親知らずの抜歯後、腫れや痛みはいつまで続く? 気をつけたいポイントも紹介
親知らずを抜歯するとき、心配になるのが腫れや痛みがどれくらいあるのか。それがいつまで続くのか、ということではないでしょうか。ここでは親知らず抜歯後の経過と、気をつけたい注意点をわかりやすく紹介します。ぜひご参考ください。
親知らず抜歯後の経過
親知らずの抜歯後の経過には個人差があり、歯の生え方や歯ぐきの切開の有無などでも状態が変わります。なかには「痛みや腫れがまったくなかった」という方もいるようです。
ここでは、痛みや腫れがあった場合の一般的な経過を紹介します。親知らずを抜いた後の目安として、参考にしてください。
【1~3日】痛みや腫れのピーク
親知らずを抜いたところには、およそ24時間以内に血餅(けっぺい)というゼリー状のやわらかい血のかたまりができます。血餅は出血を抑えたり傷口を保護したりと、かさぶたとして大切な役割を果たします。血餅がしっかりと定着するまでは、取れないように注意して過ごしてください。
親知らずを抜いた後は当日から痛みが発生し、その後3日ほど腫れが続く場合があります。麻酔の効果は平均して約2~3時間、長くて約3~6時間ほど。麻酔の効果が薄まるにつれて徐々に口元の感覚が戻り、「ズキズキして痛い」と感じるケースが多く見受けられます。
【3~7日】徐々に痛みが引いていく
親知らずを抜いてから約1週間ほどの間に、血餅が歯ぐきの成分に置き換わります。痛みや腫れは通常3日から1週間ほどで治まり、日常生活にも支障がない状態になることがほとんどです。鈍痛を感じる場合もありますが、一般的に1~2週間ほどで引くため様子を見ましょう。
親知らずの大きさや生えている状態などで、抜歯後3~7日の経過に違いが生じます。痛みが治まらなかったり腫れが続く場合は、我慢せず歯科医院を受診してください。
【3週間~1ヶ月以降】骨が再生し始め、抜歯後の穴が歯ぐきに覆われる
親知らずを抜いてから3週間〜1ヶ月後より、骨が再生し始めます。再生した骨の上に歯ぐきが同時にできあがってくるため、このくらいの時期に抜歯部の穴が塞がってくるでしょう。
とはいえ、あくまでも見た目には問題がない程度です。気になって舌で触ったり、歯ブラシで強く擦ったりなど、過度な刺激を与えないよう十分に注意してください。
3~6ヶ月ほど経過すると、歯ぐきの下の骨もしっかり再生して完治します。ただし完治するタイミングには個人差があり、これは一般的な目安です。たとえば歯ぐきを切開しない抜歯や親知らずが小さい方は、早ければ1ヶ月程度で治ることがあります。一方で、歯ぐきの切開を伴うと半年ほどかかる場合もあるようです。
親知らず抜歯後に気をつけたいことと、知っておきたいリスク
ここでは、「運動はいつからできる?」「入浴や喫煙はいつからOK?」など、親知らずの抜歯後に注意したいことをお伝えします。
※食事に関する注意事項はこちらの記事をご覧ください。
親知らずの抜歯後、オススメの食事は? 注意点もあわせて解説!
激しい運動は控える
血行が良くなることで痛みが出て、出血が止まらなくなったり腫れたりします。
抜歯後2~3日は激しい運動を避け、安静に過ごしてください。目安として、出血が完全に治まったら普通の運動から始めます。傷口の治りには個人差があるため、不安な場合は歯科医院に相談してください。
抜歯当日は入浴をせずシャワーにする
入浴も血液の流れを良くするため、出血が多くなったり血餅ができにくいといったリスクがあります。抜歯当日は、軽くシャワーする程度にしましょう。
一般的に、親知らずを抜いたところに激しい痛みや腫れがなければ翌日から入浴が可能です。翌日以降も数日は患部が不安定な状態なので、長時間の入浴は避けて様子を見てください。
たばこを控える
たばこに含まれるニコチンの影響で血管が収縮し、血行が悪くなって傷口の治りが遅くなる可能性が。血が不足して血餅をつくりにくくなったり、痛み止めがうまく作用しなかったりなどリスクが高くなります。
目安として治療から3日~1週間ほど、歯科医院の指示があるまでは喫煙を控えましょう。
ドライソケットのリスク
親知らずを抜いた後、気をつけたいことの1つにドライソケットがあります。ドライソケットとは、血餅がうまくつくられなかったり血餅が外れて抜歯したところの骨がむき出しになる状態のことです。
骨に直接刺激が加わるため鋭い痛みが発生し、痛みに耐えるストレスが増え、治りも遅くなる可能性があります。親知らずに限らず、抜歯全般で注意が必要です。
- 患部の鋭い痛み
- 骨の炎症
- 感染症
- 患部の治りが遅くなる
ドライソケットを防ぐために注意したいこと
ドライソケットにならないための対策として、抜歯後に過度なうがいや強いうがいをしないことが挙げられます。また、血餅を吸ったり手や舌で触らないようにしましょう。
個別性が高い親知らず抜歯後の経過。いずれの場合も“しばらく安静”が原則!
親知らずを抜歯した後の経過は人それぞれです。今回紹介した経過例はあくまで目安として参考にしていただき、違和感などを感じた場合はすみやかに歯科医院を受診してください。
また傷口の状態が落ち着くまで刺激を与えるのは禁物です。取り上げた注意点以外にも、傷口を舌で触ったり歯ブラシが当たることのないよう配慮しましょう。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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