⑤そもそもむし歯はどうやってできる?
むし歯は、むし歯菌によって歯に穴があいてしまうと多くの人が知っています。ではむし歯になるまでどれくらい時間がかかり、むし歯菌がどんな働きをすることで穴があいていくのでしょう? 今回はむし歯ができるプロセスを詳しく見ていきます。
知っておくべきむし歯のメカニズム
むし歯というと、「歯に穴があいた状態」と思いがちです。でも実は、歯に穴があくまでには長い時間がかかります。次のイラストを見てください。
これはむし歯の進み具合を表しています。
一番左のC0はむし歯のなり始め。歯の表面が白くなっているだけで、まだ穴はあいていません。
ある研究によると、健康な歯がC0になるまでにかかる時間はおよそ3週間。またC1からC2になるには、約8年もかかるという結果が出ています。これほどゆっくりなら、歯を健康な状態に戻すチャンスがたくさんありますね!
歯に穴があくまで
次に、どうやって歯に穴があいていくのか見ていきましょう。
むし歯菌は、食後の口の中に残った糖分をエサにして酸をつくります。この酸が歯を溶かし(脱灰)、時間とともに穴をあけていくのです。
とはいっても、「食事をしたら必ず歯に穴があいてしまう」というわけではありません。
ヒミツは“唾液”。私たちの唾液には、歯から溶け出した成分を再び歯に戻す力(再石灰化)が備わっています!
食事のたびに、口の中でくり返される脱灰と再石灰化。この2つのバランスが崩れたとき、歯に穴があいてしまうのです。
むし歯の原因というと、「甘いものの摂り過ぎ」や「磨き残し」と考えがちですが、実は他にもこんな要素があります。
これらがそろったりこの状態の時間が長くなると、歯に穴があく危険度がアップ! 反対に、どれかが当てはまらなかったり条件が重なっている時間が短ければ、危険度はグーンと低くなります。
口の中の条件が変われば、むし歯になる可能性は変わってくるもの。
「今まで一度もむし歯になったことがないし、私はなりにくいんだ!」
そんな油断は禁物。健康な歯を保つために、むし歯になる原因をきちんと知っておくことが大切ですね!
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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