歯は何本あれば大丈夫? 健康のためにキープしたい本数を徹底解説!
健康な歯がどれだけあるかによって、私たちのQOL(生活の質)は大きく左右されます。たとえば歯の本数が減ると食べられるものが限られたり、うまく噛めず胃に負担をかけたり……。いつまでも元気に歳を重ねていくため、ここで必要な歯の本数について押さえておきましょう。加えて適切な口内ケアの方法もお伝えします。
歯が何本あればどんなものが食べられる?
ここでは歯の本数と食べられるものの関係を紹介します。健康な永久歯が何本あればどんなものを食べられるのか。歯の本数が減ってやわらかいものしか食べられなくなると、どんなリスクがあるのかもあわせてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
固いものを食べるには18〜28本の歯が必要
固いものでも美味しく食べられる歯の本数の目安は、18〜28本です。自分の歯でしっかり食べられると、栄養バランスが整い健康を保ちやすくなります。
- スルメ
- 酢だこ
- フランスパン
- たくあん
ただし永久歯が20本残っていても、臼歯ばかりを失っている場合はうまく食べ物をすりつぶせず、食べにくさを感じてしまいます。歯は臼歯から失われやすい傾向にあるため、臼歯を守るケアが重要です。
食事を楽しみながら健康を維持するには、「歯が18本残っていれば大丈夫」「10本程度は歯が抜けても良い」ではなく、できるだけ多く歯を残そうと意識することが大切です。
歯ごたえのあるものを食べるには6〜17本の歯が必要
歯ごたえのある食べ物を食べるには、6〜17本の歯が必要になるといわれています。
- 豚肉
- れんこん
- きんぴらごぼう
- かまぼこ
歯が18本未満になると食べられるものが限られてきます。歯の本数が少なくなればなるほど、調理法を工夫して食べ物をやわらかくしなければなりません。
また、歯が残っていたとしても歯周病が進行し歯がグラついている場合には、噛みにくかったり痛みを感じて食事を楽しめなくなることも。歯のグラつきが気になる場合は、早めに歯科医院で治療を受けるようにしてください。
歯の本数が0〜5本になるとやわらかいものがメインに
歯の本数が0〜5本になると、やわらかいものが中心になっていきます。
- バナナ
- うどん
- ナスの煮付け
食べられるものがかなり限られるので、食事の楽しみが減ってしまうでしょう。また、食べられる食品の選択肢が減るため栄養バランスが偏りやすく、体の健康に影響を与える可能性も。
さらにやわらかいものは咀嚼の回数が減り、口周りの筋力低下に加えて認知症のリスクが上がるともいわれています。歯の本数が減ると体や脳の健康に影響するので、歯を失わないよう口内の健康を保つことが大切です。
意識を変えたりケアを工夫して、健康な歯の本数をキープする方法5選!
冒頭で述べたとおり、歯を失うと食事を楽しめなくなるだけでなく体の健康にも影響を及ぼします。だからこそ歯を失う主な原因であるむし歯や歯周病を予防して、歯の本数をできるだけ多くキープすることが重要です。ここからは、口内の健康を保つ方法を紹介しましょう。
① よく噛んで食べる
口内の健康を保つためには、よく噛んで食べることが大切です。よく噛んで食べると唾液がしっかり分泌され、唾液の消化酵素が働いて胃への負担を軽減し腸で栄養を吸収しやすくなります。唾液は口内の汚れを洗い流したり歯の再石灰化をうながしたりもするので、歯周病やむし歯のリスクを下げることにもつながります。
つい早食いをしてしまいがちな方は、一口ごとに箸を置いてみるのもオススメです。じっくりと咀嚼することを心がけてください。食事以外のときもガムなどを噛んで、しっかり唾液を分泌させましょう。
② 毎日歯みがきをする
口内の健康を保つためには、日々のセルフケアがとても大切です。毎日の歯みがきでプラーク(細菌のかたまり)をしっかりと落とし、むし歯や歯周病を予防しましょう。
就寝時は唾液の分泌が弱まり口内の細菌が増えやすいので、特に夜寝る前の歯みがきは丁寧に行なうことをオススメします。
③ 歯ブラシ以外の口内ケアアイテムを使う
歯ブラシ以外の口内ケアアイテムを併用することで、口内の健康を維持しやすくなります。ワンタフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどのアイテムを用いるのがオススメです。歯ブラシだけでは落としにくく、むし歯や歯周病になりやすい部分の汚れを確実に取り除きましょう。
ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシは、ヘッドの部分が小さい歯ブラシです。小回りがきくので、丸い歯を持つ私たちには必要なアイテムといえます。
ワンタフトブラシは、歯並びが悪い人の歯みがきをラクにしてくれます。歯並びが悪い人は、キレイに並んでいる人よりも磨き残しが多くなりがちです。ワンタフトブラシなら細かい部分まで届くので磨き残しが減るだけでなく、ケアが楽になったり時短になったりする効果も期待できます。
デンタルフロス
デンタルフロスは、歯と歯の間に糸を通して掃除するアイテムです。歯と歯の間のプラーク(細菌のかたまり)だけでなく、歯と歯ぐきの間にある溝の中のプラーク(細菌のかたまり)が落とせる唯一のアイテムです。歯周病予防や歯の間のむし歯の予防に、積極的に取り入れましょう。
歯間ブラシ
歯間ブラシは歯と歯の間のプラーク(細菌のかたまり)を掻き出すアイテムです。ゴムタイプやワイヤータイプなどの素材があり、大小さまざまなサイズがあるのも特徴です。
歯間ブラシは歯と歯の間に差し込んで使うという性質上、サイズ選びや使い方を間違えると歯ぐきを傷つけたり、歯を削ったり、プラーク(細菌のかたまり)が取り除けないまま残ってしまったりします。歯間ブラシを使うときは、自分に合ったアイテムを慎重に選んでください。
④ 喫煙を控える
口内の健康を守るためには、喫煙を控えることも大切です。タバコを吸うと、歯にヤニ汚れが付くという見た目の問題だけでなく、歯周病になりやすくなります。体の健康を考えても禁煙がオススメです。
⑤ 定期的に歯科医院へ通う
口内を健康に保つためには、定期的に歯科医院へ通うことが重要です。クリーニングをしてもらったり、むし歯や歯周病が進行する前に治療を受けたりすることで、口内を健康に保てます。
とはいえ、歯科医院へ通うだけでは大丈夫とはいえません。日頃のセルフケアと歯科医師や歯科衛生士によるメインテナンスの両立が大切なので、歯科医院に頼りきりにならないように注意してください。
歯を失うことがないよう、口内のケアを徹底しよう
乳歯は20本、永久歯は28〜32本あるのが一般的です。特に永久歯は、20本以上あると固いものを食べられるといわれているので、生え変わった後の歯を失うことがないようむし歯や歯周病に注意しましょう。
もしむし歯や歯周病になってしまったら、できるだけ早く治療するようにしてください。適切なセルフケアと歯科医院でのメインテナンスを両立し、できるだけよい状態で過ごせるよう努めていきましょう。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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