②知っておきたい! プラーク(細菌のかたまり)の増え方とできる場所
「あなたは歯みがきで何を落とす?」では、口の中の汚れの正体が細菌の集合体であること、そして細菌は時間が経つとプラーク(細菌のかたまり)になるという2点をお伝えしました。このプラーク(細菌のかたまり)ができるにはどれくらい時間がかかり、またどんなところにできやすいのでしょう? 今回はその点について詳しく見ていきます。
3日目から急増するプラーク(細菌のかたまり)
キッチンやお風呂の排水口にヌメリができるまで、かなりの時間がかかります。これは口の中も同様で、すぐにプラーク(細菌のかたまり)ができ上がるわけではありません。いったいどれくらい時間をかけて、どんなふうに変化するのか。1960年代に調査した研究があるのでご紹介します(現代では人道的に絶対できない、とても貴重なデータです)。
対象は歯学部の学生。最初に歯科衛生士が口の中を徹底的にキレイにしました。その後、毎日の歯みがきを禁止して「細菌がどのようにプラーク(細菌のかたまり)をつくっていくのか」を調査。結果、下図のように2日を過ぎた頃から細菌の種類や数が変わっていくのがわかりました。
こちらは実際のプラーク(細菌のかたまり)を撮影した画像です。
黒いモヤモヤしたものがプラーク(細菌のかたまり)です。図中の数字は日数。2日目(②)と比べて、3日目(③)は急にその厚みが増しているのがわかりますね。
つまりカギは2日目! 細菌が急増する前に歯みがきで落とすことが大事なのです。
ではプラーク(細菌のかたまり)がどんな場所にできやすいか、確認していきましょう。
プラーク(細菌のかたまり)ができやすい場所
次に、むし歯や歯周病になりやすい場所を見てみましょう。どれも歯ブラシが届きにくい場所だと思いませんか?
むし歯になりやすい場所
歯周病になりやすい場所
こうして見てみると、”プラーク(細菌のかたまり)ができやすい場所=むし歯や歯周病になりやすい“ということがわかります。
●プラーク(細菌のかたまり)があることで、むし歯や歯周病が起こる
●むし歯や歯周病が起こるところには、プラーク(細菌のかたまり)が存在する
つまり、むし歯や歯周病は”細菌によって引き起こされる疾患(細菌感染症)“なのです。「予防の父」といわれたスウェーデンの歯科医師、アクセルソン先生はこう言っています。
「クリーンな歯は決してむし歯にも歯周病にもならない」
だとしたら、クリーンな歯はどうやってつくればいいのか? そのヒントを次のステップで紹介します。
Supervisor監修者
株式会社オーラルケア 歯科衛生士
スウェーデンで確立された、予防歯科の考え方と実践方法を熟知している“予防のエキスパート”。エビデンスに基づいた歯を守る方法とその重要性について、幅広く情報発信を行なっています。歯科医療従事者、企業・団体、一般生活者に向けて、セミナーや教育活動を展開中です。
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