抜かないとダメ? 抜く必要がある場合とその理由&治療方法を解説!

親知らずは抜かないとダメ? 抜く必要がある場合とその理由&治療方法を解説!

「親知らずは抜かないといけない」と思っている方も多いのではないでしょうか。親知らずは抜かなくてよい場合もありますが、状態によっては抜歯が必要なこともあります。本記事では、親知らずを抜く必要がある場合とその治療方法を紹介。親知らずが生えてきた方はぜひ参考にしてください。

更新日: 2023.09.12 口のお悩み解決事典

Supervisor監修者

株式会社オーラルケア 歯科衛生士


株式会社オーラルケア 歯科衛生士

スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。

親知らずって? 絶対に抜かないとダメ?

「親知らずが生えたら絶対に抜かないといけない」。そんなイメージを持っている方も多いようですが、実は親知らずは必ず抜かないといけないものではありません。親知らずを抜くか抜かないかは、生え方などによって決まります。

親知らずとは

親知らずとは、一番奥に生える永久歯のことです。上あごと下あごの左右にそれぞれ1本ずつ計4本生えますが、先天的にすべてまたは一部の親知らずが存在しない方もいます。

親知らず以外の永久歯は、一般的に12~15歳頃にすべて生え揃います。親知らずは、その後5年ほど遅れて20歳前後で生えるのが特徴です。最後に生えてくるため、生えるスペースがない場合は半分しか生えてこなかったり斜めに生えたりすることも。まったく生えるスペースがない場合には、骨の中に埋まったままになる場合もあります。

親知らずが中途半端な状態で生えると、歯みがきが難しく汚れをキレイに落とすのは困難です。このような状態の親知らずは、むし歯や歯周病などの病気を引き起こす原因にもなるため、抜いたほうが良いか歯科医院で相談することをオススメします。

親知らずを抜かなくても良い場合

親知らずは、必ず抜かければならないものではありません。特に、以下の場合であれば親知らずを抜かなくても良いこともあります。ただし自己判断はせず、必ず歯科医院に相談してくださいね。

親知らずの状態が良好

親知らずの状態が良好なときには、抜かない場合が多いです。親知らずの状態が良好な場合とは、
・親知らずがまっすぐに生えている
・むし歯になっていない
・噛み合わせの邪魔をしていない
などです。

親知らずは一番奥に生えるため鏡などでの確認が難しく、また噛み合わせについては自分で判断ができません。親知らずの状態は、歯科医院で確認してもらいましょう。

親知らずを活用する

親知らずは、ブリッジまたは入れ歯の支えとして使うこともあります。親知らずを活用する場合には、抜かないで残しておくこともあるのです。

ただし、歯並びや奥歯の状態によって対応が変わります。

親知らずが完全に歯ぐきの中に埋まっている

親知らずが完全に歯ぐきの中に埋まっていて痛みがなければ、抜かないで良いと判断されることが多いようです。

ただし疲れているときに重だるい痛みを感じるなどの症状があれば、親知らずは歯ぐきの中で隣の歯を押しているかもしれません。歯並びに影響を及ぼす可能性もあります。埋まっている歯はレントゲンを撮らないと確認できないため、歯科医院で検査してもらってください。

親知らずを抜いたほうが良い場合

続いて、親知らずを抜く可能性が高いケースをお伝えします。親知らずを抜きたくないと思っている方も、以下の状況に当てはまるのであれば歯科医院からよく説明を聞いたうえで抜くことを検討してください。

親知らずが斜めに生えている

親知らずが斜めに生えてしまっている場合は、抜かないといけないと判断されることが多いようです。

斜めに生えた親知らずは歯みがきが難しく、食べ物のカスやプラーク(細菌のかたまり)が溜まりやすい傾向にあります。そのため、むし歯や歯周病になりやすいのです。これらのトラブルを事前に回避する目的で、抜いたほうが良いと考えられています。

また斜めに生えた親知らずは、噛み合わせが悪くなる原因に。そのうえ体がバランスを保とうと首や肩が緊張して、肩こりにつながることもあるようです。

親知らずが斜めに生えている方はそのまま放置せず、まずは歯科医院に相談してみましょう。

親知らずがむし歯になっている場合

親知らずがむし歯になっている場合も、抜かないといけないと判断されることが多くあります。前述のように、親知らずは歯みがきが難しいとされている歯。したがって、治療を行なっても再度むし歯になるリスクが高いのです。

さらに親知らずの周りの汚れを歯みがきでキレイに落とせないと、隣の歯まで悪影響を及ぼす可能性が高まるため、抜いたほうが良いと考えらえます。

口内の状況にもよりますが、親知らずの治療は患者さんにとっても歯科医師にとっても、かなり大変な治療になりがちです。

親知らずは、むし歯になっているかどうかを自分で目視することはなかなかできません。痛みなどの症状がなくてもむし歯になっている場合もあるため、親知らずが生えているのであれば歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。

矯正治療にあたって親知らずを抜くべきと言われた

歯の矯正治療をするにあたって、歯科医院から親知らずを抜くよう勧められることがあります。せっかく矯正で歯並びをキレイにしても、歯ぐきの中で横に向いた親知らずや斜めに生えた親知らずがあると、ほかの歯を押して歯並びを乱してしまう可能性があるためです。

歯科医師から親知らずを抜かないといけないと言われたときには、矯正を始める前に検討してください。

抜いたほうが良い親知らずを放置するデメリット

なかには歯を抜くことに恐怖や不安を感じ「親知らずを抜かないといけないと言われたけれど、抜きたくない」という方もいるのではないでしょうか。

抜いたほうが良い親知らずを放置しておくと、さまざまなデメリットをもたらす可能性があります。デメリットを知ったうえで、抜くか抜かないかを決断してください。

親知らずや周囲の歯がむし歯になりやすくなる

親知らずは一番奥にあるため、ほかと比べて磨くのが難しい歯です。そのため、斜めに生えるなど抜いたほうが良い親知らずを放置しておくと、親知らずや周囲の歯がむし歯になりやすくなります。

親知らずや周囲の歯がむし歯になったら、抜歯だけでなくむし歯の治療が必要に。周囲への影響が大きくなりすぎた場合、神経を取る・隣の歯も抜くことになるかもしれません。

歯ぐきが炎症を起こしやすくなる

抜いたほうが良い親知らずは歯みがきを十分に行なえないため、むし歯だけでなく歯周病の可能性も高くなるデメリットが。歯周病は口内の環境だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。

年齢を重ねた後の抜歯は負担が大きい

年齢を重ねてから親知らずを抜歯すると、若い方よりも負担が大きいことがあります。

生えたばかりの親知らずは、歯の根が完成されていません。そのため抜きやすい傾向にあり、痛みも少なくなると考えられています。しかし歳を重ねると抜きづらくなるうえに、痛みや腫れなどが長引く可能性が。

「いずれ抜かないといけない」と思っているようなら、早めに判断するほうが良いかもしれません。
ただ、抜く決断をするのに時間がかかってしまう方はとても多いようです。抜く・抜かないについては歯科医院とよく話して、一番良いタイミングを見つけるようにしてください。

親知らずを抜く場合の治療方法

最後に、親知らずを抜く場合の治療方法をお伝えします。歯科医院によって治療方法は異なりますので参考程度にご確認ください。

①口内の状態を確認する

親知らずを抜く前に直接口内を見るのはもちろん、レントゲン撮影も行ないます。レントゲンは見えない歯ぐきの内部の様子を確認するためにとても重要です。また、親知らずと神経の位置関係も確認できます。

②麻酔をする

抜歯の前に麻酔を行ないます。状況によって麻酔の方法は異なりますが、注射針が刺さる感覚を鈍くするために表面麻酔を行なうことが多いようです。

表面麻酔で歯ぐきの感覚が鈍くなったことを確認し、麻酔を行ないます。麻酔に対して痛いイメージを持っている方もいるかもしれませんが、ゆっくり注入するため注射の痛みをほとんど感じないこともあります。また、痛みというよりは圧迫されるような感覚になる人も多いです。気にしすぎないほうが痛みを感じにくいため、あまり不安がらずリラックスしてのぞんでください。

痛みに弱い場合には、事前に伝えておくとより慎重に進めてくれますよ。

③抜歯をする

麻酔が効いていることを確認したら、親知らずの抜歯を行ないます。麻酔が効きにくかったり治療が進む過程で痛みを感じた場合には、我慢せず伝えましょう。

上あごの親知らずは骨がやわらかいので比較的抜きやすい傾向にありますが、下あごの親知らずは骨が厚くて硬いなどの理由から比較的抜きにくいようです。

④止血をする

親知らずの抜歯が終わったら、ガーゼを数分噛んで止血を行ないます。その後、抜歯後の注意事項の説明を聞いて終了です。親知らずの状態によっては、必要に応じて痛み止めが処方されることもあります。

過去に歯を抜いた際に痛みを感じたのであれば、その旨を伝えて痛み止めを処方してもらうと良いでしょう。

⑤抜歯後の診察をする

親知らずを抜歯した翌日または翌々日に、消毒や抜歯後の状態確認を行ないます。親知らずやそのほか口内の状況で聞きたいことがあれば、このときに相談してください。

親知らずを抜くか抜かないかは歯科医院に相談しよう

親知らずは、キレイに生えているのであれば抜かなくても良い場合があります。しかし、抜かないといけない親知らずを放置しておくと、むし歯や歯周病などのトラブルを引き起こすこともあるので注意が必要です。

親知らずを抜くか抜かないかは自己判断せず、歯科医師に相談して決めるようにしてくださいね。

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